FRBの全てをここに置いてきた。(後編)

FRBの成り立ちを説明します。
1906年にサンフランシスコで大震災が起きます。
それによって発生した大火事でサンフランシスコ市の家屋の80%が焼失し、約3,000人が死亡しました。
この災害で損害保険会社は保険金の払い出しをしなければいけなくなり、緊急のキャッシュが必要となりました。


しかしサンフランシスコの銀行にはゴールドの十分な準備が無かったため、米国は他の地域から金の延べ棒を移送しなければいけなくなりました。
ナショナル・シティ・バンクの取締役、
ヴァンダーリップはパリで豪遊中のジェームズA.スティルマンに「ニューヨークの金がどんどんサンフランシスコに流れ出している」と報告します。
ナショナル・シティ・バンクのNY本店からは3,000万ドルに相当するゴールドがサンフランシスコへ向けて運び出されました。

ヴァンダーリップの咄嗟の判断で海外から金を輸入したので、ナショナル・シティ・バンクの金はなんとかなりましたが、この危機一髪の事件に遭遇してスティルマンはウォーバーグの「米国は中央銀行を必要としている」という論文を思い出します。

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