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否定は時に自らの描こうとした夢を壊したがるんだ②(小説もどき)

ただ、今回のボヤキに関しては大きく心を揺さぶられる。

自分には得意なネットを生かして起業したいという元々の夢があったが、親や周りの人から大きな反対にあって断念した過去を持っていた。

親友だったさつきには、少し前に詳細を話していた。

『ねぇ、あなたはもう夢を追わないの?』

さつきのそんな問いに過去のトラウマを思いだす。

『もういいんだよ、あの夢は』

そういいながら、ビールを呑んだ。

その瞬間、さつきが呑み干したビールのジョッキーをいきなりたたつきつけてこう言った。

『あんたって周りの人からの言葉でしか判断できないわけ!?なさけなさぎ』

いきなりのさつきの言葉にはさすがに腹が立ったがいったん心を落ち着かせてこう言った。

『なんで、お前にそこまで言われなきゃならないんだよ。というか、お店の物をテーブルに叩きつけるなよな』

『そこまで言うなら、お前なりの言葉で意見を聞かせろよ』

さつきも、口喧嘩を覚悟して言ったつもりだったのか、相手側のあまりの落ち着きっぷりに少しきょとんとしていた。

というのも、普段、冷静で落ち着きはらった性格のさつきがここまで大きな声で何かを訴えかける姿は見たことなかった。

だからこそ、そんなさつきの今の俺に対する意見には多少なりとも興味が持てた。

だから、この流れでも落ち着けたのだと思う。

少し気持ちが落ち着いたのか、さつきはこう言った。

『ただ、私は一度決めたことを中途半端に周りの反対だけでやめたあんたが見ててムカついただけ』

『あんなに頑張って作ったチャンスを自分から否定して夢を壊したようなものじゃない』

ため息をひとつついて俺は近くにいた店員に一言。

『すみません、お勘定をお願いします』

その一声で近くにいた店員がずっこけた。

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