ある日の昼下がり、いつも利用する近所のコンビニに行こうと歩いていると、歩道の数メートル先では小さなお子さんを連れた若いお母さんと思しき二組が立ち話をされていた。
傍らまできたぼくは邪魔にならないようにと、歩道から降りてその横を通りかかった刹那、お母さんの1人が大きな声で笑われた。
ぬはははは
ぬはははは・・・!?
一瞬、自分の耳を疑ったけれど間違いない。確かに「ぬ・は・は・は・は」で、「は」は4個だった。
い、いま、「ぬはははは」って笑われましたよね?などと、野暮なことはもちろん尋ねたりしない。立ち止まったり振り向きもせず、驚きを表情にも出さずにぼくは足早にその場を通り過ぎた。
どういった会話の脈略からその笑いになったのかはわからないけれど、それにしても随分と楽しそうだった。
しかしなんだろ、半世紀以上も生きてきて、こんな漫画の吹き出しのように「ぬはははは」って笑う人、初めて遭遇したよ。
コンビニに着くまでの間、ぼくは耳に残る「ぬはははは」という言葉を思わず反芻していた。
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