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病院の待合室で読みたい本とは

日本に帰ってきて、病院に行くことが増えました。
「しばらく受診できていないので念のため歯医者さんに検診に行こう」だったり、娘が「ひざが痛い」というので整形外科に「念のため」行ってみたり。
以前にも書きましたが、自分の母語で、しかも安価で、しかも丁寧に医療が受けられるのは素晴らしいことですね。


振り返って思うと、私が行ったアメリカの病院で「待合室の本」というものはありませんでした。
私の行ったところだけかもしれませんし、コロナ禍だったのも影響しているかもしれません。
何万円も払って受診しているし、予約時間はキッチリ決まっていて待たされることが少ないからかもしれません。
待合室に人が溢れていることがあまりないのです。


そんなわけで、久々の日本の病院で「待合室の本」を眺めて思いつきました。
「ヨシタケシンスケさんのエッセイ、待合室の本にぴったりかも」


いつ自分の名前が呼ばれるか分からないので、長編小説よりは1−2分で読めちゃう本がいいですよね。
診察が終わって会計を待つ間に「どこまで読んだんだっけ?」となっても適当なところから読んでも大丈夫な本。


とても心配性なヨシタケシンスケさんが、自分を励ますために書き溜めているイラストなので、病気で疲れた心を癒やしてくれそうです。



私のお気に入りは

「若いころ、無茶はしなかった。きっとこれからもしない。けれど結婚したら無茶はできないなーと思わず考えちゃった自分」

「自分がすること、遊ぶこと、見ること、聞くこと、自分の身に起こること、すべて宝くじを買っている、と思えばいいのではないだろうか。」

「ボクはあやつり人形。誰かボクを操ってくれないかな」
そうしたら与えられた条件で最高を叩き出すのにな。
選択肢がどんどん消えていって、こっちの方向でやろう!って思えたときが幸せだよね。


あたりです。後半になるにつれてどんどん深く(作者曰く「めんどくさく」)なっていきます。
でもこの本は文字じゃなくてイラストが添えられてはじめて威力を発揮するので、ぜひ本屋で見かけたら読んでみてください。



待合室の本って本当に誰が選んで置いているんでしょうね。
寄付されたり、病院の先生が選んだりするのでしょうか。



アメリカの病院では「私は2021年のベストドクターに選ばれました!」と賞状がバーンと貼ってあったり、「お医者さんありがとう!」と子どもたちからの感謝のイラストがスクリーンに映し出されていたり、落ち着く色味の絵が飾られていたりしました。


あとアメリカの照明で白色蛍光はほとんど見かけなかったので、病院でも黄色っぽい光が採用されていました。
特に飾りがなくてもなんとなく暖かそうな感じはありましたね。
実際は「どれくらい悪いのかなぁ」だったり「この治療どのくらいお金かかるんだろう…」と気を揉む場所だったりするのですが!

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