アイヴィさん

◾︎ 温泉街♨️在住。 ◾︎ 受験に向けて仏教哲学勉強中 ◾︎ 夜の露天風呂が幸せ。 ◾︎ 飲めないクセに利酒師。

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最近の記事

【 般若心経の解釈多すぎ問題について ② 】 自我も創造神も否定する「空」と「因縁」

①では般若心経の成立の歴史をざっくりとまとめてみた。②では歴史的に見て、般若心経つまり「空」思想の何がセンセーショナルな内容だったのかについて考察してみる。 ◽️②自我も創造神も否定する「空」と「因縁」 般若心経は釈迦の十大弟子の一人、智恵第一とされるシャーリプトラ(舎利子)が観自在菩薩から説法を受けるという形式になっている。 シャーリプトラは釈尊の十大弟子のひとりで、8歳の時に国中の哲学者を皆言い負かしてしまったという程の賢者で、立場としては形而上学的問題について確定的

    • 【 般若心経の解釈多すぎ問題について① 】般若心経成立までの歴史をざっくりと

      般若心経といえば日本で一番読まれているお経と言ってまず間違いないと思う。 仏教各宗派はもちろん、神前でも唱えられるし、難解な空理論の根拠であったり、除災招福の呪文であったり、果ては自己啓発系セミナーのテーマだったり、怪しげな霊感コンプレックスビジネスの元ネタにされたりもする。もうなんでもアリ状態な印象。 色々と般若心経の解説を読んでみて、概ねだいたいこんな感じなんではないかという感覚にほんのちょっぴり取っ掛かりができた気がするので、整理のためにも自分なりに①〜⑥にまとめてみ

      • 【 大峯修行体験記④ 】役小角と黄金大仏〜古代のアナキズム&保守思想〜

        ①〜③で日本書紀から壬申の乱を経て、国津神井光、角乗、大海人皇子と修験道開祖役小角と吉野海人族が一本の線で繋がってスッキリした。 ここではそもそもの疑問だった"金峯山はなんで黄金の峰の山なの?"から、ほんとに金があったの?という疑問の検証をしてみる。この過程でたまたま見えてきた古代日本の保守思想、アナキズム、リバタリアニズムというちょっと特殊な視点もからめてみようと思う。 引き続き、「役行者 修験道と海人と黄金伝説/前田良一著(日本経済新聞出版)」を参照しつつ考察してみる

        • 【 大峯修行体験記③ 】役小角と修験道の謎 〜大海人皇子と壬申の乱〜

          ①②で役小角が土蜘蛛(海人族)の末裔で、そのルーツは鉱山資源を探し求めて全国を巡った奴国(現在の九州 志賀島)の古代海人族であることがわかった。 また、吉野〜熊野を拠点とした巨大鉱山勢力の祖先は井光という国津神に辿り着くこともわかった。 ③では、役小角と国津神井光をつなぐものを、引き続き「役行者 修験道と海人と黄金伝説/前田良一著(日本経済新聞出版)」をもとにまとめてみる。 ◽️国津神井光と役小角を結ぶもの 修験道大峯山護持院・桜本坊に「日雄寺継統記」という一巻の巻物が秘

          【 大峯修行体験記② 】役小角と修験道の謎 〜神代から飛鳥奈良時代・役小角誕生まで〜

          引き続き「役行者 修験道と海人と黄金伝説/前田良一著(日本経済新聞出版)」を読んでわかったこと、色々調べて感じたことのまとめ。 ◽️2. 金峯山はなんで黄金の峰の山なの? 役小角が賀茂一族の末裔であることは体験記①の通り。この賀茂氏は奈良の葛城山(役小角の出身地)の麓にある高嶋神社の神官であった。 高嶋神社は全国の賀茂・鴨神社の発祥の神社で、祭神は味耜高彦根神(アジスキタカヒコネ)。鋤(スキ)の名が示す通り鉄製農具の神、金属神である。 味耜高彦根神は大国主命を父とし、母を

          【 大峯修行体験記② 】役小角と修験道の謎 〜神代から飛鳥奈良時代・役小角誕生まで〜

          【 大峯修行体験記① 】役小角と修験道の謎

          先日ありがたいご縁を頂いて大峯修行に参加させていただいた。想像していたのより100倍キツい内容だったけれど、幸い怪我も事故もなく無事に帰ってきた。そもそも登山自体が初体験にも関わらず、ありがたいことこの上ない。 「死ぬ」という感覚からあまりにも遠ざかっていた日常生活にあって、この体験は本当にかけがえのないものをたくさん教えてくれた。 不思議な体験もたくさんしたけれど、それはさておき修験道という宗派に触れること自体も生まれて初めてで、好奇心がめちゃくちゃ刺激された。 実際に体

          【 大峯修行体験記① 】役小角と修験道の謎