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過去からの贈り物とにじみ絵の巻

 今回の絵画造形教室のお題は「水彩絵の具で想像画」でした。
与えられたキーワードは、癒し、ふんわり、リラックス、にじみ絵技法、抽象的な色彩を楽しむ絵・・・。思い浮かんだのは「いわさきちひろ」の世界でした。
早速1枚。

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Itotokiは小学生の頃、いわさきちひろを信奉しており、ちひろ調の絵を描きまくっていたのです(トップ画像の絵は10歳の頃の作、「若草物語」の四姉妹)。でも、小学生用の画材では、簡単ではなかった記憶があります。1時間半のレッスンでちひろ調は難しいので、却下。

もう1枚描いてみました。でも、あんまり癒され感はないなあ。

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このレッスンは、緊急非常事態宣言が明けてすぐのタイミング。課されたお題も、もしかしたら、今の状況を鑑みたものかも・・・。と、すると、あまり具体的なイメージは子どもたちの心の扉を無用に開きかねない・・・。考えすぎかもしれないけど。

そこで、絵の具のにじみに癒されるような、「にじみ絵」メインで試作することに。見るべきはにじみ絵の作例。シュタイナー教育のにじみ絵が有名です。

ちなみに、シュタイナーもいわさきちひろとほぼ同時期にハマっていて、家に転がっていたシュタイナー教育体験記などを読んだりしていました。もっとも、高い志があったわけではなく、勉強するのが嫌だったので、歌ったり踊ったり虹を描いたりしている間に、難しいこともわかるようになるなんて、なんて楽そうなんだろう!と憧れていただけです。

作例としてシュタイナー教育のにじみ絵を見るのは、感慨深いものがありました。
でも、深入り厳禁。過去の作品から学び、にじみ絵技法を使って仕上げる想像画を目指します。

試しに1枚。

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このような筆運びは、小学生には難しそう。既にいろんな物を知っていて、具体的なテーマを指し示されないと困惑するのは目に見えている。
図形を描いていくのでは?

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効果的に色が混じっているにじみの部分もあるけど、にじみが足りないような気がする。

○と△と□で、画面を埋めてみるのでは?

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まず、水を使って透明な○や△や□を描き、そこを水溶き絵の具の赤・黄・青の色を置いてみました。この動作によって、自然ににじみができました。この方法だと、○と△と□という制限がありながらも、各々自在に展開するものもありそう。

あとは、主題を設けてにじみ絵を描く方法も試してみました。

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ああ、そういえばもうすぐ蓮の季節だなあと思ってもう一枚。

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レッスン当日は、子どもたちが描き急がないように、ヨガインストラクターのように、静かな気持ちで〜、優しく〜、紙を擦らない〜、などと声かけしました。
それにしても、いわさきちひろ調からはじまり、シュタイナーにじみ絵にヒントを得た今回の試作は、子どもの頃の経験が存分に生かされていました。過去からの贈り物とも言えるかもしれません。10才の私へ。助けてくれてありがとう。


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