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何度でも何度でも、伝わる言葉を子どもたちに教え続ける

Say to him/her 'Never do it again.'
Say to him/her 'I'll accept your apology.'
Say to him/her 'I'm sorry. I didn't meant to hit you.'

「保育園の先生になってみたシリーズ その2」です。
3−5歳ぐらいの子どもたちとわちゃわちゃ過ごしています。

上の言葉は「子どもたちが喧嘩したときに先生がかける言葉」の一部です。
毎日どこかで誰かが引っ張り合いしていたり、誰かが泣いていたりします。
「せんせー!○○くんがたたいてきたー!」もあるあるですね。

毎回当事者を呼び出して、何が起こったのかお互いに説明させます。
主語が抜けたり(heってどの子?!)、要領を得ない説明も多いし、話が一方的だったりしますがお互いの話を聞きます。
例えばボールの取り合いをしていたらこんな感じで話しかけます。

あんたたち2人ともボールで遊びたいけどボールは一個しかない。
一緒に遊べる?ふむ、一緒には遊びたくないんだね。こら、ひっぱらない!
じゃあ交代することにしよう。最初にAくんがボールで遊ぶ、そのあとBくんね。Bくんも遊びたいんだからAくんは2分経ったら返すんだよ」


例えば走っているCちゃんの手がたまたまDくんの手に当たってDくんが怒り、二人で叩きあいをしているときは2人を引き離しながら伝えます。


「なにがあったの?Cちゃんが叩いてきた?
Cちゃん、Dくんを叩いたのは本当なの?
うん、わざと当たったわけじゃないのは先生も分かるよ。
でもDくんは痛がっているから謝らないといけないね。

Cちゃん、「ごめんね、叩くつもりじゃなかったんだ」って言いなさい。
Dくん、「もうこれからはしないでね」と言いなさい。
「いいよ、謝りを受け入れるよ」と言いなさい。
よし、遊びに戻ろう!


こんなやり取りを毎日続けています。
英語が第一言語じゃない子もいる中で、言葉で状況を説明するのは子どもたちにとって大変なことです。
子どもたちに言葉が染み込むように、何度も何度も同じことを言い続けます。

おそらくI accept your apology.なんて大人同士の会話では出てこないと思います、あまりにも直接的で一方的な感じがするので。
でも子どもたちには分かりやすく伝える言葉が必要なのです。
言葉で具体的に伝えて相手に自分の要求が満たされた体験をしてもらうことで、手が先に出たり人格否定(あんた意地悪ね!のような)の言い回しが出る回数を減らしていきます。


特に私がおもしろい、と思ったのは
Say to him/her 'Never do it again'.、という表現。
これからはやらないでね、という表現を子どもに教えるのです。
実際にオウム返しで子どもたちに「やらないでね」と言わせます。


日本の幼稚園で保護者をやっていたとき、相手がごめんね、と言ってきたら娘が納得していなくても「ごめん、って言っているんだから許してあげなさい」と言った記憶があります。
相手の親御さんなども恐縮して「すみませんすみません!」とおっしゃっているし、なおさら早く許してあげたくなっちゃったりして。

保護者の立場だったら意外と言えないことでも、先生という立場になって時間限定で仕事として「子どもたちに適切な言葉かけを身に着けてほしい」と思ったら、いくらでも何度でも同じことを言いますとも!と思います。
よく分からなかったり、鬱陶しがられることもあるだろうけれども。


声掛けについてはそんな感じです。
今勉強中なのは「どこまでが遊びのじゃれあいで、どこまでが暴力とみなされるのか」の線引きです。
他の先生たちの関わりを見ながらマネしています。




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