授業単位の取り方(大学・大学院のすすめ番外編)
はじめに
これは後悔しない大学(学部)のすすめ、大学院前期課程のすすめの番外編です。「どうすれば単位を取れるようになるか」を自分なりに考えてまとめた記事となっております。
この記事を書いた背景
私は学部3年から修士2年の3年間、修学支援室(自習室的な場所)で全授業のアドバイスをするTAとして働いていました。そこでたまに「単位を取る方法を教えて」って聞かれる事がありました。
正直僕は「単位を取る手法」について考えること自体に対して違和感を感じます。授業内容それぞれには学ぶ目的や目標があり、学んだ内容を自分のものにすることを我々は重視するべきだからです。だから単位を取るという行為を目的化することに違和感を感じます。
ですが学生の中には「単位を落とす人」や「留年する人」がいるわけです。彼らには少なくとも何かしら単位が取れない原因があるはずです。その人達に対して3年間色々アドバイスをしてきました(アドバイスになっていないかもですが)。
今回は3年間色々アドバイスしてきて編み出した考察、手法を提示します。役に立つか分かりませんがいいところだけ摘んでくれたら幸いです。
注意点
単位取得に裏技なんてありません。
対象読者
履修相談をよく受ける人
単位をよく落とす人
1.履修登録編
これは卒業するためのテクニック的なお話です。俺は受けたい授業しか受けたくないんだ!って人は飛ばしてもらって構いません。
1.1. 履修可能な授業はできるだけ履修しよう (特に1, 2年)
卒業に必要な単位が足りない原因の一つとして1, 2年の科目をしっかり履修できていないというのがあります。実際、卒業するのに128単位必要なのにも関わらず、学部2年終了時点で50~70単位しかとれてない人をたまに見かけます。
1, 2年授業を上手く履修すれば100単位を優に超えます。また1, 2年の科目は3, 4年の科目に比べて難易度は低いです。
なので履修できる授業はできるだけ履修してください。
1.2. 短期講習を活用しよう
大学にもよりますが夏休みの間に行う短期講習というものがあります。それは4日~5日間で単位が取得できるという優れものです。
単位を稼ぎたいのであればそれらを活用しましょう。但し卒業に必要な単位には分野ごとに必要な単位数が分かれています。なので取りすぎる分には問題ないのですが、128単位を超えたからといって卒業条件を満たせていない可能性があるので注意点が必要です。
1.3. 履修取消は最終手段
履修取消は最終手段です。基本的に履修取消をしないことをおすすめします。
卒業条件を満たす場合や自分と相性が悪いと感じたのであればいいとは思います。しかし友達や先輩に履修取消をおすすめされたとかで取り消すのはやめてください。
もし取り消したいのであれば、1度履修取消を提案した人の取得単位数を確認してください。その人の単位取得数が比較的少なければあまり信用するべきではありません。
2. 出席編
2.1. 授業には毎回出席しよう
授業には必ず出席しましょう。
理由は以下の通りです。
スライドだけでは分からない事も、先生の話を聞けば理解できる事がある。
分からないことがあったら授業終わりに先生に直接質問できる。
出席代わりのクイズがあれば点数が稼げる。
出席日数不足で落単する危険性がない。
授業に出席せずに単位を取得した方が効率がいいと主張する人もいますが、凡人がやったら大抵失敗します。天才と言われるようになってからしてください。
2.2. 遅刻しないための対処法
よく遅刻をしてしまうって人がいると思います。実は僕も高校まではその1人でした。朝起きれない人で病気で起きれないケースもあります。しかしそうでない人は以下の方法を行えば治るかもしれません。実践してみてください。
2.2.1. あえて小さいリスクを負ってみよう
遅刻をしたらあえて何か自分で小さな罰を与えてみましょう。そのリスクを回避しようという気持ちになり遅刻回数が減るかもしれません。
たとえば僕の場合、「遅刻をしたら目覚まし時計を1個買う」ということをしていました。買ったら寝る場所以外に目覚ましをセットしてました。至る所から音が鳴るので止めるのが大変です。学部1年に最大10個くらいになりましたが、遅刻しなくなりました(最終的にアラームひとつでも起きれるようになったので10個は捨てました)。
