2015年10月6日の日記

 昨夜は伊賀忍法帖をずっと読んでいた。大仏の中で姫と生活をするシーンは実にいい。室町御伽草子だかなんだかもそうであったが、あんな風にちょっと年上の女性と閉ざされた場所で時間を共有するというシーンを書くのが、山田風太郎は実に上手い。姫は結局死んでしまう。最後の幻術使いと剣聖との戦いはよくわからない。最後の方では柳生の方が主人公のようであった。おおむね面白かったが、やはり甲賀忍法帖の方がより面白いように感じた。
 

 7時半より前に目を覚ます。昨夜はパソコンをしなかったからかもしれない。かなり快適な気分で朝飯を食べる。新聞にはでかでかと「TPP合意」との見出しが書かれていた。そしてその隣には日本人がノーベル生理医学賞を受賞したという見出しも書かれていた。ひしめきあうビッグニュースを横目に私はコーヒーを飲みながらパンを食べた。


 少し未成年も読む。ワーシン逮捕。公爵との面会。ワーシンを密告したという公爵の告白。それからマカールが話す例の自殺した子どもの話。印象的なシーンの数々。何度読んでも印象深い。


 ランニングへ行く。橋のところの浅瀬につかりながら釣竿をたらす男、水辺で寝そべるホームレス。その全てに正午前の陽の光が降り注いでいた。あちこちで鳥がさえずっていた。ランニングロードの上にはイネ科の植物からふりおとされた穂がたくさん落ちていた。桜の木の影にビニールシートがしかれ、その上に弁当箱が置かれていた。ランニングシャツ姿の初老の男性が走っていった。どこかからラジオの音がした。向かいから歩いていくる女性の白いスカートが透けて、太ももや股間の形が丸見えになっていた。そのすぐ後にすれ違った女性の黄色いスカートもやはり透けていて、同じように足だのふくらはぎだのを見ることができた。

 たまに神社の境内を通っていく。例のオブジェを眺める。上部分の、彎曲している部分に瘤が2つついているみたいになっていることに初めて気づく。それはまるでキンタマのようであった。


 図書館で荻生徂徠集、本居宣長集、今昔物語集27~31巻を借りる。そして帰宅。ごはんと赤いきつねうどんの昼食を食べる。その後ちょっと弁道を読んでからパソコンをする。色々な物を眺めているうちにいつのまにか18時半という時間になってしまった。

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