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令和3年度認定考査を終えて

令和3年度認定考査を受験された皆さま、お疲れさまでした!
前年に司法書士試験を突破して今年の認定考査を受験された方は、例年に無い苦労の連続となりましたね。
そんな中、認定考査に向けた勉強をすることは本当に大変だったと思います。
お疲れ様でした。

試験の内容として率直に受けた印象を書き記すと…
① 記載量が…多すぎません?
② 第2問含め、新しい切り口での出題が目立つな
③ 検討量・記載量は多いし、新しい出題は目立つが、全体的に解答は埋められるな

という感じです。

さて、記載量が多いのは近年の傾向でしたから、覚悟の上、という感じだったかと思いますが、それでも過去最多の記載量になるのではないか?というぐらい、書く分量は多かったと思います。
いわゆる「建明け」の事案というだけで請求原因の記載量が多いわけですが、更新拒絶と無断転貸解除という、2つの請求原因を立てなければならず、さらには
「更新拒絶の正当事由の評価根拠事実」とそれに対する「評価障害事実」、
「背信性不存在の抗弁」の評価根拠事実とそれに対する「評価障害事実」、

といった具合に、これまた記載量が膨らむ要素が重なっています

さらにこれに続く第2問…
第1問とは全く関連しない事例が示されての甲絵画引渡請求事件。
即時取得の要件事実的理解を図るために出題された第2問ですが、第1問とは全く関連しないという斬新な出題、そして「要件事実を整理した理由を、実体法上の要件との関係に言及しつつ」という新しい切り口に、現場における負担感は相当なものだったと推測します

恐らく、認定考査第1回から比べると今年の解答量は3.5倍ほどあり、言い分量はそれほど多くは無かったものの、検討に要する時間もそれなりに必要だったと思います。殆どの受験生が2時間いっぱい使ったのではないでしょうか。

しかし、全体的に聞かれていることは、超難解な論点というわけではなく
未出であった「更新拒絶」を前提とする「建明け」も、これまた未出であった「即時取得」も、「認定司法書士への道~入門編~」にしっかり盛り込まれていました。
未出論点以外は、過去問プラスアルファの応用問題が殆どでしたから、「認定司法書士への道~実践編~」に取り組んでくださった受験生であれば全体的に解答は埋まっただろうと想像しています。

必要な対策を講じていけば、認定考査は怖くない!

直近の高い水準での合格率は、おそらく今年も維持されるのではないと思います。

認定考査を突破できれば、これで本当に「受験生活」からの卒業ですね。
これからは、実務で直面する難題を解決するために勉強時間を費やせます。
長い受験生活、本当にお疲れ様でした!

伊藤塾専任講師 坂本龍治

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