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小ネタ集 ーーー 映画 マロナ吹替版とTENET4DX版 レビューまとめ

ちょっとネガティブな感想なのですが、吐き出したいので小ネタとしてまとめました。

マロナの幻想的な物語り 吹替版

やっぱり字幕を追いながら観ると画面上の出来事をかなり見落としてしまうということが良くわかりました。特にこの作品は画面上に様々な遊びが散りばめられているので、隅々まで目が話せません。なので、字幕版と吹替版のどちらか一方を選ばなければならないとしたら、私は吹替版を選びます。吹替版は我らがのんちゃんがマロナ役ということで評判です。
私も半分以上彼女の吹替え目当てで映画館に足を運びましたが、実は大満足とまでは行かなかったかなというのが正直な感想です。いや、のんさんの声の演技は相変わらず素晴らしくて声を聞いているだけで彼女の作りだす空気に包まれる気がして、それはとても心地かったのです。
ただこの作品の難しいところは、字幕版のレビューでも書いたとおり、「クライマックスがマロナの行動によって表現される」点にあります。冒頭から私たち観客に語りかけるマロナですが、物語終盤でマロナがとる決定的な行動の最中においては一切セリフがありません。この場面のマロナの吠え声と行動だけでマロナの気持ちを汲み取ることができるかどうかでこの作品の評価が分かれると思います。
何故ここにセリフが無いのか。ここで意図的にマロナにセリフを与えないことで私たちはあらためて私たち人間と犬のマロナの間の距離を感じることができます。犬の姿をした人間ではなく、擬人化された犬でもない、ただ吠えて走ることしかできない、まぎれもない「犬」のマロナ。ソランジュになかなか伝わらないマロナの気持ちを、果たして観ている私たちが受け止めることができるのか問われているような気になります。
ここはハマる人にとってはすごく心を揺さぶられる場面なのですが、字幕版と比べると、吹替版では台詞が日本語でダイレクトに頭に入ってくる上に、のんさんの声の存在感が大きすぎて、このクライマックスのシーンがぽっかりと穴が空いてしまったような感覚に陥ってしまいました。なんというか、大事なところの芝居が抜け落ちて、一気にラストの(オープニングに繋がる)あのセリフまで飛んでしまう。そんな感じなのです。
これはのんさんの芝居が悪いわけではないし、作品自体が悪いわけでも全然ないわけですが、もったいないというか、のんさんの声をもっと聞きたいという気持ちが勝ってしまう、それが吹替版を観た率直な感想です。
この感想は字幕版の時には出てこなかったものなので、なかなか難しいですね。

TENET 4DX版

いつかは試してみたいと思っていた4D系の映画ですが、ようやく観ることができました。一応MX4Dと4DXをネットで調べて評判が良い4DXで鑑賞。初めての4DXだったので、まだ未体験の方向けに4DXの感想を書きます。

1.熱い飲み物はNG
基本ストローで飲めるものじゃないとダメみたいです。私は大抵ホットコーヒーを持ち込むのですが、NGでした。ポップコーンとかもだめみたいです。まあ揺れるので仕方ないです。エチケット袋のサービスがあるくらいですから…。

2.前後の座席の感覚が広い!
座席が動くので当然ですが、前後の座席の幅が広く、座席が高めです。足元にフットレストがあるのですが、身長185cmの私でもフットレストを外すと足をブラーンとできます。これは非常に気持ちがよく、私は靴を脱いだまま鑑賞しました。おかげで足の浮腫みがとれましたw。

3.効果は良し悪し
映画の中で銃撃戦があると発砲のたびにプシュプシュと耳元からエアーが吹き出します。⇨✕ 
全く不要と感じました。銃口べつにこっち向いてないし。プライベート・ライアンのオープニングみたいにどこから弾が飛んでくるかわからないような場面ならともかく、そうでない場合はほとんど効果ない。4DXやってるなーみたいな感じ。

殴り合ったりすると背もたれがボコボコどついてくる。⇨✕ 
これまた全く不要。ただこの仕組みを使って背中をマッサージしながら映画が観れる仕組みが登場することを期待します。肩腰背中とフットマッサージが付いた座席なら1000円上乗せでも問題ないです。

水しぶき。⇨◯ 
意外と悪くない。むしろ一番4DXを感じました。メガネ掛けてても問題なし。これでジョーズ観たい!

風。⇨◎ 
何度か非常に心地よい風がそよそよと流れてきてそれが絶妙な加減でとても良かった。多分すごい空調の技術なんだと思うけど、正直ずっとそよいでもらってもいいくらい。頭がスッキリするし、このコロナ渦のなかで劇場内の空調が機能していることを感じられて安心感もあります。この風を感じながらツイスターを観たいです。

座席の揺れ、傾き。⇨◯ 
それなりに座席の傾きなどは効果がある気がします。まあ座席が動かないことには4DXの有り難みがないので。実感としては座席の傾きよりも、前の座席が傾くのが見ていて面白かったりする。旅客機が墜落するような映画だと面白そう。

まあ、夫婦50割があるからまだ観れるけど、定価払ってまで観ようとはなかなか思わないんじゃないかと思いました。よほどこのシステムに特化した作品でない限りは…。

で、肝心のTENET本編の感想ですが、クリストファー・ノーランこういうの好きだなあと思いつつも話がわけわからなくて4DXでなければ寝ていた可能性大です。
まずどうしてあの行動でヒロインの命を救えるのかが理解できなかったし、あそこまでヒロインに肩入れする主人公の気持ちも良くわからなりませんでした。最後ニールの男気溢れる行動でなんとなく良い映画見た気にさせられますが、インセプションやインターステラーまでの満足感は無い…いや、ほど遠いと言っていいでしょう。
ただそんな映画の出来以前に気になるのはやっぱりチラつくポリコレの影というか、主人公とヒロインの組み合わせひとつ取ってみても無理あるっしょと思わざるを得ないところでしょうか。もうハリウッド作品はここ諦めるしか無いのだろうけど、ポリコレのかたまりのようなハリウッドアニメの予告編を山ほど見せられてうわーと思ったところに本編がこれで、なんというか精神的に窮屈極まりないです。
気にしない人は気にしないのでしょうが、私は気になるタイプなんですよねえ。別に黒人と白人が惹かれ合うことが不自然とは言わないし、主人公が白人だったら面白かっただろうなんてことも毛の先ほども思わないけれど…。

ま、パズルや謎解きや薀蓄がお好きな方はどうぞ、どうぞどうぞ。

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