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ファジアーノ岡山“らしさ”のある応援とはなんだろう?

先日、ファジアーノ岡山の新加入会見があり、その中で“岡山らしさ”というワードが出てきた。

岡山らしさとはなんなのだろうか?
会見の中で原強化部長はこう述べている。

岡山と言いますと、皆様思い浮かぶのはハードワークだとか攻守の切り替え、最後まで諦めない勤勉性、球際の強さ、そういったところが思い浮かぶと思うのですが…


これが従来の岡山らしさという事だろう。
たしかにハードワークや最後まで諦めないというのはファジアーノ岡山らしさがあると私も感じる。

これはあくまでピッチ上での岡山らしさである。
スタンドで応援するサポーターにとっての岡山らしさとはなんなのか?
それを考えてみる。

ブーイングの是非

ファジアーノ岡山の応援と言われて真っ先に思い浮かぶのがブーイングの少なさではないだろうか?
ファジアーノ岡山のサポーターにはブーイングをせずに選手を後押ししようという考え方が大きく根付いている。
これはファジアーノ岡山を創成期から応援してきたサポーター団体 CURVA ROSAの考え方から広まったと思われる。
私が高校生の時、初めてGATE10付近に足を踏み入れた際にコールリーダーの方が「文句言う暇があったら声出して選手の後押しをしよう」といった趣旨のことを述べていたのを覚えている。

では岡山でブーイングが存在しないかと言われるとそうでは無い。
多くのサポーターはブーイングをしない事が多いが、中にはブーイング肯定派もおり、時折厳しい声と共にブーイングが飛ぶこともある。
過去にはCURVA ROSAとは大きく違う考え方を持ったサポーター団体も存在した(こちらについては後述する

ネット上では度々ブーイング否定派と肯定派による議論が行われるが両者の意見が交わり解決することはないように思う。

個人的にはブーイングは否定派だ。
理由としてはブーイングをすると選手がやる気を出して勝てるという科学的根拠が存在しないから。
近年では、あまりブーイングをしないサポーターが多い川崎フロンターレが圧倒的強さを見せつけている事からもブーイングが選手を強くするという点には懐疑的だ。

川崎フロンターレでも言えることだが、個々人の意見は別としてサポーター全体で見ると岡山ではブーイングに対して肯定的では無いように感じられる。


手拍子

次に岡山の応援で印象的なのが手拍子だ。
GATE10から発せられるチャントに対してGATE10から離れた席やメインスタンドから自然発生的に手拍子が起こる。
この手拍子がメインスタンドの屋根に反響して大きな音となり大迫力の応援を創り出す。


GATE10(ゴール裏)にいるサポーターだけでなく、スタジアム全体で創り出す応援となっている。
この手拍子はあくまでホームの場合ではあるが、岡山らしさという点では需要な要素かもしれない。


拍手

岡山では手拍子と同じように自然発生するものがある。
拍手だ。
拍手が自然発生するのは当たり前と思うかもしれないが、岡山では好プレーがあると自然と拍手が起こる事が多い。
また、プレー意外にも良いと思ったことには拍手が起こる。

Jリーグが新型コロナウイルスの影響により中断し、再開した初めての試合が岡山対北九州だった。
この際も北九州の選手がピッチに出てきたら自然と拍手が起こった。


これこそまさに岡山らしさではないかと考える。

相手選手に対して拍手するなど言語道断という声もあるだろうが、岡山のサポーターの多くがそれを選択したのだからしょうがない。


岡山らしさのある応援とは?

では結局、岡山らしさのある応援とはなんなのだろうか?
ブーイングをしないことなのか、拍手をすることなのか。
もちろんそれが多くのサポーターにとってベースの考え方であることは間違いないが、なんとも具象的すぎる気がする。

抽象的なものは何かと言われると逆に困ってしまう。

ここまで書いて置いてなんだが、具体的な答えは見つかっていない。
強いていえば、否定しないことだろうか?
選手を否定しない、クラブを否定しないのはもちろんだが、サポーターも否定しない。
ブーイングしたい人はすればいいし、意見があれば言えばいいと思う。

否定はせず尊重する。

強いていえばこれだろう。


GATE10の在り方について

ここまで何度か出てきているGATE10というワード。
これはファジアーノ岡山で応援をリードするサポーターや飛んで跳ねて声を出して応援するサポーターが多く集まる場所。
他クラブで言うところのゴール裏である。
岡山のホームスタジアム シティーライトスタジアムは構造的にバックスタンド寄りにゴール裏のような場所がある。
10番GATE付近に集まるのでGATE10と呼んでいる。


GATE10には多くのサポーター団体や声出しサポーターが集まる。
CURVA ROSA、大旗部隊、ビッグフラジアーノ(ビッグフラッグ展開)、CURVA ESTがまとまったGATE10 UNIONが現在では応援をリードしている。

https://twitter.com/GATE10UNION?s=09


このGATE10 UNIONはCURVA ROSAの存在からも分かるようにどんな時でも選手を後押しするというのがベースにある(自分からはそう見えている)

最初のブーイングにも繋がるが、応援をリードする中心団体の考え方がスタジアム全体の雰囲気に繋がっていると言っても過言ではない。

では、サポーター団体はGATE10 UNIONだけなのかというとそうでは無い。
他にもサポーター団体は存在する。

過去にはファジアーノ岡山全体を大きく揺るがした団体が存在した。
それがDEEP RED BOYS(DRB)だ。

https://twitter.com/DEEPREDBOYS?s=09

DRBはCURVA ROSAとは違う考え方を持っており、対立した。
DRBは欧州や南米のウルトラス文化に近い考え方を持っていた。
簡単なところで言うと負け試合の際に選手に対して声を荒らげて不満をぶちまける、上裸になる、柵を跨ぐなど、、、

悪く映ることを書いたが、彼らにも信念があった。

彼らが団体を立ち上げるまではCURVA ROSAのやり方が正しく、それ以外の考え方は必要ないという雰囲気だった。
それに不満を募らせた若者が中心となり、何でも言える空気を作りたいと。


この考え方は悪くない、むしろ良い事だろう。
ただ、彼らが間違っていたのはそのやり方と方向性だ。

欧州や南米のウルトラス文化に憧れるのは分かる。
実際、私もウルトラス文化はカッコイイと思う。

しかし、ここは岡山。

岡山には岡山のやり方、つまり岡山らしさ存在した。
DRBの考え方ややり方はその岡山らしさとはかけ離れたものだった。
それでは多くの岡山のサポーターは納得しないだろう。

突然現れ、従来の岡山らしさとかけ離れた応援スタイルを持ち込んで応援をリードしようとした彼らは岡山の応援に大きな影響を与えた。

DRBの台頭によりGATE10付近から離れたサポーターも存在した。

DRBは度重なる問題行動を起こしたのち、代表がアウェイにて不正料金で入場しようとした行為が発覚し解散となった。

DRBの起こした事件や応援スタイルについて肯定する気はないが、彼らの存在がファジアーノ岡山の応援について一石を投じたことは間違いない。
実際、私はDRBメンバーの話を直接聞いたことがあるが、彼らのやりたいことや従来のGATE10の問題点など理解出来る事もあった。

DRBが解散した現在では昔よりも風通しの良いGATE10になっていると考えられる(あくまで内部に関わっていないサポーターの考え)

昔よりもサポーター団体が増えており意見の違いなどもあるだろう。
様々なサポーター団体の意見が交わり、雰囲気のいいスタジアムになるようにGATE10から応援をリードして行って欲しい。



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