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心の中のマダム


風の強い日は体調が悪くなる私だ。
身体がだるくなり、
精神的にも無気力になってしまう。
強風の吹きすさぶ音が
私の平穏な心を掻き乱してくるのだ。
そんな時は布団に横になり、
Spotifyからイタリア音楽というプレイリストを再生する。
私が精神的に弱ると、
不思議と愛猫が私のそばを付いて回るようになる。
なので、布団に横になる頃には猫も私の枕元にやって来て、
喉をゴロゴロと鳴らしながらリラックスしている。
この猫のゴロゴロ音とイタリアの音楽が
交わった時、私の中に突如
“イタリアの海沿いに住むマダム”が現れる。
目を瞑ると、私の中のマダムは窓から海を見て言う。
「今日は海も荒れてるわね、
窓辺の鉢植えを
家の中にしまわなくっちゃ。」
マダムは鮮やかな黄色した家に住んでいる。



書き損ねていたが私はイタリアに行ったことはないし、
イタリア人のマダムとも会話などしたことがない。
読んでいる方も今戸惑っているとは思う。
私をやべぇ奴と思った方もいるだろうが、
ちょっと待ってほしい。
いや、ちょっと待ってください。

このマダムについては、
私の空想上で作り上げた者ではなく、
あくまで私の心の中に居る方なのである。
私の語彙力でこの違いを伝えるのはあまりにも難しいけども、
とにかくお伝えしたいのは
このマダムが現れた時、
心に平穏が戻るということだ。
自身が不快と感じている強風の音は潮風となる。
埼玉の田んぼに囲まれたアパートで暮らす私に
潮風をもたらしてくれるのは
紛れもなくこのマダムが居てこそなのだ。

私は2週間ほど前に、
「世界の美しい街の美しいネコ」という本を
食い入るように見つめた。
マダムが現れるようになったのは
この本を読んでからである事は間違いない。


何事においても私は影響されやすい。
以上はただ、それだけの文章だ。

では、また。

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