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ボブマーリーのレゲエを聴いて考えるジャマイカの背景

聴くだけで明るくって南国の風が私の周りを纏いその風に気持ちよく乗り踊ったしまいには、薄いビールを喉をならしてごくごく飲みたい。
これは映画を見る前の私が思うレゲエの印象。

ボブマーリーのジャマイカで行われたラストライブを収録した映像が映画館で観れると知りもちろんの勢いで見に行くことにした。

ロンドン公演のライブ音源LP

レゲエはいつ聴いても唯一無二のグルーブ感と陶酔感、浮遊感があって聴いた人を一瞬で虜にするし後にも先にもレゲエミュージックを超える独特で確立的なジャンルに出会ったことがない。

こういう街で生まれた音楽なんだ。こんなに楽しそうに楽器を弾くんだ。ただ音楽を奏でているだけではなくて、音楽を通して大衆と共感したり心を込めて思いを伝えようとしているんだ。音楽を聴くだけじゃ気づかないことが沢山あって映画を観る前と観た後ではレゲエの印象がとても変わった。

カリブ海の小さな島ジャマイカで生まれたレゲエ・ミュージック。70年代その“ヤバいリズム”はロック界に大きな衝撃を与え、クラプトンやストーンズ等様々なミュージシャンに多大な影響を与えた。そして英国のパンク・ムーブメントともrebel music(反逆の音楽)レゲエは激しく共鳴し合い、鬱屈した当時の若者達をたちまち虜にした。戦争、自然災害、貧困、孤独、未曽有の危機が日常になってしまった現代社会でこそ、“ヤバいリズム”と“刺さるメッセージ”が“永遠の真理”へと導くrebel musicそれがレゲエ。

映画公式サイトから引用

豊かなジャマイカと貧しいジャマイカという「二つのジャマイカ」があると言われるほどジャマイカは奴隷制の過去を持つその歴史のために、貧富の差が著しい国。

貧困層が住むと言われゲットー地域では若者の失業率が30%で働きたくても仕事がなく昼間から道端で空な目をして座り込んでいる人々の姿が印象的だった。ラスタファリという思想は飲酒を禁じ、ガンジャ(大麻)を聖なる植物として扱う。イギリスからの植民地が終わってもなお、白人からの奴隷制度を背景とした貧困が続く黒人達の抵抗であり幸せを願う思想だと思う。

そんなゲットー地域に住む、社会の最下層の大衆の総意や願いを込めたのが土着的なサウンドであるレゲエだし、その象徴的な存在がボブマーリーだった。

愛があれば世界が平和になる。戦いを望まず贅沢を望まずただ穏やかに生活ができれば良いじゃないか。何故人は人を殺し合うのか。みんなで手を繋ぎ幸せになろうよ。そんな思いを歌に乗せて大衆と心を一つにする。

ボブマーリーの死後から40年経つ今。世界では未だに資本主義的考えで貧富のが縮まらず貧困地域があり、戦争が起こり罪のない人たちが命を落としている。世界の利己的思想から生まれた皺寄せを最下層の人たちが全て背負っている気がする。

映画をみてジャマイカという国の背景を知ることで、今まで音楽として聴いていたレゲエの印象が変わる。レゲエミュージックはみんなの幸せを願う祈りだし怒りだし訴えの音楽だ。それを知り感じた私たちが何を想い生活をするのか考えるきっかけになる映画だった。

金の値段はどんどん上がる
金持ちも貧乏人もみんな泣く
今弱い物はつよくならなきゃいけない
みんな叫ぶ:何てひどい仕打ちだ!
ヤツら 満腹 オレ 腹ペコ
飢えた群衆は恐る群衆
雨が降ってもホコリだらけ
ナベはあってもメシがない
オレたち浮かれる ジャー・ミュージック
オレたち浮かれる ジャー・ミュージック
ヤツら手前の姿に気づいていない

THEM BELLY FULL レコード和訳歌詞

牧師さんよデタラメいうのはやめてくれ
天国はこの大地の下にあるなんて
おまえさん人生の本当の意味を
ちっとも分かっていないんだな
”輝くもの必ずしも黄金にあらず”さ
ものごとには全部両面ってのがあるんだぜ
この貴い光が見えたんだから
さあ立ちあがろう権利のために

GET UP,STAND UP レコード和訳歌詞
当時のレコードの歌詞カードに書かれていた一文。気が狂ったので質問しようかな。

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