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振り返る東日本大震災vol.001 発災からの一ヶ月

2021年3月で東日本大震災から10年が経ちます。
2020年度現在、IVUSAに所属する学生は当時小学校高学年くらいではないかと思います。
私自身、当時は千葉県に暮らす中学1年生でした。
暮らしていた場所によっては、会員の皆さんの中にも、うっすらとしか記憶にないという方もいるかもしれません。

IVUSAは東日本大震災発災直後から宮城県で復旧支援活動を行い、今現在に至るまで継続して活動を実施してきました。
このシリーズでは、当時のIVUSAの動きや実際に被災地で活動をしたOBOGの方々の経験を振り返りながら、いつか来る大災害に備え自分たちにできること、災害が起きた時に、自分たちが取るべき行動を考えるきっかけにしたいと考えています。

発災からの一ヶ月

▶3月11日 IVUSA災害対策本部設置
・警戒態勢レベル1 情報収集と緊急対応体制に移行
・安否情報システム起動
・進行中プロジェクト安否確認実施
 当時「バングラデシュ クリーンダッカ大作戦」「第11次雪原カーニバルなかさと協働活動」の2つのプロジェクトが進行中だった

▶3月12日 長野、新潟を震源域とする地震発生
・雪原隊の安否確認、HPへの記載→現地復旧作業に移行
 千代田区社会福祉協議会との災害協定に基づき派遣(14日までに、ガスの復旧や転倒家具などの5件の作業を実施)
・3日以内の余震危険予報を受け、隊派遣を16日に決定

写真で振り返る当時の様子①

3月12日未明に新潟県中越地方を震源とするM6.6の地震が発生。長野県北部や新潟県十日町市、津南町では震度6を超える揺れが観測されました。
十日町市に滞在していたIVUSAメンバーはプロジェクトを救援活動に変更し、商店街や施設の復旧作業を行いました。

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(写真:十日町市での復旧支援活動の様子)

▶3月13日 (公財)車両競技公益資金記念財団に派遣計画申請
・救援物資確保のため、本会の各ネットワークに打診

▶3月14日 千葉県九十九里浜方面視察隊派遣
・3名を千葉県旭市に派遣
・東日本大震災災害救援募金活動の申請を首都圏、近畿地方にて実施
・車両確保、救援物資調達方針を水、毛布、食料に決定

写真で振り返る当時の様子②

巨大津波の被害は千葉県房総半島九十九里浜沿岸をも襲いました。中でも旭市を中心に住居や漁港、道路が被害を受けました。
IVUSAは毎年九十九里浜の海岸清掃を行っており、今回の災害による被害地域での活動調整を行いました。

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(写真:千葉県旭市の様子)

▶3月15日 派遣計画作成
・原発事故を加味し、関越道-磐越道-東北道ルートに決定
・1次隊は、事務局と卒業生での編成に決定
(株)カーブスジャパンから飲料水の提供
緊急車両申請を世田谷警察署より発行
・新潟県長岡市、十日町市にて毛布、食料、燃料確保
・石巻市大街道の空きテナントをベースキャンプに決定

▶3月16日 1次隊派遣(〜19日 7名 石巻市)
・2tトラック4台が各地で積み込みをし長岡市で集結。その後石巻市へ移動。
[活動概要]
■救援物資輸送:宮城県石巻好文館高等学校、石巻市立青葉中学校、市立大街道小学校
■炊き出し:ヨークベニマル大街道店前
・石巻支援連絡会出席(後に(社)石巻災害復興支援協議会)

写真で振り返る当時の様子③

3月15日、緊急車両許可申請を世田谷警察署から受領しました。
3月16日にトラック4台に物資を積み込み、関越道で長岡市へ向かい、その後磐越道から東北道へ乗りました。
地震の影響で段差だらけの高速道路は小雪が舞い、気持ちとは裏腹に速度は上げられません。警察、消防、自衛隊、大型トラックとともに北上をしました。

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(写真:一次隊派遣時の写真)

