いとうおかし
折々、読み返したい記事を勝手にストックさせて頂いてます。ご了承ください。
カメラの事は何も知りません。手元にあるスマホで撮っているだけです。
掘り出し物が見付かる、かもしれない蚤の市
二束三文にも満たないナニカ
マーケットで買ったハムとかチキン 引き連れて、罪悪感もない 猫なで声 フェンス越しに見てろよ 少年は卵泥棒 逃げた魔女は仔羊 仮宿にサヨナラを焚べるのは明け星なんだ 僕らは生き残る為に、厭わない 何かを厭わない ラクダに揺られて街から街へ 嗚呼、クーラーの効いた夏休みが懐かしいよ 乾ききらない絵の具と スピーカーに繋いだままのイヤホン 静寂に喪して 小さな蕾のついた花を添えて 起こさないように 好きと呟く ネットで買った洋服とか自己啓発本 引き連れて、罪悪感もな
冷蔵庫を開けて 寝起きの缶ビール 春風の中で ワンルームの成層圏がふわり 舞い上がって僕は Mayday Mayday Mayday こちら惑星Earth 迎えに来てよ 僕のエイリアン シンクには昨日の食器 溜まった洗濯物 モザイクを掛けて 見て見ぬふり 北緯36度、東経140度 お気に入りのシャツが見当たらないよ Mayday Mayday Mayday ペットは飼ってないし 観葉植物も育ててない 大事な写真は財布にこっそり偲ばせてさ 刻むビートにモールス信号を
継ぎ接ぎだらけのテディベア 色違いの瞳 吹き込んだボイスレコーダー 続きはまだ あの頃のガラクタが 海底2万マイルに眠り続けている ムーンライトダイバー 深く 深く 潜ってゆくんだ 正義も悪も届かないこの場所でなら 鍵を開けてもいいかな 在るべき姿で ありのままの気持ちで 迎えにゆくよ 月が明るい間に 二階建てのドールハウスで お茶会 プラスチックのロケットで 宇宙遊泳 あの頃の宝物は 海底2万マイルで夢の続きを ムーンライトダイバー ふわり ふわり たゆたいな
朝帰りの虚栄都市 落とした目玉を カラスがついばむ 親しみを込めて 架空の恋人に名前を付けるよ 極彩色のグミが好きで 炭酸が飲めない 猫っ毛 奇数のピアスに解けない波動関数がゆらゆらと 要らないものが捨てられない 僕は 捨てられない つまるところは背中のないヒッチハイカー 責任とか、債務とか そんなネクタイで首を括る予定はなくて 指を絡ませて 見知らぬ町の薄明(はくめい)を仰ぐんだ バイバイ 君は言う 「もったいないね」と微笑む バイバイ ピアスが揺れる
不確かな衝動は 触れるか触れないかの瞬間 白熱灯が瞬きするように すり抜けた ポケットに幾らかの小銭と 少しの罪悪感を抱いて 約束のない逢瀬に向かう 日々 全てにおいて平等で 愛おしいほど残酷で 完成された営業スマイル ほつれた襟足の眩しさばかりが瞼に焼き付いた 棺を埋め尽くす かすみ草で 感情を弔って 横たわる僕は獣 立ち尽くす僕は幽霊 煌々と光る摩天楼に吸い寄せられて 何度も、何度も 心のない会話を無機質に繰り返す いつかその魂が還る場所があるのなら 悲劇