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3時間目 隠者の森

※このお話は100%フィクションです。
(1時間目から読んでみたい方はこちら



ここに国から認められていない、謎の集落があった。

小さな島に築かれた村の名前は「うさん村


この村にタツオ学院という寺子屋を作った者がいた。

ここでは嘘つき学という学問を教えている。
この世の中が嘘で回っている事実を認め、正しく嘘と向き合うことにより、悪意のある嘘に騙し騙される事がないようにという教えである。


いつもタツオ:「やぁ皆の衆、フィールドワークご苦労じゃった。では、3時間目を始めるよ!準備はいいかい?」

皆の衆:「は〜い」

いつもタツオ:「今日もフィールドワークになるのだが、自然に触れたいと思うのだ」



シメノ・ダイフク:「自然に触れることが何で嘘つき養成講座と関係があるのですか?」

いつもタツオ:「うむ。良い質問じゃ、ポッチャリ王子。良い嘘を付くためには、自分に備わっている感覚を磨く必要があるのじゃ。この辺は難しくなるので、現地で話そう。さあ隠者の森に向かうぞ」



イチモツ・コタロー:「おい、隠者の森は未成年は立ち入り禁止だ!村の人だって滅多に寄り付かない危険な場所だぞ!なに考えてんだよ」

ウマミ・スー:「お父さんから聞いたけど、あの森は危険な思想家たちが住み着いているんだって。それも皆んな違った思想を持っていてバラバラに動いているらしいわ。何処で洗脳されるか分からないわよ」

いつもタツオ:「バカもん。学びに危険は付きものなのじゃ!尊敬する吉田松陰先生が言っていたぞ、狂いたまえって!ささっ皆の衆、今日は盛大に狂おうぞ!!出発進行ー!」



いつもタツオ:「では隠者の森を目指すぞ。途中、怪しい者が近づいて来たら直ぐに吾輩に知らせるんじゃ」

皆の衆:「は〜い」



ザッザッザッザ



いつもタツオ:(出発したのは良いのだが…。う〜ウンチしたーい!どうしよっ。ここは野糞しかないか)

「皆の衆。吾輩は重要な書物を寺子屋に忘れてしまった。すまぬが先に進んでいなさい」

イチモツ・コタロー:「チッあのクズ。俺たち残してマジで居なくなりやがった」

ユカノ・モプコ:「うぅ。村を出てから草むらが続いて、虫に喰われて仕方ねぇべ。あちこちカイィーくて、やんなっちめぇなあ」



ガサッガサッ

ナメック・ジロー:「静かに。何やら物音がするぞ」



ガサッガサッ


男:「!!」

シメノ・ダイフク:「わぁ!変質者が出たぞー!」

ウマミ・スー:「あなた此処で一体なにをしているの?普通の村人はこんな所に近づかない筈よ」

男:「いきなり人を変質者 呼ばわりとは心外だな。それと君、いま普通って言った?普通って何?何を基準に言ってる?誰かの教えがあっての言葉なのか?答えてみよ」

ナメック・ジロー:「流石に隠者の森だけあって、確固たる自分の価値観を持っていないと狂ってしまうぞ」

男②:「おいアカシ。どうしたんじゃ?」

イチモツ・コタロー:「次から次に変なのが出てくんなー。うさんくせぇ」

男:「スワル法師さま。何やら村から若者達が迷い込んで来たようです。諭しますか?返しますか?」

男②:「この子らはまだ若い。この若者達に、この世の心理を教えて進ぜようではないか」



いつもタツオ:「いやぁ〜快調快調。皆の衆、待たせたな!」



男②:「ん?タツオ…か」

イチモツ・コタロー:「なんだ?知り合いか」

いつもタツオ:「スワルか、久しぶりじゃの…。吾輩の生徒に何か用か?」

男:「タツオ先生…。お久しぶりです」

いつもタツオ:「メザメノ・アカシか。やはりスワルの元におったか。村の皆が探しておるぞ」

-つづく-

〜人物紹介〜

「すぐにスワル」 (いつもタツオの幼なじみ)

琵琶の名手と謳われ、遠くからその音色を聴きにくる人もいるほどだ。とにかく太々しい、だたの老荘思想かぶれ。自然に回帰せよが口癖。
彼の奏でる「コイケ物語」は、ラーメンに心を奪われたコイケ一族の栄華と破滅を描いた不朽の名作。「コイケに非ずんば人に非ず」という名言を残した。最後、日清殿がスープに身投げするシーンは多くの人の心を掴んで離さない。



「メザメノ・アカシ」

科学者で天才。人工知能(でーぶランニング)の開発を進めながら、なぜか新種の人体細胞(スカッペ細胞)を発見するなど、うさん村で初の「ノッペル賞」受賞者になるのでは、と期待されていたがスワルに感化され隠者に。 商業地域が急速に発展したのも天才アカシの功績である。
隠者になる前に残した手記、ハッカーノートは「天才を通り越し宇宙人」とまでいわれた彼の方程式がギッシリ詰まっていた。


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