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彼女に、着るだけでワクワクするような、ワンピースを

人生には、たくさんの肩書きがつきもの。

時にどこかの社員であり、
誰かの子どもであり、
友であり、親であり、妻や夫やパートナーであり、
女性であり、男性であり、
そして、1人の人間であり、「自分自身」と認識する者である。

私自身、「子どもを持つ一児の母」という新しい肩書きを最近手に入れた。

増えていく肩書きは時に嬉しく、時に重い。

ガラッと変わった私生活に喜びと戸惑いながはの日々。

そして、最近定期的に過労で倒れている。

気持ちはこんなにまだまだ頑張りたいのに、なぜ体が動かんのだー!!!とサイヤ人になれそうなくらいの怒りを病院にぶつけるも、「過労です。頑張りすぎです」と一蹴。

要領が悪いくせに、妥協できず、頑張りすぎるためである。
そう、頭ではわかっちゃいるけれど、うまくいかないから倒れるのである。

反して、要領がよくて手際がよく、手抜きの天才である我が夫。
こんな私を見かねて、必殺「自分の実家」を繰り出し、子どもと共に出かけ、強制的に1人の時間をプレゼントしてくれた。

さて、時間があれば何をしようか。
ということで、ひたすら掃除魔を炸裂させて発散し、ラーメンズの動画を見て、コーヒーを飲んでもまだまだ時間がある。

そして、鏡を見るとびっくり。

全身蕁麻疹と乾燥で小岩さんのような顔
深く刻まれたクマと血走った瞳
毛玉だらけの服
自由に飛び交うアホ毛
おいおい恐ろしい見た目だな

とりあえず、髪を整えてみる。

そして、
「一枚で自分がワクワクするようなワンピースを着て、カフェに行きたい」と思い立つ。

基本ケチで、子供が産まれてからはさらに自分に時間やお金をかけることがなくなっていましたが、誰かのためでなく、格段高価なものというわけでもなく、「自分の心を満たす」贅沢をしようと思ったわけです。

妄想癖の私の頭に、
ダリよろしくちょろりんヒゲで、パリッとノリがついた燕尾スーツのずんぐりむっくりな紳士が登場

「さぁ、彼女に、着るだけでワクワクするような、素敵なワンピースを一枚、持ってきたまえ」

ニヤニヤしながら歩くアラサー女に、さぞ、通りすがりの人たちは不思議な顔をしたでしょうが、私がご機嫌だから構わない。

これを着て、帰ったら、息子と夫をたくさん抱きしめよう。

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