あえてリスクを追うことで遅刻しなくなるかもしれません。
2.2.2. 外出に必要な準備を減らそう
遅刻する原因として外出する準備がめんどくさいからかもしれません。なので外出に必要な準備項目を減らすといいと思います。僕が実践してたものは以下の通りです。
寝る前に明日必要なものをカバンに入れる
学校に行く日は同じ服を着る
1つ目は朝のバタバタを無くすためにやってました。2つ目に関しては服装を考える手間を省きました。僕の場合パジャマも同じ服にしてたので起きたら1分以内に外に出られるようにしてました。
朝の準備項目を減らすと遅刻癖がへるかもしれません。
3. 授業編
授業に出ることが出来たらもう安心です。ただし出席のクイズがある場合、半分以上は必ず解いてください。以下に授業に関する内容を提示します。
3.1. 話を聞こう
授業に出るメリットは先生の話を聞けることです。しっかり聞きましょう。
もちろん話が理解できない時や分からない部分が出てくると思います。分からないことが出てくるのは当然です。それが勉強というものですから。
そんな時の対処法としてまずスライドや黒板を読み直してください。それでも分からない時は分からない内容と分からない理由をノートにメモりましょう。あとは持ち帰ってから調べるか先生に聞くかしてみましょう。
3.2. 眠い時の対処法
たまに授業を聞いてて眠くなる時があると思います。そんな時は一口でもいいので水を飲んでみてください。ある程度目覚めると思います。それでも目覚めない時は炭酸飲料を飲むと刺激が増えるので効果的です(エナジードリンクの飲みすぎには注意してください)。
また眠くならないために2列目や3列目に座るのも手だと思います(1列目は見にくいのでお勧めしません)。後ろの人達に見られるので多少緊張感が生まれます。
3.3. ノートは最低限取ればいい
ノートは自分がいつ見ても分かりやすいように補足説明するくらいでいいです。完璧に書く必要ありません。最悪教科書やプリントしたスライドに直接書くくらいでいいです。完璧にする必要はありません。
3.4. マクロな思考とミクロな思考を使い分けよう
これは発展的な内容になりますが授業内容をより理解できるようにマクロな思考とミクロな思考を使い分けるといいかもしれません。僕がTAやってる時に知らない授業の質問された時によくやってた手法です。
3.4.1. マクロな思考~集合として物事を捉える~
例えば、授業前に1分だけでもいいのでスライドや教科書を斜め読みしてください。何となくでいいので今から学ぶことをマクロに捉えることをしてみましょう。
そこでは理解できなくていいんです。知らない用語や式が沢山出てくると思いますが、「これからこれを習うんだな」くらいで留めておくだけでいいです。
マクロに物事を捉えることで授業の流れがある程度把握することが出来ます。(予習の時におすすめ)
3.4.2. ミクロな思考~1つ1つに目を向ける~
授業では一つ一つの物事について細かく説明されます。これはマクロな集合の中にある知識を深める作業です。
ここではミクロ的な思考で細かく物事を理解してください。理解できなかったら1度マクロな思考に戻ってください。内容の位置づけを思い出すことで何の内容なのか理解しやすくなります。
このマクロとミクロの思考プロセスを使い分けることで、頭の中で纏まりのある知識として定着しやすくなります。この手法は問題を解く時にも応用できるのでオススメです。
4. 課題編
課題は習ったことの復習で解かせる問題だと思ってください。そう、あくまで復習です。
4.1. できるだけ当日に終わらせよう
授業が終わった当日に課題を終わらせましょう。単位を落とす人に良くありがちなのが、課題を提出しないもしくは課題を遅れて提出してしまって点数が稼げていないというところがあります。彼らが提出出来ない理由は時間が無いのが原因ではなく今まで課題に手をつけてなかったのが原因なのです。なので課題はできるだけ授業終わったその日に終わらせましょう。
4.2. 課題が終わるまで学校にいよう
