2015年5月10日の日記


 昨日は久々にランニングをした。かれこれ4ヶ月ぐらいランニングはしてなかったのであるが、走ってみて違和感を抱くことはなかった。まるで昨日までランニングをずっと続けてきていたかのように体はよく言うことを聞いた。しかししばらく走っているとさすがに筋肉は疲れてきた。

 走った後は心地いい疲労感に包まれた。久々に食事も美味しく食べることができて、良いことづくめであった。23時15分ごろに床についた。すぐに寝入るというわけにはいかなかったが、それでもいつのまにか夢を見ていた。しかし十分な睡眠がとれたとは言えない。


 4時半ごろに目を覚ます。しばらくベッドの上でごろごろした後で起き出して本を読み出す。デルス・ウザーラである。最近はこれを読んでいるのである。久々に出会った良書である。


 6時ごろに朝食。普通のご飯を、とろろ、卵焼き、たらこなどといったおかずで食べる。丁度よくおなかがすいていたので、美味しく食べることができた。朝食をおいしいと思えたのは数ヶ月ぶりのことであった。


 食後さすがに眠くなってきたので仮眠をとる。その後9時ごろ外出。Y図書館へ。天気は快晴だったが、日陰に行くと空気の冷たさを感じることができた。まだ朝もはやかったからか、人気は少ないように思えた。今日は日曜だったのである。


 図書館には10時ちょっと前についた。ここは9時開館なのであるが、良い席はほとんど埋まってしまっていた。しかしなんとか座れる場所を見つけて確保する。フローベール書簡と、ドストエフスキーの作家の日記を読む。しかしやたら寒いのと眠いのとで内容はすんなりとは頭に入ってこなかった。


 12時ちょっと前ごろに昼食を食べに行く。駅のそばにある例の回転寿司屋である。久しぶりの寿司をもりもりと食べる。食後腹が痛くなるということもなかった。


 その後イブン・ファドラーンの旅行記も取り出し、読書を続ける。15時ごろ図書館を後にする。その時点ですでに目覚めてから11時間近く経っていたから1日も終わりだという気分だったのだが、実際にはまだまだ今日はたっぷりと残っていたのである。今ようやく18時であるが、まだまだ今日は残っている。今日は実にすばらしい日である。見る物全てが輝いて見えた。聞く音は全て極上の美女の歌のように聞こえた。風はありとあらゆる不必要な熱を冷やし、太陽の光は心と体のあちこちに巣食っていた倦怠の氷を解かした。自分と世界との両方の歯車がしっかりとかみ合って回転し、人生の意味を確かに形作っていた。これほどまでに良い気分になれたのは今年に入って初かもしれない。私は今までまったく冬の中にいた。実際の時の流れから少し遅れて、私の世界にも春が訪れたような気がした。初鰹の競りが行われ、ほととぎすが高らかにさえずっている。人生はすばらしいハラショー。スパシーバ。

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