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第九章 「この味は!嘘をついている味だぜ…!!!」


「結婚は人生の墓場だ」

そんな言葉を聞いたことはないだろうか。



この人生は本当は
あの時に終わるはずだったんだな と


最近よく物思いに耽ることがよくある。


メンヘラの口車に乗せられて結婚させられ
一生あいつの面倒をみながら生涯を終える

本当はそんな人生だったのかと。



自分自身の生きる筋は誰にも渡してはならない


たとえ、何をしたいのか分からない時も
とりあえず何かをやってみよう


そもそも興味がなければ
その ”何か” の候補にすら挙がらない。

心の思うままに、何かをやってみよう。
気になるものは全部やろう。


どうせなかった人生だ。
この際、派手に生きろ

死ぬ間際に「生きた」と言える人生にしろ





そう言って始めたものの1つにサーフィンがある


津波か?と思うレベルのサイズの波に
果敢に向かっていくベテラン勢をみて


ああ、あんな波でもいけるのか。
すげえなあ、、、のってみたいな、
でも無理だろうな、死ぬだろうな、、


こんな時に僕を無性に駆り立てるのが

「どうせなかった人生だ」

この言葉だ。


いつも気づいたときには

僕の身体はすでに波に向かっている。



波のかわし方など、何も知らない僕は
毎回毎回、ボードごと波に全身を殴られる。


何かの間違いで、
その波にのれてしまったら最後。

完全におしまいだ。


巨大な波に、後ろから押されたまま
ボードもろとも海面に頭から突っ込んでいく



海中で何も見えないどころか
自分がいま何回転したのかすら分からない


首の骨は折れてないか?
ボードは頭にささっていないか?
そもそも、ここはまだ現世か?

いつもドキドキである。

だが、

死と対面するこの瞬間こそ
生きている感覚を最高に味わえて
何事にも変えられない幸せを感じるのである。


生きるって最高に気持ちいいな と。


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「どういうことか説明してもらえる?」

僕は完全に動揺していた。
手は汗でビッショリである。

「私たち、同棲するんでしょ?」
「え、なに?違うの?どういうこと?」


いや、普通に違うだろ。


「どういうこと?」ではない。



そもそも、質問を質問で返すな。

疑問文には疑問文で答えろと
学校で教えているのか??

これには、
あの吉良吉影もさすがにお手上げだ。


「え、別れたよね?分かってるよね?」

「は?なんのこと?」


お、、、おまえは!!!
自分が「悪」だと気づいていない!!

もっともドス黒い「悪」だ!!!!!!!



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この頃の僕は、

彼女達なしでは生きていられなかった。

農口尚彦研究所
田酒
まつもと
雪の茅舎


マイナーな愛人もいるが、


まつもと、田酒は

我が家のクーラーに常にストックがあるくらい
今でも愛し合っている仲である




当時は、会社がおわり家に帰るとスーツのまま
真っ先に四合瓶をラッパ飲みしていた。


これが一番、枯渇した身体に染みるのである。


今ではありえないが
やってみると、闇落ち感が凄まじいので
本当にやばい時はかなりオススメである。


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あれから僕らは何度か別れ話をした。
(いや、正式にはすでに別れていたはずだが)


写真は残っていないのだが、
これがまた、なかなか壮絶であった。


イタリア料理屋で別れ話をした時は、

満席の店内で大号泣された挙句に、

店員から
「店内での別れ話はご遠慮ください」と言われ

お手洗いにいけば、壁に


Arrivederci !! !!!!!!!
(アリーベデルチェ)


と書いてあるのを彼女が見て、また大号泣。


これではまるで、
僕が悪役みたいじゃあないか。

どう考えても、泣きたいのはこちらである。

悲劇のヒロインごっこはお家で一人で頼む。

こちらも暇ではない。

本当に、
メンヘラという生き物は、
これだから、最強に、最高に、ダルい。


こんなスタンドをつくる荒木先生は
本当にゲス野郎の極みだとつくづく思う。


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僕の努力が身を結んだのか、
そこからしばらくの間、彼女はおとなしかった



純粋なのか馬鹿なのか、


僕はこれが、
ただのチャージ期間だとは
疑う余地もなかった。。


このチャージ期間がなければ
復縁などしなかっただろうに。。



嘘を…ついている味……
見抜けなかった………………


to be continued…







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