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ワレモロWSについて詳しく書いてみる

最近わたくし岩井や、
ハイバイの公式twitterアカウントが
しきりにつぶやいている、
「ワレワレのモロモロWS」について、

「なんとなくは聞いたことはあるけど、どうなんだろう、、」
とか
「そもそも演劇のWSってなんなの、、ちょっと怖いです!」


と思ってる方々に、もうちょっと詳しく、
このWSについてのご説明をしようとおもいます。

「ワレワレのモロモロ」WSでは、
「参加者の身に起きたこと」を演劇として立ち上げます。

ーーワレモロWSの流れーー
最初に参加者それぞれの自己紹介をしたあと、
演劇に立ち上げる「ネタ探し」として、
「みんなの身に起きた『ヒドい目に遭った話』」をしてもらいます。

要は、おしゃべりです。

「最近、何かあった?」的なやつ。
参加者のみなさんの身に起きた話を、おしゃべりして共有していきます。

そして「これやってみよう!」というものが見つかったら、
早速、演劇化に取り掛かります。

ーー話に結論がなくても大丈夫ーー
なんなら、演劇化がうまくいかなくても、それはそれで面白い。
「とりあえずやってみる」が大事です。
自分の話が、プロアマ入り混じった演劇化される様子を目撃すると、
俳優もそうじゃない人も、それぞれかなり得るものがあるみたいです。


ということで、ここからは今までの参加者さんたちからの感想とか、
かれこれ10年以上、このワークショップをやってきた、
わたくし岩井から見た、このワークショップの「効能」的なものを書いてみたいと思います。


ーー自分の過去を自分で演じるーー

「演じる」って聞くと、なぜか自然と
「自分ではない、誰かを演じる」
ってイメージしがちですが、
「これがどうも違うんじゃないか」
と、わたくし岩井は思っています。

まずは「自分を演じる」ということから、
「演じる」はスタートするべきなのではないかと。

つまりこれは「演じる」ということの根本的な体験なんだと思います。
ありそうで、ない体験。

「お母さんに初めて反抗した話」の自分。
「告白したのに全く相手にされなかった話」の自分。
「うんこ漏らした話」の自分。
「凄まじい金縛りにあった話」の自分。

こういったことを、本人が演じると、ほぼほぼ凄まじい面白さになります。

ーー俳優にとっても新鮮な体験ーー

「誰か」を演じ続けてきた俳優さんにとっても、
とても新鮮な体験だと思います。

「誰かを演じる」にしても、ベースとなる自分自身を演じることは、
とても重要なことだし、とても自然なことだと感じると思います。

「自分を演じるのって、こんなにリラックスした状態なんだ、、」
「『誰か』を演じるときも、これくらいリラックスできるといいな」

といった発見があります。

つまり、
シンプルに「自分」を演じ、
「ただ目の前の人たちに自分のエピソードを伝える」
という体験をすることで、
「今まで「誰か」を演じる時に使っていた神経や思考」
が、
不必要だったのかもしれない。
という発見につながるのです。

「背負いすぎていた!」という気づきですね。

これは、参加者が俳優さんの時によく上がる感想の一つで、
「なんか、全然頑張らなくても面白いんだって気づきました」
とか、
「俳優じゃない人が演じても、全然面白いんですね、、ショックです、、」
とか、そういう気づきとして、かなり興味深いです。

我々(演劇人)は、1ヶ月以上稽古して、
一体何をしていたのだろうか!的な。
(もちろんしっかり稽古することの素晴らしさは、僕も知っています。)

https://waremoro.peatix.com/view

さて、ここからは俳優さんだけに限らず、
一般の方にも参加していただきたい理由です。


ーー自分を演じることで得られるものーー

自分の過去の体験を、他の参加者の前で改めて演じてみることで、
自分の過去をさらに知り、参加者からその体験についての意見や感想が得られ、過去の体験に新たな意味や視点も生まれます。

ーー自分を誰かに演じてもらうーー

過去の体験を演劇化する際、
自分の役を他の参加者に演じてもらったりもします。
それも、とても新鮮で面白い体験だと思います。

「過去の自分を、誰かに演じてもらう。」

「あの時の私」そのものではありませんが、でも、目の前にいる「自分役」は、何%かは確実に「自分」であることがわかります。
それを見ているうちにまた、自分の過去に新たな視点や解釈を見つけられることがあります。

「外側から見たら、全然違う事実だった。」

「自分がなぜ怒っていたのか、客観的に見たら全くわからなくなった。」

「なんでそこまでこだわっていたのか、ようやくわかった」

「あの人に演じてもらったら、あいつが全然憎たらしくなくなった。」

など、現実の演劇化を通じて、過去の捉え方に変化を持った人が何人もいました。

ーーゲラゲラ笑いながら進んでいきますーー
ここまで、すごく硬い文章で書いていますが、
実際のワークショップでの空気は、全く硬くないです。

大抵、ゲラゲラ笑いながら進んでいきます。



僕は10年以上、このワークショップをやっていて、

「笑いながらお互いの過去を共有する」


ことが、とても重要だと思っています。


ーー軽い話も演劇化ーー

上に書いたような重い話だけでなく、
「美容院で思い通りの髪型にしてもらえなかった」
といった、軽い話題もどんどん出ます。
(当人にとっては決して軽くないと思いますが!)

最近では、
「うんこを漏らした話」
を、みんなで代わる代わる演じて、
気がついたら2時間くらい経っていました。

これに関しては、少し反省しています。笑

そんな様々な「自分の話」を次々に演劇化しながら、

自分自身を演じ、

目の前の誰かを演じ、

目の前の誰かの家族を演じる。


というワークショップを通じて、

自分の過去と、他の参加者の方の過去で遊んでいく。

というのが、「ワレワレのモロモロ」ワークショップであり、
僕がやってきた演劇そのものだと思っています。

演劇経験者の方も、未経験の方も、ぜひ体験してみてください。

岩井秀人


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