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父子車中泊釣り旅〜赤い魚を釣りにいく

突然ですが、赤い魚がブームです。

赤い魚はいい。なんといっても大体の種類が美味しい。大抵の海の足元で釣れる、そして小さくても引きが強い。そして目がつぶらでかわいい。ちなみにここで言う赤い魚は根魚たちのことです。

そんないいところだらけの赤い魚たちを、息子くんと初めての男二人車中泊で釣りに行ってきました。

男二人車中泊釣り旅へ

10月のとある週末、5歳になる息子くんと二人でちょっと遠くの海まで車中泊釣り旅に出かけました。目的は彼が好きな「赤い魚」を釣ることです。

俺たちの基地に乗り込む

「赤い魚」とは、まあ、カサゴのことで、一度カサゴを釣って以来、彼はカサゴのことを「赤い魚」と呼んでいたく気に入り、2023年釣りたい魚ランキング不動の1位となり、ふたたび赤い魚を釣る日を夢見ていたのです。

向かったのは三重県南伊勢~熊野の海。岩礁帯が多く、堤防からきびなごをつけた針を足元に落とすだけで、赤い魚がたくさん釣れる富んだ海です。
初日はあいにく風が強く、車でラーメンを作ってすすったり、UNOをしたり、漁港を探検したり、猫と遊んだりしてまったり。二日間あるので心に余裕がある二人です。

ちなみに奥さんに持たせてもらった二日分のお菓子は1日目にして食べ尽くしました。

夜明けの漁港が好きだ

一夜明けると風はやみ、穏やかな秋晴れ。こじんまりとした家が立ち並ぶ漁港の雰囲気が大好きです。どこかの煙突から煙が立ち上り、一日の始まりを知らせています。漁師さんの船も暗いうちから出船して行きました

結構な大物がかかりリールをゴリ巻き

早速二人で、胴付仕掛けにきびなごをつけて足元にぽちゃんと落とします。竿先に鈴をつけてしばらく待っていると、「リリン!」と鈴の音が鳴り、竿先がググッと引っ張られている!

「竿!」と自分が叫ぶのと息子くんが竿に飛びつくのはほぼ同時でした。根魚はもたもたしているとすぐに岩の間に潜って出てこなくなります。かかったら一気にゴリ巻きすることが肝要です。

釣れたのは立派なユカタハタ

釣れたのはカサゴではなく、立派なユカタハタでした。カサゴではないですが、根魚全般を「赤い魚」と呼んで愛でている私たち親子にはしょっぱなから吉報です。

よく釣った。父ちゃんの負けだ

彼がユカタハタを釣るのは2度目なのでクールな表情を装ってはいますが、おそらく彼史上最大の魚でテンション爆上がりだったはず。

美しくて毒トゲがあるミノカサゴ

続いて釣れたのは、ミノカサゴ。観賞魚としてもおなじみのきれいな魚ですがひれに毒があるので要注意。三重県ではあわてて触ると危ないことから「マテシバシ」という呼び名もあります。いつも思うけれど、魚の名前って結構適当につけられているなあ。

ちなみにミノカサゴは毒のあるひれさえチョッキンすれば大変美味しい魚なので、ひれをつんつるてんに切って持ち帰りました。

赤い魚祭りとなった1日

みんな赤い

その後も、コンスタントに赤い魚(根魚)たちが釣れて、赤い魚祭りとなりました。赤い魚たちは釣られたあと、一様に驚いたような大口を開けて目をまん丸に見開いています。まさか自分が釣られるなんて!と呆気に取られたような表情もまた、赤い魚たちが愛される所以でしょう。

持ち帰られた赤い魚軍団。左下に茶色いエソがまぎれてますが

一日でこれだけの種類の赤い魚が釣れたのは初めてかもしれません。しかもすべて息子くんが釣りました。なぜなら私は、絡んだ仕掛けをほどいたり、ちぎれた仕掛けを結び直したり、餌を付けてあげたりと、釣り堀の管理人なみに忙しく、全く自分が釣りをする時間がなかったからです。

