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小説/【タイムレコード0:07】黄昏時の金平糖。

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タイムレコード0:07というアカペラグループの、宵宮氷、黄昏わらべ、師走わさび、涼路わた、暁愛華葉、木暮葉凰。少年少女らが出会ったとある夏の物語。
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#思い出

小説/黄昏時の金平糖。【タイムレコード0:07】#28 いいことって、続かない

宵宮氷 6月4日 土曜日 午後12時25分 
        静岡県 紅無町 じいちゃんの家

「─ねぇ、じいちゃん!外暗いよ!」
 さっきまであんなに青かったのに。
「あぁ、もう梅雨だからなぁ。いつ雨が降るかなんて、俺も分からん」

 梅雨。
 そうか、もう6月か。
 梅雨が来るなんて天気予報やってたかあまり観ていないが、とにかくもうすぐ雨が降る。
「洗濯物、しまった方が良いんじゃない?」
「そ

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小説/黄昏時の金平糖。【タイムレコード0:07】#31 あの日の物語

暁愛華葉 6月5日 日曜日 午前6時02分 
            静岡県 紅無町 宵宮家
 
「んー、、、よく寝た」
 辺りを見回す。
 氷と葉凰がいなかった。
「どこ行ったんだろ?」
 立ち上がって、髪の毛を軽くゴムで結んだ。
 と、「あ、愛華葉!おはよ!」という明るい声が聞こえた。
「飯食おうよ」
「おはよ。お腹空いたね」
 私は一階へ向かった。

「─ごちそうさま!」
「朝食、ありがとう

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