トランス男性な僕と職場環境③最終話~現在の職場環境~
こんばんは、YOo!です。
トランス男性な僕と職場環境シリーズも、今回で最終回となります。
これまでトランス移行期での出来事や、実際に就職活動をどのようにしているか、という回をお送りしてきましたが、最終回として今の僕の職場環境について、綴っていきたいと思います。
僕の職場環境では、福祉系ということもあり、セクシュアリティはフルオープンです。
勝手に見た目だけで性別を判断されるのがあまり好きではないので、自己紹介の時に「生まれたときは女の子でした」と必ずつけることがもはやネタになりつつあります。
でもそれを笑いの種にしたいわけでは決してなく、みなさん、へー、という感じで、特別視することもなく、過剰に配慮しなくてはと変に頑張ってくれるわけでもなく、いたって自然に
「そういう人もいるよね」
という感じです。
そんなわけで、僕の性別は上司管理職のみならず、全従業員が知っています。
しかも
「私たちはあなたのことを男性だと思っているから大丈夫です」
とかではなく、男性でも女性でもなく、「YOo!はYOo!だよね」と、
そもそも人のセクシャリティは完全には理解できない、ということもわかってもらいながら、性別ではなく僕自身としてみんな接してくれています。
メンズとたむろして一緒に混ざって談笑したり
仲のいい女性職員のオンライン女子会に参加させてもらったり
とにかくセクシャルフリーに仕事させてもらってます。
しかし、どうしても配慮してもらわなくてはならない場面というのがあって
例えば健康診断を社員一同一斉に受ける場合、保険証の提示や身体的な部分で様々な支障が出るため
みんなと同じ職場指定の病院で、職場に指定された日時に健康診断を受ける、というのはけっこうしんどいので
個別に必要な項目の健康診断を、普段自分が受診している病院で行い、結果を提出することでクリアさせてもらう、などの配慮はしてくださっています。
あとはトイレ問題でしょうか。
うちの事務所には赤と青のトイレしかなくて、バリアフリートイレがありません。
なので、どちらかに入るしかなくて、他の男性が利用しているときに青いトイレを使うのは抵抗があるし…ということで上司に相談しました。
結果、トイレ休憩は他の人とずらしていいこと、と
「外部の人が来てる時とかでなければ、女子トイレ使っていんじゃない~?」
と、けっこう軽いノリで赤いトイレの使用許可が出ました。
しかし、他の人の気持ちもあるので、他の女性職員全員に、自分が赤いトイレ使っていいかどうか、もし嫌だったら遠慮せずに伝えてほしいこと、を聞いて回りました。
結果、全会一致でOK、ということでした。
よって、状況に合わせて赤いトイレも青いトイレも使ってよい、ということになりました。
好きな時に好き勝手に好きな方を使う、というわけではなく、
なるべくトイレ内で人と遭遇しないように使い分ける、というイメージです。
ただし、他のフロアのトイレを利用することについては、社外の管轄になるので、ということで許可は出ませんでした。
これは、仕方ないですよね。性別とは関係なく、他社の設備を使う許可が出なかったということになります。
そんな感じです。
僕の今いる環境はとても恵まれているのだと思います。
でも中には「あいつ自分で男になりたくてなったくせに、全然男らしくないし」と陰口をたたかれることや屈辱的なこともあります。
しかし、「文句があるなら仕事で勝負してこい!」という心構えでいますし
出来る限り人として誠実に人と接し、懸命に仕事をし、このような恵まれた環境で働かせてもらえることに対して成果として還元していきたい。
という気持ちで日々仕事をしています。
その甲斐あってか、他の職員さんから
「実は私の周りにこういう人がいて…」という相談を受けることもあります。
僕のモットーとしては、綺麗事かもしれないですが
「できる限り自他ともに誠実であり、隣の人に自分を知ってもらう。
そしてその人がセクシュアルマイノリティについて自分事としてとらえてもらうことで、次の世代につながっていく」
と思っているので、セクシュアルマイノリティとは、と理解を求めることよりも、人と人として隣の人と分かり合う、ということをとても大切にしています。
社会を変えていくのは、偉い人や政治家、行政の人がする特別なことではなく
ひとりひとりが社会の一員であることを自覚し、社会で起こっている問題について関心を持ち、自分が出来ることを小さくてもいいから実践していく。
そんな小さなことで、大きく変わるのではないか、と思っています。
(社会の一員、とかいうと、なんか壮大なことに聞こえてしまいますが、要は隣の人のこと、だと思います)
もちろん、そうでない考え方の方もいるし、何がいいとかの正解はないと思います。
僕の職場が特別理解があるのも事実です。
そしてその中にも、やはりどうしても理解が得られない方もいるのも、事実です。
それでも、けっこううまくやっていて、少なくともいただいている賃金に対してそれをいただくに値する結果やパフォーマンスを出していきたい、と思う程度には。
でもそこに至るまでに様々な職場で理不尽な想いをしてきたことも、
今の職場で理解を得るためにたくさんの人といろいろな話をし、お互いに理解を深め合ってきたからこそ獲得してきた権利なのもまた、事実です。
あなたがどのように自分の性別と、社会と向き合い折り合いをつけていくか、はあなた自身のオリジナルのものを作っていくしかないのですが
今後トランス(性別移行)をしていく方の参考に、少しでもなれば幸いです。
YOo!
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