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検査に行ったら埋め込んだ除細動器のバッテリーが3年分減ってた | 日日雑記 / Sep.4

暑さがぶり返した日差しの中、埋め込んである除細動器の検査のために病院へ。

僕の心臓はそこそこひどい状態なもんで、胸に除細動器を埋め込んである。
ビルやオフィスに用意してあるAEDの小型版だ。
オイルライターほどのサイズの除細動器から心臓の内部に3本のケーブルが伸びていて、脈拍をたえずチェックしている。
致死性の不整脈を確認したら(その時は僕はすでに失神している)、勝手に動作を始めて「バン!」と心臓にショックを与えるわけだ。

こう書くといかにも生命が保証されているように見えるけれど、除細動器が動かなかったらそれでオシマイ。だから動作チェックのために定期的に動作チェックしなければならない。
検査の結果は異常もなく、「動作は正常ですねー」と言われたが、いつ聞いてもこの言い方はサービスセンターにカメラだのなんだのを持って行ったときのセリフだよなと思う。

「バッテリーもあと6年ぐらい大丈夫ですねー」
軽く言われたのだが、去年埋め込み手術をした時には10年と言ってたはずなのに、除細動器発動もしてないのに3年分はどこ行った?

聞けば不整脈、頻脈がいちばん怖い(要するに死ぬ)ので、そこを徹底的に押さえ込むために薬を飲む。
ところが薬はいつも効きすぎるぐらい効くので、脈拍が落ちる。心臓が止まらないように除細動器のペースメーカー機能が脈拍を上げる。
そうして時々動作してたせいで3年分使ってしまったということだ。

症状を抑えるために薬を飲み、薬で心臓が止まらないようにペースメーカーで心拍数を維持する。
仕組みと構造はわかったけれど、自分のことながら、僕は何によって死にそうになり、生かされているのか、複雑すぎて少々混乱するのだった。

と複雑な思いを巡らせながら、いまも1日数回だけ吸う(数本ではない)煙草の煙を眺めるのであった。
このささやかな数口が美味いから、まだ当分死ぬ予定はない。

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