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公開模試を受ける回数について

みなさん、こんにちは。伊藤塾司法書士試験科講師の高橋智宏です。

今回は、公開模試を受ける回数についての私の考えを示したいと思います。

【1】結論(概要)

受験生によって現状や弱点も異なるので一概には言えませんが、あえて私の考えを示すと、概要は次の通りです。

基本的に、伊藤塾の全国公開模擬試験の2回+プレ模試1回の計3回でOK(最低限、全国公開模擬試験の2回)

【2】公開模試を受ける目的

なぜ上記の結論に至るのか、という話をする前に、公開模試を受ける目的について確認をしておきましょう。

そもそも、公開模試を受ける目的は、大きく分けて次の3つです。

①本試験のシミュレーション
②自身の弱点の把握
③直前期における学習バランスの見直し

【3】結論の考察

上記の目的から考えると、

①「本試験のシミュレーション」に関しては、試験当日の過ごし方や試験戦術等のシミュレーションを行う必要がありますが、これは2-3回行えば十分といえます。

②「自身の弱点の把握」に関しては、3回模試を受ければ大部分の分野・試験形式の問題に当たることができます。

答練を受けている方であれば模試以上に網羅的な演習ができているため、それだけで②はクリアできていると言ってよいでしょう

③「直前期における学習バランスの見直し」に関しては、プレ模試の3月、第1回全国公開模擬試験の5月、第2回全国公開模擬試験の6月に模試を受ければ、学習バランスを定期的に見直すことができます。

このように、全国公開模擬試験2回とプレ模試1回の計3回を受ければ、公開模試を受ける目的はいずれも達成することができるのです。

【4】他の受験指導校の公開模試を合わせて受講するメリット・デメリット

カウンセリングで上記の話をすると「他の受験指導校の公開模試も併せて受けてはいけないのですか?」という質問をよくいただきますが、その選択肢を否定するわけではありません。

本試験も公開模試もそうですが、問題には作問者の癖が出るものです。いつも利用している受験指導校の作問者の癖に慣れすぎていると、本試験の作問者の癖とのギャップに対応しにくくなってしまうこともあります。

ですから、複数の受験指導校の模試を受けて、いつも利用している受験指導校の作問者とは違った作問者が作った問題を解くのにも、一定の効果があります。これが他の受験指導校の公開模試を併せて受けるメリットといえるでしょう。

特に過去に答練・模試と本試験の点数に乖離があった方は、特にこの点のケアが必要ということになります。

しかし、公開模試を受けるからには、復習の時間も確保する必要があります。公開模試を受けると、その公開模試当日を含めた1~2日分、普段の学習を行うことができません。そして、模試を受ける回数が多くなるにつれてその負担は大きくなります。これが他の受験指導校の模試を併せて受けるデメリットといえるでしょう。

以上の点を考慮すると、「作問者の癖」云々の問題ではなく、そもそも自身の知識の量・精度が不足しているため、点数が(推定)基準点に届かないという方は、やたらと公開模試を受講するよりも、公開模試の受講回数は抑えて、普段の学習に時間を割く方がよい場合もあるといえるでしょう。

【5】総括(詳細)

冒頭で述べた概要をより詳細にまとめると、次の通りです。

⬛︎答練・模試で基準点周辺に満たない方➡伊藤塾の模試を3回受ける

⬛︎答練・模試で基準点周辺に達しており、過去に答練・模試と本試験の点数の乖離を経験したことがある方➡「伊藤塾の公開模試を3回受ける」or「複数の受験指導校の模試を受ける」

※後者に当たる方であっても、複数の受験指導校の模試を受けることが必須であるわけではありません。近年の合格者は伊藤塾の模試しか受けていないという方も多く、このような合格者の存在がその裏付けになっています。

【6】最後に

今回は公開模試を受ける回数についての私の考えをお話ししました。

上記で述べたことはあくまで目安であり、公開模試を受けるべき回数は人によって異なります。公開模試の回数に関して悩んでいる方は、カウンセリングを通して講師に相談してみるとよいでしょう。

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