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わが子を「叱らない」でもよくなるために、心理学者アドラーの教え

親(時には子どもの周辺の地域の大人)は、子供の自立に必要な支援をすることが子育てであると言われています。
子どもの将来を心配して「勉強しなさい」「あなたのためよ」と叱ることがたくさんあると思います。子どもを守るためにという気持ちが強すぎて、勉強だけでなく、子どものやることに口出し、手出ししてしまう。そのことで、子どもを追い詰めたり、子どもの自立を妨げことになることもあります。

「ヨコの関係」で「人間扱い」
心理学者アドラーは、次のように子どもも含めてあらゆる人との「ヨコの関係」で「相互に信頼」することが、より良い人間関係のために必要と言っています。(詳しくはもう少し段階があるので、関心のある人は末に記載した参考文献などを見てください)
・あらゆる「縦の関係」を否定し、すべての対人関係を「ヨコの関係」とすることを提唱している。
・「ほめること」「叱ること」の背後にある上下関係、縦の関係を象徴し、そこには感謝も尊敬も存在しない。「同じではないけど対等」すなわち横(ヨコ)の関係が重要。
・子どもを一人前の大人扱いするのではなく、子ども扱いするのでもなく、「人間扱い」する。自分と同じひとりの人間として、真摯に向かい合うのが良い。

『子どもは親に保護されるのであるから親子の関係は上下関係だ』、と思われる方がほとんどでしょう。しかし、子どもを支配するような関係性では、親から自立できない子どもになってしまうことがあります。親子関係の中で必要なのは、相互に信頼しあう「ヨコの関係」なのです。

「ほめること」より「勇気づけること」
『上下関係が良くなくて「ほめること」を否定するなんておかしい』、『「ほめて伸ばす」って良く言うじゃないですか』、とお思いになった方も多いと思います。私も最初はそうお思いました。
アドラーは、結果に注目して「ほめる」のでは、成功したときは良いですが、失敗した時はほめられなくなり、次第に失敗しそうなことには挑戦しなくなってしまう、と書いてます。ですので、子どもに「今、どんな気持ちなの」とか「頑張ったね、お母さんもとても嬉しいよ」といったふうに気持ちに共感してあげる。このことが「勇気づけること」です。子どもはほめられたときよりも、挑戦することに喜びを感じるようになるでしょう。是非とも試してみてください。

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「いとま」は、子どもの穏やかな見守りと力を抜いた応援ができる地域を目指し、子どもを理解する大人を増やしたいと活動しています。地域のさまざまな方との交流や書籍等から関心を持つようになったことを少しずつ紹介していきます。専門知識のない素人ですが、このような考え方があることをみなさんに知ってもらう糸口になれば、嬉しいです。感想やご意見をお待ちしています。
参考文献:嫌われる勇気-「アドラー」の教え-、岸見一郎・古賀史健

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