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haniho_kum
いつか、森のなかに沈む。
年月を経た大樹たちが光をさえぎっていた。森は暗く、深海の静けさが領していた。人々は森をおそれうやまっていた。村は、いつか森のなかに沈む。人間など無力でか弱い生き物だ。
森がやってくるまでの間、人々は夜ごと火を囲んで酒をのみ、うたうだろう。旅の途中の私は、うたげのなかに交わらず、遠巻きにながめている。森は彼らに恐怖と安心をもたらすだろう。
老夫がそっと輪から離れていく。足取りはおぼつかないが、なにか確固たる意思のようなものがあった。表情はわからない。やがて森の裾野にたどりつく。私はそれ以上追うのをやめる。そのまま森のなかに消えていく。ひどく眠い。村に戻る。うたげはまだつづいている。
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