ファミリーフィッシングと書いて、利他の精神と読む。自分も釣りたいなどという雑念は捨てて、ひたすら人様に釣って喜んでいただく。自己の欲を消すことが肝要です。

では、赤い魚軍団のメンバー紹介をします。

カサゴ。元祖赤い魚。赤い魚ブームは彼から始まった。
小さいカサゴは丸ごと唐揚げがおすすめ。頭からバリバリ食べると史上最美味王者
ひれを全部カットされて丸坊主のミノカサゴ。とてもきれいな魚です。そして美味しいです。そしてよく引く(息子談)らしく、釣りたい魚ナンバー1へと昇りつめました
ユカタハタ。沖縄のほうで釣れる超高級魚スジアラ(ミーバイ)に似ていますが、三重県で釣れるなんておかしいと思って調べたところ、おそらくユカタハタかと思います。30センチぐらい。
アカハタ。名前の通り赤いハタ。とても美しく、とても美味しい魚。中華風蒸し魚「青蒸(チンジャオ)」にも用いられる魚です。ちょっと小ぶりでした。
これは自分は見たことがなかった魚。ネットで調べてもなかなか分からなかったですが、おそらくイットウダイという魚だと思われます

以上、赤い魚のメンバー紹介でした。どの子も刺身良し、煮て良し、揚げて良しの美味魚。早速美味しくいただいてまいります。いざ。

赤い魚の唐揚げ&プチ鍋

左上からアカハタ、イットウダイ、カサゴ、右上からユカタハタ、ミノカサゴ

赤い魚たちを三枚におろして調理しやすくします。小さいカサゴだけは丸ごと揚げたいので、ウロコと内臓をとっただけです。

3種の根魚の唐揚げ盛り

まずはオーソドックスな唐揚げ。ミニカサゴは背びれの両側に包丁を入れて食べやすくして丸揚げにします。低温で揚げるとヒレも尻尾もパリパリ丸ごと食べられます。「うめーうめー」とむせび泣くこと間違いなしです。

左の赤い皮の唐揚げはユカタハタ。これもホクホクで最高です。右下は初めましてのイットウダイ。こちらは熱を通すと少し身が締まり、鶏肉っぽく噛み応えのある触感でした。

イットウダイの鎧

ちなみにイットウダイはウロコと皮がとてつもなく硬いです。まるで鎧です。カッチカチです。調べるとそのウロコの硬さから「一等兵なみの魚」的な由来でイットウダイと呼ばれているそう。だから名前の付け方の適当さよ・・・。

アラで出汁をとる

唐揚げ用の身をとったあとのアラからは良い出汁がでますので、ぜひ使いたいものです。

アラ出汁アカハタ鍋

アラからとった出汁にアカハタと白菜を放り込み、ナンプラーやみりんで味を調えてアカハタ鍋?アカハタスープ?の完成。アカハタは熱を通しても全く身が固くならずフッワフワなので上品なお鍋にぴったりです。

ミノカサゴの炙りと、エソ竹輪

毒ヒレをもつ恐ろしい魚ミノカサゴも、ヒレを切れば残るは透き通るような美しい白身。まじまじと眺めているうちに刺身で食べたくなり、皮も美しかったので炙りにしてみました。結果大成功。炙った皮のジュワジュワ脂が加わり、その美味しさは4乗ぐらいに跳ね上がったと思います。

チーム赤い魚に入れなかった「エソ」

エソはその凶悪な顔や鋭い歯、小骨の多い食べにくさなどから釣りの「外道」としておなじみです。彼はチーム外道なので赤い魚ではありません。後日竹輪にして食べました。エソ竹輪、ありです。冬のおでんの練り物としてどうぞ。

というわけで、2日にわたる父子赤い魚捕獲ツアーは盛況のうちに幕を閉じました。11月にも車中泊釣り旅第2弾を敢行しましたが、その時はちょっと口では言えないようなものが釣れたり、知らない漁村で迷子になったり、入り口に慰霊塔のある暗くて長い歩行者トンネルを父子でビクビクしながら通り抜けたり、まるで映画スタンドバイミーのような小さな冒険にあふれた旅となりました。

ルアーで大物を狙う一人釣りもいいけれど、最近は息子くんと行く釣り旅が楽しいです。

ちなみに余ったアラスープは翌日アラフォーにしました。


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