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【No.9】東京⇔大阪 東海道新幹線不通時の迂回ルートを整理!


1.迂回ルートは探せば様々

 2024年7月~8月にかけて、台風や大雨による計画運休や停電などが相次ぎ、東海道新幹線が部分的に全線運転見合わせになるケースが頻発している。こういった運転見合わせ時において、どうしても移動しなければならない場合は多々あるだろう。そこで、今回は鉄道と飛行機の場合に分けて、東京~新大阪間の全線で運転見合わせになった場合を想定して、シミュレーションをしてみることにする。緊急時の移動の際に迂回ルートを考える際の参考にしてもらいたい。

2.鉄道の代替ルート

 鉄道において考えられるルートは全部5つある。以下の図を元に順に説明していく。

鉄道における東京~大阪間の代替5ルート

2-1 北陸新幹線+特急サンダーバードルート

 今年3月に敦賀駅まで延伸開業した北陸新幹線。東海道新幹線が不通になった場合にまず真っ先に考える代替ルートと言えば、この北陸新幹線を活用したルート(図の①に該当)であろう。東京駅から最速の「かがやき」で敦賀駅まで3時間8分、敦賀駅から大阪駅までは最速1時間20分で結ばれ、敦賀駅の乗換時間も考慮すると、東京~大阪間で約4時間半で移動可能である。これは、東海道新幹線「のぞみ」であれば、2時間半で移動できるので、プラス2時間余計にかかってしまうが、各駅停車の「こだま」の場合は4時間であるため、30分程度しか変わらない。敦賀駅まで延伸したことで、迂回ルートの地位を確立したといえる。
 例えば、東京駅7時20分発の「かがやき503号」で大阪へ向かう場合、敦賀駅に、10時28分に到着する。その後、10時44分発の「サンダーバード16号」に乗り換えると、京都駅に11時39分、新大阪駅に12時2分、大阪駅に12時6分に到着し、敦賀駅の乗換も含めて5時間以内に到着する。
 また、敦賀駅からは名古屋方面への特急「しらさぎ」で米原駅までいき、その後「新快速」で京都・大阪方面へ移動する方法(図の④に該当)もある。

敦賀駅に停車中の特急「サンダーバード」

2-2 中央線特急(あずさ・しなの)ルート

 東京から名古屋までの場合、中央線を経由する2つのルートがある。1つは北陸新幹線で長野駅まで移動し、その後長野駅始発の特急「しなの」に乗り換える方法(図の②に該当)である。このルートであれば、例えば東京駅6時16分の「かがやき501号」で長野駅に7時36分着、その後7時44分発の「しなの4号」へ乗り換え、名古屋駅に10時53分に到着する。
 また、もう一つは新宿駅から特急「あずさ」で塩尻駅まで移動し、その後長野からの「しなの」に乗り換えて名古屋まで移動する方法(図の③に該当)である。ただ、所要時間的には前者の北陸新幹線+しなのの方が若干早い。
 その後、名古屋から大阪に移動したい場合は、近鉄名古屋駅から近鉄特急「ひのとり」に乗車し、約2時間10分程度で大阪・ミナミの中心でもある大阪難波駅に到着する。

新宿〜松本間を結ぶ特急「あずさ」

2-3 東海道線普通列車でダラダラ西へ

 かなり時間はかかるが、時間と体力に余力があれば東京駅から東海道本線でひたすら西に進むことも選択肢としてある。東京から大阪までの所要時間は、途中駅での接続にもよるが、約8~9時間はかかる。ただ乗車券は購入済ではあると思うので(青春18きっぷ使用時は除く)、移動中に並行する東海道新幹線の運転が再開すれば、途中駅から新幹線へシフトできる。

東海道線普通列車(新型車両315系)

3.飛行機の代替ルート

 飛行機においては、首都圏3空港(羽田・成田・茨城)と関西3空港(伊丹・関西・神戸)との間を結ぶ路線が複数存在し、新幹線の代替ルートとして機能する。以下の図を元に順に説明していく。

飛行機における東京~大阪間の代替ルート

3-1 羽田空港発の飛行機で移動

 羽田空港発では、伊丹空港行の飛行機がANA、JALで15便ずつ、関西空港行の飛行機がJALで3便、ANAで5便、SFJ(スターフライヤー)で4便ずつある。新幹線の運転見合わせが決まった段階で、飛行機に切り替えて羽田空港へ移動するのが選択肢の一つであろう。ただ、多くの人が飛行機に切り替えることが予想され、すでに予約で埋まっている便もあると考えられるため、中々席を確保することが難しい。飛行機へ切り替える場合は、各航空会社の空席照会をこまめにチェックすることが肝要である。

羽田〜伊丹間のJAL便(JA849J)

3-2 成田空港発の飛行機で移動

 羽田空港発の飛行機が予約で満席の場合は、成田空港発の飛行機で大阪方面へ移動することもできる。成田空港発では伊丹空港行がANA・JALで1便ずつ、関西空港行ではLCCのPeachが2便、Jet Starが5便ずつ就航している。羽田空港発の飛行機に比べて便数は少ないものの、席が空いていれば安く移動することが出来る。ただ、都心から成田空港への移動、関西空港から大阪市内への移動では別途鉄道利用が発生するため、時間に余裕をもって移動することが望ましい。

3-3 茨城空港発の飛行機で移動

 羽田発も成田発も満席で、どうしても関西方面へ移動しなければならない場合は、都心からかなり遠いが、茨城県の茨城空港からスカイマーク便で神戸空港へ移動する手段もある。茨城空港へは東京駅から石岡駅までJR特急「ときわ」で約1時間、石岡駅からはバスで約20分で茨城空港へ到着する。茨城発のスカイマーク便は、1日当たり3便(7時35発、14時15発、19時50発)就航している。茨城空港は館内がコンパクトでチェックインカウンターや保安検査場の通過もスムーズである。やむを得ない移動の場合は、茨城空港発のスカイマークを利用するのも手だろう。

茨城〜神戸間のスカイマーク便

3-4 新千歳や小松を経由しての乗継移動

 羽田空港から伊丹空港への便が満席であるが、それでも羽田から何とか移動したい場合は、新千歳や小松といった他の空港を経由して移動する手段もある。新千歳の場合は、羽田⇒新千歳へ移動し、乗継で新千歳⇒伊丹行へトランジット、小松の場合は、羽田⇒小松へ移動し、そこからリムジンバスで小松駅または福井駅へ移動し、先程紹介した北陸新幹線とサンダーバード(敦賀駅乗継)で大阪へ向かう手段もある。ただ、どちらも費用を度外視した代替ルートであるため、他の手段と比較して検討されたい。

4.まとめ

 鉄道・飛行機とも代替となる移動手段は様々である。時間と費用を天秤にかけて自分にとってベストなルートで有事の際にも動いてもらいたい。

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