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オファー面談時にミッションレターというものをお渡ししている話

本記事はコネヒト Advent Calendar 2021の25日目のエントリーになります。

はじめに

メリークリスマス🎄
コネヒトという会社でCTOをやっている@itoshoです。

僕がCTOになってから注力していることのひとつにエンジニア採用があります。幸い、ここ数年でエンジニア組織は倍近くの大きさ(12人前後から24人前後の規模)になりました。

採用活動はこれまで様々な試行錯誤を重ねてきたのですが、その中でも今日は特に評判が良いオファー面談時に内定者の方へお渡ししている「ミッションレター」というものを紹介してみたいと思います。

前提

このエントリーを読んでくれた方の中で、今後コネヒトの選考受けてくださる方がいるかもしれないので、念のため補足しておきます。

このあと、オファー面談やミッションレターと呼ばれるものの説明を行いますが、あくまで2021年12月時点での内容になります。また、職種(本エントリーのスコープはソフトウェアエンジニア職の中途採用)や候補者のご状況によっても異なることがありますので、その前提でお読みいただければと思います。

コネヒトのオファー面談

まず、コネヒトでのオファー面談について簡単に説明すると、基本的にオファー面談は一通り面接が終了した後、内定を出させていただいた方と行っている面談になります。ですので、その名の通り「ぜひコネヒトに入社してください!」というオファーを正式にお伝えする場となっており、流れとしては以下のような3部構成で行っています。

  1.  オファーレターの説明

  2. ミッションレターの説明

  3. 質疑応答 + フリートーク

堅苦しい場にはしたくないので、システマチックに行っているわけではありませんが、最初に年収や入社時期などいわゆるハード面の条件をオファーレターという形で説明します。そして、この後取り上げるミッションレターについての説明を行った後、質疑応答や転職活動の状況、迷われている点などざっくばらんにお話する時間を設けています。

また、オファー面談に参加するのはエンジニアの場合、基本的にCTOである僕と採用担当になります。

ミッションレターとは何か?

では、ここからミッションレターについて、詳しく説明したいと思います。ミッションレターというのは、内定者の方に具体的にお願いしたい業務と期待(これをミッションと呼んでいます)を1ヶ月、3ヶ月、6ヶ月、12ヶ月の時間軸でまとめたものになります。

ちなみに、内容は全然違うのですが、北海道日本ハムファイターズがドラフト会議の後、大谷翔平選手を口説いた資料にインスパイアされているので、プレゼンテーション形式で行っています。

ミッションレターの目的

主たる目的はお互いのミスマッチを避けるためです。もちろん、カジュアル面談や面接時に業務内容や開発の様子などの説明は行っていますが、選考という短い時間軸の中では充分に伝わりきらないリスクがあります。

例えば「バックエンドの開発をお願いしたい」という内容だけでは、インフラ業務をやるのか分かりませんし、フロントエンドの開発はやれないのかな?といった疑問が出てくるかもしれません。入社前に疑問が湧き、それをクリアにできていれば問題ないですが、入社後に「想像していた業務と違う!」となるのはお互い不幸です。

また、具体の業務内容は明らかになっていたとしても、会社側がどういう期待値を持っているのかは不明瞭です。チームをリードして欲しいのか、それがどの程度の時間軸なのかは業務内容だけでは読み取れないことが多いと思います。もちろん、提示年収や(入社時からあれば)役職から推測出来るかもしれませんが、それもお互いの前提や解釈にズレが生まれやすい部分だと考えています。

というようなリスクを少しでもなくすために、コネヒトではミッションレターという形式で、具体の業務と期待を入社前に伝えています。

なお、このミッションレターの記載されている内容は、必ずコミットすべきものではないことをこの場でお伝えしておきます。オファー面談時の段階で想像と違うなと思った場合はもちろん、入社後もオンボーディング期間はこのミッションレターの内容を積極的に活用するのですが、必要に応じてチューニング可能なものとなっています。ですので、あくまで現時点の羅針盤であり、入社後のガッカリをなくすためのものとして扱っています。

ちなみに、これは副次的ではありますが解像度の高いミッションを入社前にお渡しすることで、ワクワクも感じてもらえると嬉しいなと思いながら作成しています。

ミッションレターチラ見せ!

