2015年4月23日の日記


 21日木曜日は夕方散歩がてらに本屋に行き、図書カードで未成年を買った。その帰りに図書館に寄り、志賀直哉と安部公房の小説を読んだ。どちらもあまりピンとこなかった。夜、未成年をちょっと読んだ。


 22日はずっと家にいてパソコンをしていた。パソコンで何をしていたのかということは最早何も思い出せない。


 23日、つまり昨日は午前中にランニングをした。河原はバーベキューをしている人々でいっぱいだった。肉や魚介類などがこれでもかというぐらいに焼かれ、匂いをたてていた。中には鉄板のそばでラグビーボールを投げ合っている集団もいた。もう何でもありという感じであった。

 夜、都会と犬どもを読み終える。奴隷が死んだあたりから俄然面白くなってきた。こういう小説はエンタメ的な楽しみ方は最初の1回しかすることができない。2回目以降は細部をじっくりと文学的に楽しむのである。大抵のエンタメ小説は人々をひきつける飴の部分がほぼ全てで、再読にたえるものではない。しかしリョサの小説はその細部こそが肝なので、何度でも楽しむことができるのだ。しかしリョサはそれだけでなく、美しい細部を徹底的に並びかえ、編集して、エンタメ的な楽しみをそこに憑依させることに成功している。そこが彼の小説の素晴らしいところである。


 奴隷は演習で死ぬ。アルベルトはジャガーが殺したと告発する。ジャガーは独房に連れていかれる。ジャガーがいなくなった宿舎では、ジャガーをとっちめてやろうという相談がなされる。アルベルトは大佐と会い、告発をするが結局前言を撤回させられる。ジャガーとアルベルトは独房の中で鉢合わせる。決闘が行われる。宿舎に戻った後、結局ジャガーは迫害される。しかしジャガーはアルベルトが密告野郎だとは決して言わない。


 エピローグで、ジャガーが奴隷を殺したということを告白するシーンは少し陳腐だったかもしれない。あそこの結論はぼかしてしまった方がより締まった小説になったように思う。


次は何を読もうか。

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