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ゆるぼうvol.021 なぜ災害ボランティアが必要なの?【Youth for the Resilience】

過去記事で、災害ボランティアがそれぞれの災害で、どんなお手伝いをさせていただくのかということを部分的ではありますが、ご紹介させていただきました。
今回は、そもそも「なぜ災害ボランティアが必要なの?」ということについてご紹介します。

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➖災害が起きたとき、消防や自衛隊が助けてくれる?

災害が起きたときに、消防隊員や自衛隊員などが救助活動を行っている光景は、だれもがニュースで目にしたことがあると思います。

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地震によって家屋に生き埋めになってしまった人、洪水によって逃げおくれた人、土砂崩れに巻き込まれてしまった人、道路が寸断されて孤立した地域の人などの人命を守るために、災害時には消防・自衛隊などが活動します。

また自衛隊は、給水、炊き出し、入浴支援、仮設の橋の設置、道路などの土砂の撤去などの支援も行います。

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こういった消防・自衛隊をはじめ、警察や自治体・国などによる公的支援を公助と言います。

➖自助・共助・公助って聞いたことがあるけど?

災害への備えや発災した時の支援などを考える時に、自助・共助・公助という言葉がよく使われます。
自助は、自分の身を自分で守るということで、この中には家族も含みます。
共助は、地域のコミュニティなど周辺の人たちが助け合うことを言います。
そして公助は、公的な支援のことを言います。

この3つに関して、どれか一つに期待するのではなく、それぞれきちんと備えることが災害では重要です。
特に東日本大震災や阪神淡路大震災のような大規模な災害では、消防や自衛隊がすべての家にすぐに駆け付けることが困難だからです。
阪神大震災の救助活動では、自助が70%、共助が20%、公助が10%だったと言われています。

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➖自分の身は自分で守る、自分の家は自分だけで守れる?

災害時、人命が助かればそれで終わり、ということはありません。
住宅も被害にあうため、過去記事で紹介したような片付け等が必要になります。
この片付けなどでも自助・共助・公助が大切になってきますが、一般的に個人宅の片付けに対して公的な支援はほとんどありません。

そのため自分たちで何とかしなければいけませんが、重たい家具や家電の運搬や、濡れた畳の運搬、ガレキや土砂の片付けは、体力がある人でも1人でするのはとても大変です。

そのため、地域の人と協力し合ったり(共助)、近所の方と協力し合ったりします(近助)。

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しかし、災害によっては、周辺地域も含めて広い範囲で被害が出ていると、地域内だけでは協力し合うことが難しいことがあります。
ご近所付き合いがなかったり、親戚や友人が遠方に住んでいて頼れないということもあります。

そういったときに必要になるがボランティアです。
「困ったときはお互い様」という気持ちで、被災していない地域住民や、被災地域外の人がボランティアとして駆け付け、お手伝いさせていただくということが必要になります。
こういったことを互助と表現する場合があります。

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災害は日常生活を奪い、非日常となります。
日常を取り戻すためには、多くの人手が必要ですが、少子高齢化・過疎化、都市部における地域コミュニティの衰退などもあり、また近年では災害の激甚化・広域化により、今まで以上にボランティアが求められています。

次回は、災害からの復旧・復興に欠かせない存在となっている災害ボランティアセンターについてご紹介する予定です。


▶『Youth for the Resilience』とは
東日本大震災から10年となる今、私たち若者が自らの大切なものを守るための「備え」と「行動」を身につけることを目的とした「若者の災害対応力向上キャンペーン」です!
「#Y4R」

▶『ゆるぼう(ゆる防災)』とは
Y4Rキャンペーンの取り組みの一つで、 「調べれば分かるけど、そこまでじゃない話」をコンセプトに、防災・減災に関する様々なテーマについて話し合うシリーズです!
今後も「防災袋に入れておくべきものは?」「避難生活時に気をつけるべきことは?」などなどのテーマを予定しています!

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私達一人ひとりが取るべき避難行動は生活圏・居住環境によって異なります。
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IVUSA危機対応研究所 主任研究員 深山 恭介
IVUSA17期卒。関西事務所勤務。
災害救援活動、ロジスティックス、危機対応講習を担当。 プロジェクトでは阿蘇海環境づくり活動、雪原カーニバルなかさと協働活動、インド生活支援活動を担当。

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