「じゃあ、具体的にどんなことが書いてあるの?」というのが気になると思いますので、今回特別に(?)ミッションレターの一部をチラ見せします。

なお、チラ見せするミッションレターは、架空のバックエンドエンジニアを想定したものなので、これまで実際にお渡ししたものとは異なります。ただし、フォーマットや内容の粒度感は同じですので、参考になる部分もあるかなと思います。

ミッションレターのサマリスライド

まず、こんな感じで1年間の期待値のサマリが書かれています。その上で、1ヶ月、3ヶ月、6ヶ月、12ヶ月それぞれの期待値の詳細を説明しています。例えば、3ヶ月のスライドはこんな感じになっています。

3ヶ月のミッション

フォーマットとしては、一番上にサマリがあり、その下にサマリを具体化したミッションが記載されています。つまり「チームにポジティブな刺激を与えるっていうのはこういうことですよ」という具体の業務内容や期待値を列挙しています。

具体のミッションは業務貢献と組織貢献の2軸で書かれています。業務貢献ではいわゆるTHE・エンジニア的な開発面での期待値を、組織貢献ではカルチャーやバリューの理解 / 体現など開発に閉じない視点でのミッションを記載しています。コネヒトの場合、エンジニアとしてのバリューを出すことに加え、チームや組織で成果を出すことがユーザーへの提供価値の最大化に繋がると考えているため、開発以外の内容も併記しています。

そして、一番下はこのミッションの達成に向けて、僕たち会社側がサポートすることが書かれており、コネヒトの特徴や強み、社内制度などを記載することが多いです。ミッションは一方的に押し付けるものではなく、このミッションを達成することが内定者の方にとっても、会社にとってもハッピーなことだと考えているので、僕たちのコミットメントも明示しています。

ミッションレターの効能

オファー面談を受けてくれた方から「入社後のイメージが湧いた」とか「安心して入社できる」といったようなポジティブなフィードバックをいただくことはかなり増えたと感じています。内定承諾率に関してもここ数年安定して数値は向上してきています。もちろん、内定承諾率は変数が多いのでミッションレターそのものの成果を厳密に評価することは難しいですし、逆にミッションレターを提示することで内定を辞退されることもあるかもしれませんが、ミスマッチを事前に防げたのであれば、良いことだと考えています。

また、僕自身の効用としては、内定を出すか出さないかを検討する際(これは候補者の方のスキル云々ではなく、会社の様々な状況を踏まえて採用したほうがお互いにとってベターかという意味です)に、ミッションレターを書けるかどうかという思考ができるようになり、これにより意思決定の質も上がったように感じています。

おわりに

ここまでミッションレターの概要とその目的や中身、効能を説明してきました。ミッションレターはオーダーメイドでひとりひとりに作成しているものなので、正直とても時間と労力はかかります。

ただ、転職というのはその人の人生の一大イベントだと思いますし、もしコネヒトに入社してくれた場合、1日の決して短くない時間をコネヒト(とその先にいるユーザー)のために使ってくれることを思うと、後悔のない意思決定ができるよう、コネヒトに入ってよかったと思えるよう、可能な限り入社後のイメージをお伝えしたいと考え、このような運用を行っています。

ちなみに、ミッションレターは僕だけで発明したものではなく、昔から人事が作成していたものをベースにしたり、他のマネージャー陣のオファー面談のやり方を参考にしながらカイゼンを重ねてきたものになります。冒頭にも述べたようにここ数年でエンジニア組織は大きくなりましたが、これは僕の成果ではなく、みんなの協力や支えがあってこその結果なので、本当にありがたいなぁと思っています。

というわけで、今後もエンジニアはどんどん採用していきたいので、引き続きより良い採用が出来るよう頑張っていきたいと思います!

それではみなさまよいお年を。

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