学校で課題を終わらせるようにしましょう。もちろん家に帰って課題できる人はいいですが、家に帰ると欲望に負けてだらけてしまいがちです。そうならないためにも学校というだらける事が出来ない場所で課題をするのをおすすめします。
課題をする場所として、食堂でもいいですが図書館や修学支援室(自習室的な場所)で行うことをオススメいたします。比較的真面目な人達が課題に頑張って取り組んでいるので、気持ち的にも頑張ろうってなると思います。
4.3. 勉強仲間を作ろう
一緒に勉強ができる真面目な友達を作りましょう。いるだけでもだいぶ違います。一緒にやることで分からない問題に対して相談し合うことができるのでオススメです。
4.4. ボーナス点が貰える問題は必ず解こう
大学の課題でたまにボーナス点が貰える問題があります。解くことでテストでやらかしても単位を落とす可能性が減ります。解かない選択肢はありません。必ず挑んでください。
4.4. 問題文を1文1文丁寧に読もう
修学支援室をTAしていた時「この問題が分かりません」とガバガバな質問をする人がいました。僕は意地悪なのでその人たちに問題文を1文1文読ませるのですが、1文1文理解出来ていない人が結構な数でいます(日本語だとしても)。
問題が解けないと思ったら、1度問題文を1行1行辿って何をすればいいのか理解できるまで読み直してください。斜め読みは禁止です。分からない単語は調べてください。
それだけでも問題に対する解像度が変わります。
4.5. 分からないことへの対処法
4.5.1.「何が分からないのか」「どこが分からないのか」「なぜ分からないのか」の3点を考えよう
分からないと言う人の中にも「なんとなく分からない」という人が結構います。まずは分からないことを特定していくために上記の3点を考えてください。もし3点が考えられないのであれば、もう一度問題文をしっかり読み直してください。
4.5.3.教科書やwebで足りない知識を補おう
何が理解出来ていないのかを上記の3点で特定出来たら理解出来ていない知識や足りない知識があるかどうかを考えてみよう。もしあるならそれについて自分で教科書やwebを用いて調べてみましょう。
例えば、C言語の単方向リストの問題にて、上手くプログラムが書けない人がいたとしましょう。また4.5.1の3点から躓いた場所が新しいノードを作成する部分で動いていないことが分かったとしましょう。
まず、そこで使う知識をピックアップしてください。ポインタやmalloc()等の関数、構造体、色々出てくると思います。次に、それらから自分が理解出来ていなさそうなものを見つけてください。それを自分で調べて理解に努めてください。
足りない知識を補うことで解決できるかもしれません。
4.5.3. 1つ1つ確認して解決しよう
ここからは出来ない部分を細かく見ていくしかありません。プログラムであれば1行1行頭の中で動かすしかないですし、数学や物理の計算であれば1式1式確認していくしかない。ただ上記のやり方でだいぶ解決しやすくなっていると思います。あとは頑張るだけです。
5. テスト編
5.1. クイズや演習を復習しよう
過去問を覚えたら点数が取れると思ったら大間違いです。
実際過去問から同じ問題が1問しか出ていないテストだってありました。過去問しか解いていない人はボロボロでしたね。
テストは基本的にクイズや演習問題の派生系が出されます。まずはクイズや演習問題を解くようにしましょう。
5.2. 過去問はあくまで回答時間の確認に使おう
過去問は今まで勉強してきた内容が理解出来ているかの確認テストで使うくらいがちょうどいいと思います。もちろん時間制限もあるので時間を測って解いてみましょう。
最後に
読んでいただきありがとうございました。
「はじめに」でも言いましたが、この記事はこれは後悔しない大学(学部)のすすめ、大学院前期課程のすすめの番外編です。
本来大学なんて行かなくても人間生きていけるわけです。
ただ大学に行ったのであれば卒業出来なかったら勿体ないわけですよ。
あくまでこの記事は僕の考えから生まれた記事です。役に立つかはあなた次第です。ただし、ひとつでも実践して貰えると幸いです。
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