応援してもらえる才能

仮免試験に合格してから、あんなに苦戦したのが嘘かのように(今のところ)順調に教習を進められている。

(しかし、こうやって調子に乗ると失敗するので、油断は禁物でいきたいと思う)


嬉しいのが、教官の先生方に「受かったんだね！よかったね！」「試験のときみてたよ！がんばったね！」「めっちゃ成長したね！」と声をかけてもらえることだ。

第一段階で何度も復習になってしまったのだが、そのたびに担当の教官がそれぞれ「乗ったもん勝ちだから大丈夫！」「何度もくれば免許とれるから！」と励ましてくれた。

また、事務方の人びとも「がんばってるね！」と声をかけてくれていた。本当にありがたい限りである。


思えば昔から不器用なところがあって、人よりも回数を重ねないとコツを掴めない人間だった。

たとえば俳優だった頃はたびたび、演技のほかに歌とダンス、必要な際には楽器を演奏するスキルを求められた。

演技と歌は得意だったけど、ダンスと楽器はからしきだめ。だから、人よりも多く練習するしかなかった。

朝早くから夜遅くまで、とにかく時間をみつけてひたすら踊った。そんなことをしていると、いつのまにか協力してくれる人が現れるのだ。

そうしていつの間にかみんなに応援してもらい、驚くほど上達する、といった経験がたくさんあった。

私は地道に努力を重ねることしかできないけど、もしかしたら「応援してもらえる才能」だけはあるのかもしれない。

もちろん、私の周りにいる方々がとびきり優しいからだけども。

これからも、要領が悪いなりに愚直に頑張っていきたいと思う。

(Day.39)

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ほぼ毎日エッセイ『わたしに翼』｜糸崎 舞｜文化と暮らしのライター｜note