2024年

明けましておめでとうございます!

皆さんの2023年は、いかがでしたでしょうか?
僕はとにかく「あっという間だった」という他ございません!

2023年は、劇団主宰、作演出家という立場でみると
ミュージカル「おとこたち」と、ハイバイ「再生」
の年でした。

どちらもありがたやなことに、作品としての評判もよく、
出演者スタッフにもめちゃくちゃ恵まれて、
本当に素晴らしい経験になりました。

お客様にも楽しんでもらえたかと思います。

と同時に、後半に立て続けに入った、
「ワレワレのモロモロ」の公演
「ワレワレのモロモロ」のワークショップ
の価値を再発見できた年でもありました。

ーーワレワレのモロモロの再発見ーー


今までは「演劇の練習」のように思っていたこの
「ワレワレのモロモロ」が、
演劇のためにだけやるなんてモタイナーイ!
な代物であることがわかったのです。

参加者同士が過去を共有して、それを元に演じる。


これが「ワレワレのモロモロ」の主旨です。
公演形式でも、ワークショップ形式でも、かれこれ10年以上、
全国津々浦々、これを続けてきました。

だけど、ワークショップの数をこなしていくうちに、
「公演」が前提になっている「ワレモロ」

「公演」が前提になっていないワークショップの「ワレモロ」
の違いに気づいてきたのです。

やはり公演が前提になっていると、
どうしても「本番」というものを意識してしまい、
台本も演出も演技も全てをパッケージングして、
「商品」にしないといけない。
つまり、いわゆる「演劇」の文脈に載せないといけない。
これは、仕事として演出家をやらせてもらっている以上、
避けて通れない。

例えその台本を書いてくれた当事者の、過去に対する想いがあっても、
それよりも「作品としてお客さんに見せる」ために、
必要なことがあったら、それを優先しなくちゃいけない。

だけど、上に書いたみたいに、この「ワレモロ」の主旨は、

参加者同士が過去を共有して、それを元に演じる。

で、「公演」目的になると、この主旨の部分が、薄まってしまう。

当事者が当事者役を演じ、他の参加者がその家族や恋人の役を演じる。

その後、

トラウマの対象となった家族や恋人役を、本人が演じる。

この流れによって生まれる、
「当事者が自分の過去自体を演じ、トラウマの対象自体を演じる」
ことと、
「他の参加者が演じる当事者役を、当事者が外側から見る」
ということが、
当事者の過去に新たな視点を生むのです。

これが「ワレワレのモロモロ」の一番の特徴であり、武器であり、
このワークをやる意味そのものだと、回を追うごとにわかってきました。

公演形式では、これらの一連の流れを通りはするものの、
これも上に書いたように、「本番」が最終地点になってしまうので、
どうしても
「当事者の過去に新たな視点を生む」
という面が、疎かになってしまうのです。

ということで、やはりワークショップとしての「ワレワレのモロモロ」を、
もっともっとやっていきたいと思いました。

しかも、俳優だけでなく、一般の方や、
精神障害の方々を混ぜて開催していくことで、
さらに多くの発見がありました。

「一般の方や精神障害の方々の中に俳優を参加させる」
ことで、
「当事者の過去に新たな視点を生む」力が、めちゃくちゃ増す。
という発見です。

これは
「俳優は舞台や映像の現場に立ってこそ」
という一般的な考えとは、かなりズレのある考え方かもしれません。

でも実際に俳優によって自分の役を演じてもらった当事者は、
深く強い現実の再現を目の当たりにすることになり、
自身の過去を洗い直せることになる。

これは、俳優の機能の再発見でもあると思っています。

そして俳優側も、市井の人々のリアルな生活を知ることができ、
しかも本人が見ている前で、本人の大事な過去を演じるという、
まさに俳優の本質的な仕事ともいえる場が、ここに生まれるわけです。

「ヒッデー目にあったから話を聞いてほしい!」という方々、
「現場がないんだけど、俳優としての力を使いたい」という方々、
「俳優ってなんだっけ?」となっている方々、
「自分の過去に別の視点を持ちたい」という方々、
「演劇にどんな可能性があるのか?」という方々、

ぜひ、参加してみてください。

今年はこのワークショップのブラッシュアップを中心に、
「いきなり本読み!」も再開しつつ、
演劇を演劇の外に展開していこうと思っています。

「ワレワレのモロモロ」から派生して、
「話しづらいことを話してみよう」的なリモートでの談話会や、
「話す」「書く」とことに特化したレッスン
も考えています。

時代がどんどん変わっていく中で、
結局のところ「コミュニケーション力」が、
最終的に物を言います。

その「コミュニケーション力」の源泉となる、
「話す」「書く」能力を上げていくことが、
いつの時代にも対応できる本質的な策なんじゃないか
と、
引きこもりから演劇を始め20年以上経った今、
ぼんやりと感じています。

そういった新しい試みの数々を、
全て楽しみながら、試していければと思っています。

ご興味ある方はご連絡お待ちしております。

コメントに書いていただくも結構です。

本年もよろしくお願いいたします。

岩井

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