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感じたこと、考えたことなど。
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#自分

諦めきれないことがある人は愛おしい

 祖母と父と話したとき「伝統を継ぐお仕事っていいよね」という話をした。美術品の保管であったり、伝統工芸品を作ることであったり。その人だけができるわけじゃないかもしれない。けれど、ずっとその技術はなくならないし、一生ものだ。  最近新しい仕事を始めて、やっぱり人と関わる仕事が好きだと思った。その一方で、人と関わらないところで貢献する人ーー洋服を作ったり、景観を維持したり、機材のメンテナンスをしたりするーー見えないところで働く人にも、すごく憧れがある。でも、それをしないのはなぜ

「君の名は。」と、かつての友人。

 「すずめの戸締まり」公開記念で再上映された、新海誠監督作品の「君の名は。」を見に行った。休日の映画館は混雑していて、IMAXの大きなスクリーンでもほぼ満席。友だちが取ってくれた席に座り、上映を待った。  「君の名は。」が公開されたのは2016年で、私が中学3年生の時だ。当然話題になっていて、普段遊ばないけど学校ではよく喋る友だちと見に行った。    ・ ・ ・    と、そのときの記憶を書きそうな雰囲気を出したけど、正直言うとなんにも覚えていない。誰といったのかもあや

結婚式の思い出

 小学生のころ、親戚の結婚式に出席したことがある。華やかな衣装、豪華な食事、式は予定通り進められ、この世界には幸せしかないんじゃないかと思えるような式だった。  椅子にじっと座っていられなかった私は、式場の中を探索した。いつもとは違う、白を基調とした建物とところどころに設置された花々。その中の一つに、厨房があった。他の場所とは違う銀色の部屋で、何人かが提供する料理を作っていた。そこで私は調理している方と何か話したような気もするし、ただちょっと見ていただけかもしれない。  

運動嫌いだけど、歩くのと泳ぐのは好きだ

 久しぶりにプールで3時間くらい泳いでいた。本格的に泳ぐのは小学生以来。ターンし続けて泳ぐような体力はないけど、25mごとに立って泳ぐならいくらでも泳げる気がした。  最近気づいたこととして、少ない体力でずっと継続する運動は得意、がある。水泳で泳ぎ続けるのも、ずっと歩き続けるのも、好きだし得意だと思う。友だちとゆるくバレーをするのも好きだった。 ただ、1500m走とか、シャトルランとか、走り続ける高負荷な運動は苦手だ。大っ嫌いだ。バスケとかサッカーとか、球技全般も苦手。

物語を書く

 小学生のころの文集に、「物語はずっと書き続けたい」と書いたことがある。    確か、物語を書き始めたのは小学校4年生のころだ。たくさん書きたいならパソコンでも使えばと親に言われて、同年代の子に比べると恐ろしく速いタイピング速度になった。  そのころ書いた物語は、もう、今では見るのに勇気がいるほどだ。支離滅裂で、とっちらかっていて、あぁでも、私っぽいな、と笑ってしまう。    ・ ・ ・  中学生に上がってから、私は小説を書きたいと思いながら、書けなくなった。出だしだけ

だから私は写真を撮る

幸せってね 規準がないにもかかわらず 考えれば考えるほど思い描いちゃって 具体的に表してしまうと遠のいていく物だと思うの  この動画を見たとき、私ははっとした。概念とは、基準がないものだ。具体的に表せば遠くなってしまう、確かにその通りだと思ったのだ。  基準がないのに、私はいつだって迷っている。どうすればいいのか、どうやって動けば正解なのか、その答えはないことをどこかでわかっていながら、動けない理由を探し出すようにして、具体的に表しては投げ出してしまう。こうはなれない、と

イユ、バージョンアップします。

 7月が近づき、気温が高くなってきた今日この頃。みなさんいかがお過ごしでしょうか。これから一週間の天気予報を見ると晴れ!晴れ!晴れ!みたいな感じで、洗濯物がよく乾きそうですね(暑いけど)。  今回はいつもとは少し違い、お知らせです。これからのイユがバージョンアップするよ、ということについてお話しさせていただきます。    ・ ・ ・ このコンテンツを始めたのは、去年の8月下旬でした。  そんな言葉を掲げて、文章や写真で毎週金曜日に更新していくことを決めたとき、まさかこ

おひとりさまのお出かけが好きだ

 最近、一人でどこかの街をおさんぽするのが好きだ。いいカメラを持っていくこともあれば、お買い物とかの目的で立ち寄ることもある。  その土地の空気や、人の流れ、どこにどういう植物があるのか。全体の風景として見た印象と路地裏に落ちている缶といった詳細の印象――そういう、普段暮らしていたら見逃してしまうようなところを見るのが、たまらなく好きなのだ。  でも前はこうじゃなかった。あてもなくおさんぽするのとか、正直苦手だった。きっとそれは、いわゆる〈おひとりさま〉が苦手だったのだ。