写真で振り返る当時の様子④

3月17日、宮城県石巻市に到着。道路はヘドロだらけで、いたるところに被災した車両が横たわっていました。 電気、ガス、水道は完全に停止し、夜は氷点下になるほどの厳しい寒さでした。
(株)井上様のご厚意で石巻市大街道の空きテナントをベースキャンプに活動を開始しました。

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(写真:一次隊ベースキャンプでの様子)

▶3月18日 東京都主催 個人からの救援物資集積・仕分け作業
31日まで実施。延べ42名が参加。
都職員、都社協職員、千代田社協職員、IVUSA学生で作業を行うが、19日からは一般ボランティアも参加。

▶3月22日 2次隊派遣(〜27日 11名 石巻市、南三陸町)
・東日本大震災に係る資材等輸送ボランティア証明認定、石巻総合運動公園内備蓄基地よ り避難所への輸送を担う
[活動概要]
■救援物資輸送:南三陸町、女川町、石巻市河北地区、雄勝地区、河南地区、桃生地区、北上地区、牡鹿地区
■炊き出し:南三陸町ベイサイドアリーナ

▶3月28日 3次隊派遣(〜4月1日 16名 石巻市、多賀城市)
[活動概要]
■救援物資輸送:多賀城市、石巻市牡鹿地区
■炊き出し:石巻市立門脇中学校、ヨークベニマル大街道店前、市立女子高等学校、 東中里地区、駅北通り周辺、市立蛇田小学校、市立中里小学校、釜石会館
■復旧作業:石巻市東中里2件、駅前北通り4件、南中里1件、中里地区2件

写真で振り返る当時の様子⑤

新潟県十日町市の有志の方々による食材の提供を受け、各地で炊き出しを行いました。避難所だけでなく、街道沿いで在宅避難者向けの炊き出しも行いました。
街道沿いの安否確認に向かう人たち同士が、炊き出しの列で再会し、お互いの無事を確かめ合うこともありました。 (1次隊〜4次隊)

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(写真:炊き出しの様子)

写真で振り返る当時の様子⑥

提供いただいた救援物資や、自衛隊の管理する石巻総合運動公園内の救援物資集積備蓄基地から、各地の避難所に物資の輸送を行いました。
備蓄基地には、全国から大型トラックやヘリで物資が届けられていましたが、当初は末端の避難所までの配送ラインが確立していませんでした。 (1次隊〜3次隊)

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(写真:救援物資輸送の様子)

写真で振り返る当時の様子⑦

3次隊からは学生たちによる活動も開始しました。浸水した室内の家財を出し、畳や床板を剥がします。水害により被害を受けた多くの家財や写真、衣類など、あらゆる思い出が廃棄されてしまいます。

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(写真上:石巻市市街 写真下:「まちなかスマイルプロジェクト」1,000人以上のボランティアが参加した)

最後までお読みいただきましてありがとうございました!
今回は東日本大震災の発災から1ヶ月間のIVUSAの動きをご紹介しました。次回は2012年3月までの様子を振り返っていきます。


▶『Youth for the Resilience』とは
東日本大震災から10年となる今、私たち若者が自らの大切なものを守るための「備え」と「行動」を身につけることを目的とした「若者の災害対応力向上キャンペーン」です!
「#Y4R」

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被災地域で行なっていた復旧支援活動は、現在は宮城県の山元町を拠点に「東日本大震災復興支援活動」として継続しています。
今後のプロジェクト実施に向け、プロジェクトに深く関わりたい学生を募っています!
もし興味がある方は、身近な先輩に話をするか、IVUSA情報センターにその旨を送っていただくか、私に直接連絡していただいても構いませんのでご相談ください!

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私達一人ひとりが取るべき避難行動は生活圏・居住環境によって異なります。
この災害対応力レクチャーでは、IVUSA職員の宮﨑が、実際にあなたが暮らす地域や居住環境で必要な災害への備え、被災時行動をレクチャーします!
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事務局  三浦 慎爾
担当プロジェクトは天竜川鵞竜峡復活プロジェクト/印旛沼クリーン大作戦/カンボジア教育支援活動。公式SNSの担当もしています。
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