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6時間目 ヒノキダ治療院にて

※このお話は100%フィクションです。
(1時間目から読んでみたい方はこちら。前回の5時間目はこちら

ここに、国から認められていない集落があった。

小さな島に築かれた、その村の名前は「うさん村


この村にタツオ学院という寺子屋を作った者がいた。

ここでは嘘つき学という学問を教えている。
この世の中が嘘で回っている事実を認め、正しく嘘と向き合うことにより、悪意のある嘘に騙し騙される事がないようにという教えである。


前回、嘘つき養成講座の一環で「うさんビーチ」に向かったタツオとタツオ学院生徒たちは、ビーチでヒノキダ治療院の院長ヒノキダ・ゲンコクと中国からやって来たセラピストのホウ・マンと出会った。(前回のあらすじはこちら



では本編をどうぞ


ヒノキダ・ゲンコク:「まあ皆さん、ここで立ち話もなんですから我がヒノキダ治療院に一緒に来てみませんか?何か勉強になると良いのですが...」

いつもタツオ:「よろしいのですか?では、お邪魔しましょう。皆の衆、学習の場をヒノキダ先生の治療院に移すぞい」

イチモツ・コタロー:「学習?ここで俺たち何かを学んだか?アイツのナンパ撃沈の一部始終を目の当たりにしただけだぞ」

シメノ・ダイフク:「シッ!タツオ先生は小心者だから、さっきの失敗劇は結構キズついたと思うんだ。また変なこと言い出し兼ねないから触れないようにしよう」


ウマミ・スー:「プッでもさあ、さっき掛けてたサングラスってイカしてるとでも思っていたのかしら?おまけにホウさん見て固まっちゃったし、典型的なモテない男ね」



ザッザッザッザ




いつもタツオ:「さあ!ホウさん、ヒノキダ先生の医院はもう直ぐですぞ。長旅で疲れておりませんか?」

ホウ・マン:「フフッ大丈夫ですよ。あらっ、タツオ先生はステキなメガネを掛けていますね♡」

いつもタツオ:「ハゥッ♡」

ナメック・ジロー:「また固まってしまったか…。色々と残念な大人だ、しかしサングラスを目玉で飛ばすほど興奮するとは理解できないな」

ナメック・ジロー:「そして、色々と残念な建物だ…」


ヒノキダ・ゲンコク:「ささっどうぞ上がって上がって。狭いところですが、ゆっくりしていって下さい」

ユカノ・モプコ:「ヒャア〜、中はタツオ先生の寺子屋なんかよりキレイで広いやあ。ありゃ、なんだか見たことねぇ機械がいっぱい置いてあらぁ」

ヒノキダ・ゲンコク:「私の気功法治療の為にメザメノ・アカシ(※3、4時間目に登場)が開発してくれた装置なんだ」


コンコンッ


ヒノキダ・ゲンコク「ああ、いかんいかん。一人患者の予約が入っておった。どうぞ、お入りください!」


患者:「失礼します。どうも体の調子がすぐれなくて…」

ヒノキダ・ゲンコク:「では、当院自慢の波動砲七変幻(はどうほう しちへんげ)を行います。力を抜いて横になって」


患者:「はい。お願いします」



ヒノキダ・ゲンコク:「息を吸って!」

患者:「ま、待って何でサングラス!?」

ヒノキダ・ゲンコク:「そりゃ!!」


ピカッ

バキバキバキッ!ボキッ!!


患者:「ぎゃああああー!」




患者:「あれっ?身体が軽いぞ!今にも宙に浮いてしまいそうだ!先生有難うございました」


イチモツ・コタロー:「おい、どう考えても施術失敗だろ!」



ヒノキダ・ゲンコク:「さて、せっかくだから皆さんに骨盤矯正装置の力をお見せしよう。ホウ君、動かしてみないか?そこのレバーを力一杯、押してみなさい」



ホウ・マン:「はい!」


「えいっ!」

プルンッ♡


ヒノキダ・ゲンコク:「ムヒョ!」


ホウ・マン:「えいっ!」

プルンッ♡プルンッ♡

ヒノキダ・ゲンコク:「ムヒョ!ムヒョ!」


イチモツ・コタロー:「いや待て待て!明らかに このエロ坊主の画像いらねーだろ!!」

いつもタツオ:「ハゥッ♡」

イチモツ・コタロー:「チッ。ダメだ、コイツらマジもんのクズだ」



コンコンッ
コンコンッ

ウマミ・スー:「ヒノキダ先生、また患者さんが来たみたいですよって聞いてないか…。ドア開けちゃいますからね!」



ガチャッ



謎の初老:「にゃ〜♡」

ウマミ・スー:「キャー!」

シメノ・ダイフク:「まずいよ。これ以上うさん臭いの出したら収拾つかなくなっちゃうよ」

ヒノキダ・ゲンコク:「しまった!ポクサイのジジイ。どこでホウ君のことを聞きつけたか!!」


カモシカ・ポクサイ:「ゴクッ!」

いつもタツオ:「ふむふむ通訳しよう。興奮し過ぎて唾を飲むのがやっとだと言っている。何々?なるほど、是非ともホウさんの裸婦画を描きたいとな。ポクサイ先生、全ては芸術の為!人類の未来の為!吾輩が頼んでみましょう」

ナメック・ジロー:「この村は色々と残念な大人しかいないのか…」




バタンッ!



ペイン・ポスギ:「ポクサイおじさーん!早くオレ様のウットリする肉体美を写生してよ!ダビデも泡吹くぜっ!ハハッ」



ササッ



ユカノ・モプコ:「あのぅ」



ペイン・ポスギ:「ん?なんだモップヘアー。邪魔だぞ、早く筋肉が隆起したベストな状態で描いてもらわねば!先ほどの大胸筋トレーニングが水の泡だ」

ユカノ・モプコ:「もぅ誰もいねぇっすよ。皆んな早えぇ」

ペイン・ポスギ:「!! デアリャー!!」


-つづく-

〜新 登場人物〜

「カモシカ・ポクサイ」(ペイン・ポスギの叔父)

画家で「うさん美術館」の名誉館長。物心ついた頃より女性の裸体を描き続けて60年、作品は6万点に上る。圧倒的な変人でカモシカの被り物は本物の剥製。オシャレで被っている内に、体と一体化してしまったビックリ人間。
ホウ・マンの裸体を想像し続け、描いた超大作の名は「麻呂の棒ナス♡」100年後に3億の値がつくことになるが、残念ながら彼が行きている間はゴミ同然である。


・最後まで読んでくれてありがとう!このつづき7時間目はこちら

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