読書感想文。「再生」「うか」【ゆめのちから】
見出し画像は画題「永遠の夏」:忘れることはない、この夏の出来事はりえさんとしぃたんとまつおさんとゆめのさんが愛でていけばいい。
愛と死、そして、「再生」。byまつお
まつおさんのKindle本2冊目です。1冊目はりえさんとしぃたんを亡くされて絶望の淵にいらっしゃり、なんとか立ち上がろうと最後の40日間を振り返った画詩のnote記事(マガジン)をKindle版にしたものでした。
春先に記事を拝見して創作墨字を書かせていただくという私の企画に参加くださったまつおさんにお贈りしたのは、生まれ変わる、羽化、再生という意味の「うか」という創作漢字でした。(まつおさんの記事のコメントにいいねを押すと出てきます。ありがたいです。)
今回、Kindle本2冊目の愛と死、そして、「再生」を拝見し、当時私が感じたものがそのまま綴られているなと、綴られているその理由に、そうか!と妙に合点がいきました。
それは、
まつおさんの最後の40日の詩は画家ゆめのさんの絵と組み合わせて詠われています。まつおさんが絶望の淵(りえさんの後を追うことも辞さないとまで思い詰められていた状態)から奇跡的に戻ってこられたのは、ゆめのさんの絵との出会いがあったからだと、まつおさん自身がnoteに書き記していました。
絵に魅了されたのだと単純に捉えていましたが、そんな単純なものではありませんでした。
「その先は君のもの」という画題のこちらの作品と出会ったまつおさんは
非常に抽象的であるように見えますが私には涙を流した後、それでも道を歩いていく足跡が描かれているよう
だと感じ、歩みを止めようとしていたけれど、もしや「進むべき道があるのだろうか」と気持ちが変わります。
歩みを止めようとしていた私に、この絵はもう一度よく考えてみるようにと訴えかけているかのよう
だと。
「その先は君のもの」、先の道は自分で見つけていって良いんだと言われた気持ちになったのです。
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我が家へゆめのさんの作品がやってきたころ、私は書道の昇段試験を控えて目も頭も三角になるほど前のめりに昇段のことを考えていました。寝ても覚めてもってほどに書き込まないと昇段できないぞ!と覚悟をしつつ、どこか心の底では???が灯り始めるちょうど手前の頃でした。
ゆめのさんの作品をそばに置きながら、黒と白の世界に軽めの色使いの絵で筆運びを良くして頑張りましょうという心持ちです。
が、実は気づいてしまうんです。
昇段と師範の免状だけが目的になってないかい?
ほんとうにやりたいことって、ほんとうはなんだっけ?
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身近で親しい人を亡くした経験は、私はまだありません。
なので想像でしかないのです。
でも、「千年先、千里先の風を感じる」生き方をしたい。
千年先までも、千里先までも空気はつながっているはずで、私がここに存在していることだって言ってみれば奇跡です。
人の体は、勝手に心臓も肺も動いていて、血液は流れ、臓器が働き脳味噌や心が考えたり感じたりしている。その動力はどこにあるのか。何がそれを動かしているのか。
そもそも私が生まれ出てきたことには何か意味があるのか。どうして私であったのか。
生まれたこと自体、生きていること自体が奇跡です。
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画家ゆめのさんは、最近大事な弟のような方を亡くされました。
絵を描くこともできないほどの衝撃だったそうです。さぞかし心を痛められたことと思います。たくさん、ああすれば良かったのではないか、こうしたら結果が違っていたのではないか。悔しい気持ちと自分を責める気持ちに打ちひしがれたのだろうと思います。
まつおさんに再生する力を与え、私は本当の気持ちを思い出し素に戻るきっかけをもらった。
それがゆめのさんです。ゆめのさんが描く絵です。
だから
きっと今回の悲しみにどっぷり浸かったあとには、ご自身で解を見つけられて羽化し、たくさんの方に、生まれ変わるほどのインスピレーションを与える絵を生み出されていくのだろうと感じます。
会いたいと思う人にはまた会えます。この絵はそれを物語っている。千年先の空で、ほら、ゆめのさんと親友さんと親友さんの弟さんが出会ってる。ゆめのさんご自身が未来の3人の様子を描かれた。そんな風に感じます。
親友の弟くんにはゆめのさんの気持ちは筒抜けで、「またね〜」って車で送ってくれたそのときのまま「またね〜」なんだなきっと。
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人と人は気持ちが通い合う。心配すれば心配する気持ちが伝わり、ありがとうという気持ちが返ってくる。
言葉にすればたったこれだけのことですが、本当にそうだった、そうだよな〜って改めて気付く。人ってこうだったよ。
絵や詩、その他あらゆる創作物。つくっているのは人間で、それに触れて感じるのも人間で。
そんなことに気づいて、気づけてよかった。
走り続けてきたけど、ちょっと立ち止ることができたおかげで自分を取り戻せた。
それが、まつおさんの愛と死、そして、「再生」
と
それ以前にある ゆめのさんとゆめのさんが描く絵 だったと。
ーーーあとがきーーー
まつおさんにとって、ゆめのさんの絵とゆめのさんと出会ったことが「再生」の始まりで、私はそれを受け取って「うか」と感じたということだと思います。
なので、始まりはゆめのさんの絵で、再生まで伴走したのがゆめのさん。
私はそれを画詩から受け取ったんだということが、Kindle本を拝見してわかった。
そして私も「再生」となるきっかけをゆめのさんの絵から受け取ったということだと思います。
(コメント欄でのまつおさんとのやりとりから)
今日も最後まで読んでくださりありがとうございます! これからもていねいに描きますのでまた遊びに来てくださいね。