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WIN-WINと社会貢献

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年頭のご挨拶

新年あけましておめでとうございます。

また、緊急事態宣言が発令されましたね。先ずは一都三県の関東圏ですが、日本の人口のおよそ3分の1がこの関東圏に集まっているらしいので、ここを早めに封じ込めないともっと大変なことになりますよ。次いで関西圏など、次々と発令されているようです。

とは言え、感染拡大に起因している商売の方は気の毒ですよ。誰が悪いわけでもなくコロナウイルスの治療薬が無い以上は、感染源を断つ施策しか講じることができないわけですからね、ホント、1日も早いコロナ終息を祈るばかりです。

さて、前置きはこのくらいにしておいて、年頭にあたり相応しいテーマは何か考えましたところ、商売の基本とも言える「思想と哲学」についてお伝えしていきたいと思います。

と、簡単に言ってもですね、何か題材がないと伝えることはできません。で、商売の心得として大切なことと言えば、何か?何を伝えればいいのか?を考えてみました。

で、まず経営者ならほとんどの方がご存知のはずと思いまして、近江商人の「三方良し」がいいんじゃないかと。新年、心新たにして初心に返り、商売の基本について調べてみました。

経営者としての心得

「三方よし」とは、「売り手、買い手、世間の、3つすべてにとって良い商売を心掛けるべし」という意味を持つ言葉のことです。

この言葉は、現在の滋賀県にあたる近江に本店を置き、江戸時代から明治時代にわたって日本各地で活躍していた近江商人が大切にしていた考えです。

信頼を得るために、売り手と買い手がともに満足し、さらに社会貢献もできるのが良い商売であると考えていました。

今でも、この近江商人が残した「売り手の都合だけではない、買い手のことを第一に考えた商売と、商いを通じた地域社会への貢献」を表す「三方よし」は多くの経営者の指針となっています。

経営理念などにおいては、

* 売り手よし
* 買い手よし
* 世間よし

このように表記されることが多いですね。

WIN-WINと社会貢献

一般的な企業にとって、最大の目的は利益を出すことです。そのため多くの社長はまず、「売り手よし」を目指して経営を行います。

しかし商売というのはそれほど単純なものではなく「売り手よし」だけで業績を伸ばすことはできません。

そのことをよく表しているのが、「WIN-WIN」という言葉ですね。

要は、売り手と買い手がどちらも得をできる関係性のことです。このWIN-WINの関係を築こうとせずに自社の利益だけを追求してしまうと、一時的には利益率が上がってもリピーターが増えないため、だんだん利益が出せなくなってしまうってことです。

だからこそ多くの企業が、WIN-WINの関係、つまり「売り手よし」と「買い手よし」の両立を目指して経営をしているんです。

しかし当時の近江商人たちは、それだけではまだ足りないと考えていました。その足りていないものというのが三方よしの最後の1つ、「世間よし」。

つまり、取引をしている両人だけでなく、社会も豊かになるようなビジネスをしようということです。

実際、社会に反するようなビジネスは、短期的に利益を出すことはできても長続きはしません。

このように「三方よし」という言葉は、売り手、買い手、世間の、すべてにとって利益のあるビジネスという意味で使うんですね。

+3の行動哲学

あと、近江商人の思想と行動哲学には、「三方良し」の他に、さらに3つあると言われてます。

それは、

・「始末してきばる」
・「利真於勤(利は勤むるにおいて真なり )」
・「陰徳善事(いんとくぜんじ)」

です。それぞれ説明しますと、

「始末してきばる」とは

「始末」とは無駄にせず倹約することを表すそうで、単なるケチではなくたとえ高くつくものであっても本当に良いものであれば長く使い、長期的視点で物事を考えること。だと。
また「きばる」とは本気で取り組むこと。だそうです。

「利真於勤(利は勤むるにおいて真なり )」とは

利益はその任務に懸命に努力した結果に対する「おこぼれ」に過ぎないという考え方であり、営利至上主義の諫(いさ)め。だそうです。

「陰徳善事(いんとくぜんじ)」とは

人知れず善い行いをすることを言い表したもので。自己顕示や見返りを期待せず人のために尽くすこと。だそうです。

商売十訓

さらに、近江商人は「三方よし」のほかに、「近江商人の商売十訓」という商売に関する教訓を掲げていたと言われています。

ここで紹介しておきますが、
(近江商人の商売十訓)

1. 商売は世の為、人の為の奉仕にして、利益はその当然の報酬なり

2. 店の大小よりも場所の良否、場所の良否よりも品の如何

3. 売る前のお世辞より売った後の奉仕、これこそ永遠の客をつくる

4. 資金の少なきを憂うなかれ、信用の足らざるを憂うべし

5. 無理に売るな、客の好むものも売るな、客の為になるものを売れ

6. 良きものを売るは善なり、良き品を広告して多く売ることはさらに善なり

7. 紙一枚でも景品はお客を喜ばせる、つけてあげるもののないとき笑顔を景品にせよ

8. 正札を守れ、値引きは却って気持ちを悪くするくらいが落ちだ

9. 今日の損益を常に考えよ、今日の損益を明らかにしないでは、寝につかぬ習慣にせよ

10. 商売には好況、不況はない、いずれにしても儲けねばならぬ

以上が近江商人の商売十訓です。が、実はこの「商売十訓」については諸説あって、昔の松下電器(現在はパナソニック)が作成した「商売戦術」が元ネタではないかという説があるそうです。

いずれにしろ、近江商人の思想や商売に対する行動哲学は、のちの経営者に多大な影響を与えたことは間違いないようですね。

まとめ

はい。ここまで、まとめてみますと、

商売の基本としては、売り手よし、買い手よし、世間よし、の三方良しで、win-winの関係構築により社会奉仕を原則とするって考えでした。

そして、近江商人の思想と行動原則には、さらに3つあって、始末してきばる、利真於勤(利は勤むるにおいて真なり )、陰徳善事(いんとくぜんじ)でした。

それぞれに、

・無駄にせず倹約し長期的視点で物事を捉え本気で取り組むこと

・利益は努力して頑張ったおこぼれであること

・見返りを期待せず、人知れず善い行いをすること

この3つがプラスされ、近江商人の4本の思想と行動哲学が、のちに会社経営の参考となり経営理念のような指針となっている。ってことですね。

で、近江商人の商売十訓がありました。よく考えられた10か条ですが、パナソニックの商売戦術が元ネタじゃないのかっていう説も否めないってことでした。

あらためて商売の心得とも言うべき「近江商人の思想と行動哲学」ですが、現代のビジネスにおいても、我々経営者にとって大切な指針を教えてくれました。

今年、2021年もスタートしたばかりですが「初心忘るべからず」と言った意味ではベストなテーマになったような気がします。

この「三方良し」について、調べればキリがありません。ちょっとググってみればたくさんの方がまとめておられます。

もっと詳しく知りたい方は、気のすむまで検索してみてください。ここではこのくらいにしておきます。

というわけで、ぜひぜひ今後も「社長の戦略講座」、参考にしていただけると嬉しいです。

それと、最後にお知らせですが、第1回目のnoteからstand FMというラジオ番組で放送してますのでそちらも聴いていただくとよりリアルになります。アクセスの方法はPSに記載しておきますのでこちらから聴いてください。ついでにフォローもお願いします。

それでは、飽きない人生満喫しましょう!じゃまた。今年もよろしくお願いします!

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