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【感想】束の間の一花 第2話

晴れでも雨 雨でも晴れるや

 そんな一花の歌から始まる第2話。1話に引き続きやっぱりいいなぁということで感想を書いてみることにした。

束の間の一花 TVer

見始めたきっかけ

 SixTONESが好きになって、ちょうどメンバーである京本大我さんがドラマをやるということで「タイミングもいいし見てみよう」と。

 第1話にして素敵だ!と思うポイントは多く、ファン的にも京本さん+トマト、さらに走りまで見れて申し分ないといったところ(京本さんはトマト好きで運動が苦手)。ヒロイン・藤原さくらさんのメイクが可愛くてテンションが上がりまくり。シーンそれぞれをとってもみずみずしさがあり、かといって「透明感」というよりは「あたたかみ」を感じさせるシーンの数々に惹かれていた。

 そして迎えた第2話。萬木昭史(京本大我)の不在から始まる。なにも聞かされていない千田原一花(藤原さくら)は、突然の別れに動揺して、なんとか会えないか行動を起こす、といった流れ。

 オレンジと青、そして赤。

 何より惹かれたのは、その色使いだ。2話では、青とオレンジが対比して描かれる。最初に引用した「雨」「晴れ」に通じる色である。

 一花のオレンジメイク(見間違えてたらごめん)をはじめ、2話で着ている一花の服もオレンジ色だ。薬のケースのオレンジ、雪だるまをお世話するシーンの夕焼け。一花を取り巻く色はオレンジがかった色が多く見られる。余命宣告を受けながらも明るく前向きに生きる彼女らしい色だ。

 かといって、一花が底抜けに明るいかと言われればそうではない。「成人式まで生きていられるかなぁ」「お薬脱走しちゃったんです」……そんなセリフからは、一花の些細な不安が垣間見える。弟が何気なくカップ麺を食べるために電子ケトルをセットするシーンや、成人式の着物を調べるシーンには、「これからも当たり前に自分は生きていく」イメージがあり、それが当たり前ではない一花。それでも弟や友人はそういうことを気にせずに関わっている。

 オレンジと対比させられる青は、萬木がいなくても当たり前に流れていく生活を象徴するような色として配置されている。一花が受ける講義の教壇や、萬木に渡すはずだったプレゼントである手袋を入れた青い紙袋。

 オレンジ色っぽい服を着る一花が乗る電車も、またオレンジのラインが入っている。先生の講義の録音を聞いていたら降りる駅を通りすぎてしまったらしい。反対ホームに向かい電車を待つ一花。何気なく向かい側のホームを見ると、そこには萬木の姿が。

 そして晴れに対する雨、オレンジに対する青が何より強調されるのは、一花が萬木を見つけた駅にいる人々の洋服だ。青いズボン、青いカバン、青いスーツ。彼らの行く方向とは反対に改札へ向かう一花。当たり前に流れる生活を象徴する青色が向かう反対方向で、二人は再び出会う。二人が入ったお店の中もまたオレンジ色の照明だ(そしてそのオレンジの店内で決まり悪そうな萬木)。

 萬木と一花の雪だるまエピソードの回想でも、その色の対比はささやかながらも健在。萬木が着ているコートはネイビーで、身に付けているバックもネイビー、マフラーは青色と、萬木自身が青色の服を見にまとっている。先ほどの考えと照らすなら、自分がいなくても回る世界を受け入れているような印象を受けてしまう。一方の一花は白やベージュを基調とした服だが、コートに少しあしらわれている黄色がやっぱり印象的に写る。

 そしてオレンジと青で対比して描かれてきた中で、特に目を惹く第三のカラー、赤。一花が萬木に渡そうとした手袋と、友人に勧められた一花の成人式の着物はどちらも鮮やかな赤色だった。

 そんな"くたばり損ない"としての二人の共通点とも言える赤色が、ラストの踏切と繋がり、躍動する。二人を象徴するような赤色が点滅する踏切の音を合図として、一花は自分の思いを萬木に打ち明ける。踏切の点滅は二人の命の終わりを連想させ、その音が鳴る中で、一花が思いを伝える決心をするのは、まさに今しかない時間で、"しないほうがいい"恋愛をすることの美しさを増長させる。

好きなシーン

 SixTONESが好きな人としては、京本大我さんの演技にも注目してしまう。「いつまで繋がるかわかんないけど」→「死ぬんだってさ、俺」の目線の使い方をはじめ、細やかな演技が素敵だ。

 拾った交通系ICの持ち主が一花だとわかったときの、あの演技。左手に注目してほしい。普通なら、あの何回も繰り返され、スローにもなるシーンで、渡す方と反対の手は動かさなくてもいいはず。じっとしていた方が見ている側としてお芝居らしくて安心する。なのにあの絶妙に動かされた左手で、萬木が本当に何気なく拾って、その後はそのまま生活に戻っていくんだろうという想像が容易に出来るのだ。あの微かな左手の動きが本当によい。

 そして2話の中で個人的に一番好きなシーンは、ラストの京本大我さんの画だ。告白を受けた萬木の演技もさることながら、SixTONESの「ふたり」、クレジットの「京本大我(SixTONES)」のタイミングも素敵! 流れている「ふたり」は京本大我さんのパートであり、あの画の中に、「京本大我」「京本大我が演じる萬木昭史」「京本大我の歌声」全てが存在していて、京本さんらしい美しさが詰め込まれている。ベストモーメントと言いたい。

おわりに

 2話でもうお腹いっぱいだけれど、まだまだ楽しませてくれそうな「束の間の一花」。来週も楽しみ!!

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