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夢の痂(かさぶた)

新国立劇場2005/2006シーズンの井上ひさしによる東京裁判を扱った作品です。観てたらよかった。残念。パンフレットを見ただけですが、芸術・文化の役割って、このような演劇の中にあるように思えました。このパンフレットには、憲法学者の樋口陽一、歴史学者の吉田裕、演劇評論家の大笹吉雄、フランス文学演劇学者の風間研 の文章が見開きで書かれ、その他、1947年の東京・山形の年表があり、これだけでも読み物なので、図書館にあってもいい感じ。このパンフレットにはさまれていた別刷りA4サイズに書かれた井上ひさしの言葉はぐっとくる。「この裁判を〈瑕こそ多いが、血と涙から生まれた歴史の宝石〉と考えています。なによりも、この裁判はのちの国際法や国際条約を生む基礎になりました。また、力を持たない市民が、この裁判をもとに戦争暴力に抵抗することができるようになりました。(中略)では瑕とはなにか。(中略)もう一つの大きな瑕は、国民がこの裁判を無視していたことです。なぜ自分たちはあんなにも大量の血と涙を流さなければならなかったかを国民はきびしく問うべきでした。」

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