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知識のドーナツ化現象を防ぐ~直前期後半の心得~

みなさん、こんにちは。伊藤塾司法書士試験科講師の髙橋智宏です。

今回は,直前期後半(5月下旬以降)の学習で気を付けておきたいポイントについてお話ししていきます。

【1】知識のドーナツ化現象とは

これからの直前期の学習で注意したいのが,「知識のドーナツ化現象(基礎知識の空洞化)」です(下図参照)。

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すなわち,外側に位置づけられる発展知識の習得に目を向けるあまり,内側に位置づけられる基礎知識がおろそかになってしまえば本末転倒であり,上乗せ点はおろか,基準点に到達することもできなくなってしまいます。

このような知識のドーナツ化現象を防ぐためには,「①発展知識を追いかけすぎないこと」と「②基礎知識のメンテナンスをすること」が必要です。

【2】発展知識を追いかけすぎない

直前期では,公開模試などで,これまで手を付けてこなかった知らない知識が出題されると,不安になってしまい,手を出しがちです。その結果,基礎知識の確認にかけるべき労力が削がれてしまい,基礎知識が抜けてしまうおそれがあります。

また,直前期後半から発展知識に手を出しても,残された期間が少ないため,繰り返しをすることができず,結局その知識が定着しない可能性が高いです。

そのため,特に直前期後半では,発展知識を追いかけすぎず,これまで繰り返してきた知識の精度を上げることに専念しましょう。

【3】基礎知識のメンテナンスをする

直前期の学習では,過去問・答練で正解できた箇所,又はテキストの中でも定着した箇所は除外して学習し,不正解だった箇所・定着していない箇所を重点的に学習する方が多いです。

しかし,この場合,大丈夫だと思って学習対象から外した知識も,意外と前から時間が経つと忘れてしまうリスクが高くなります(特に4月の段階で学習対象から外した知識は,その可能性が高い)。

そのため,基礎知識のメンテナンスとして,これまで学習対象から外していたAランクの知識に関しても,6月には一通り触れておくことをお勧めします。具体的には,これまで飛ばしていたような基本的な過去問も含めて一通り解いたり,これまで読み飛ばしていたテキストの基本的な箇所も含めて通読したりするとよいでしょう。

時期としては,これを6月第1週~第3週に取り組むのがお勧めです(第4週以降は最後の詰め込みに充てる)。


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