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高橋智宏の"合格"道しるべ

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効率的な学習方法のアドバイスなど,司法書士試験合格のための道しるべを示していきます。 ■Twitter講師アカウント https://twitter.com/syoshi_taka
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2020年11月の記事一覧

午後択一式のスピードアップを!②

今回は,前回の続編として,前回で説明しきれなかった午後択一式のスピードアップ対策についてアドバイスをしていきたいと思います。(前回の記事は以下のリンクからご覧ください)。 【1】 「△」を上手く使う本試験における学習戦術としては,問題を解く際に肢の横に書き込む「△(解答保留)」を積極的に活用することが非常に大切です。 本来,自信のある知識で判断できる肢があり,正解を導くことができるはずであっても,知らない知識で自信がない肢にも「○」「×」を付け,自信のある知識と同価値の評

午後択一式のスピードアップを!①

午後択一式の解答時間の一般的な目安は「60分(長くて70分)」ですが,この時間内に午後択一式の問題が解き終わらなくて,記述式に時間がかけられないという悩みを多くの受験生が抱えています。 そこで,今回は午後択一式のスピードアップ対策についてお話します。 【1】根本的かつ効果的な対策「肢の組合せを駆使して,解答に必要な限度の肢のみを検討する」,「登記記録問題などの特殊な形式の問題は一旦後回しにする」などの対策はよく言われることですが,私が根本的かつ効果的であると考えるのは,「

特別講義編「組合契約」

今回は特別講義編として,「民法:組合契約」を取り扱います。 【1】 意 義 組合契約とは,各当事者が出資をして共同の事業を営む契約をいう(667条1項)。 【2】 特殊性  ⑴ 他の組合員の債務不履行 組合契約には,同時履行の抗弁権及び危険負担の規定が適用されない≪確認問題①≫(667条の2第1項)。組合は契約ではあるものの社団に類似した関係という特殊性があるからである。  ⑵ 他の組合員の一人についての意思表示の無効等 組合員の一人について意思表示の無効又は取消しの原

付箋活用法~穴をなくす勉強を~

みなさん,こんにちは。伊藤塾司法書士試験科講師の髙橋智宏です。今回はテキスト・過去問等に取り組む際の付箋の活用法についてお話しします。 【1】穴をなくす勉強司法書士試験の学習(特に直前期)において大事なのが,「穴をなくす勉強」です。 「みんなのできる問題を確実にとっていく」のが司法書士試験の鉄則でありますが,これは,「みんなができる問題を失点すると致命傷になる」ということを意味します。だからこそ,手持ちの基礎知識の抜け(穴)をなくし,最終的には穴がすべてなくなっている状態

『高橋智宏の"合格"道しるべ 』記事まとめ

『高橋智宏の"合格"道しるべ 』の記事を体系別にまとめました。このコーナーでは,効率的な学習方法のアドバイスなど,司法書士試験合格のための道しるべを示していきます。 【1】テキスト・過去問・答練【2】総 論【3】公開模試【4】科目別対策【5】記述式【6】解 法【7】メンタル【8】法改正【9】特別講義編【10】令和3年度本試験【11】令和2年度本試験【12】口述試験対策【13】講座紹介【14】担当講座【15】Twitter講師アカウント

特別講義編「第三者のためにする契約」

今回は特別講義編として,「民法:第三者のためにする契約」を取り扱います。 【1】 意 義第三者のためにする契約とは,契約当事者の一方が第三者に直接に債務を負担することを約する契約をいう(537~539条)。契約から利益を“受”ける第三者を「受益者」,受益者が利益を受ける契約の成立を“要”求する者を「要約者」,要約者の要求により受益者に債務を負担することを承“諾”する者を「諾約者」という。 〔具体例〕 A(要約者)がB(諾約者)からB所有の車を買い,Bが車をC(受益者)に引

司法書士試験が苦行に思えたら~「がさつ力」を身に付ける~

みなさん,こんにちは。伊藤塾司法書士試験科講師の髙橋智宏です。 今回は司法書士試験の学習における心構えについてお話しします。 【1】「合格者」像に対する誤解「合格者は正確な知識を持って確実に判断している」という話はよくされるわけですが、これが誤解されているように感じることが多々あります。すなわち、「合格者は(細かい箇所まで完璧に網羅した)確実な知識を持って確実に判断している」と思われてしまうこともあるようですが、実はそんなことはありません。 実際に、筆記試験の合格発表後

法律学習のコツ

みなさん,こんにちは。伊藤塾司法書士試験科講師の髙橋智宏です。 今回は,司法書士試験の全科目,そして法律の資格試験に共通する法律学習のコツについてお話します。 【1】 体系を把握する 知識は羅列的に覚えても忘れやすいため,常に全体の構造,すなわち体系を把握することが重要です。そのため,細かい部分を学習する際にも,現在どこを学習しているかを常に意識して,全体の中のどの部分を学習しているのかを把握して学習するのが効果的です。 また,体系を把握する勉強法としてお勧めなのが,目

自宅学習のコツ

みなさん,こんにちは。伊藤塾司法書士試験科講師の髙橋智宏です。 今回は、自宅で勉強するときのコツを紹介していきます。今回紹介するアドバイスは人によって合う合わないがあると思いますが,みなさんの学習効率の向上に少しでもお役に立てば幸いです。 【1】休憩は時間を決めてとる 勉強で集中力を持続させるためには休憩を取ることが大事ですが,そこで動画サイトやニュースサイトを際限なく見たりしてダラダラ休んでしまうと,勉強に戻りにくくなります。そのため,休憩を取るときは時間を決めて取るよ

スケジュールの立て方のコツ~マーキング計画法~

みなさん,こんにちは。伊藤塾司法書士試験科講師の髙橋智宏です。 今回はスケジュールの立て方のコツについてお話しします。 【1】スケジュールは緻密であれば良いのか司法書士試験に合格するためには膨大な量の試験範囲をこなす必要があるので,どのようなスケジュールで学習するかを決めておくのは非常に重要です。 しかし,試験範囲が膨大であるがゆえにスケジュールの組み立てで失敗してしまう方も見られます。そのような方は,「スケジュールは緻密であればあるほど学習効率が高い」と思いがちですが

講義は巻き戻さない、繰り返さない

入門生・中上級生問わず、インターネット受講生の方で、よくカウンセリングの際に相談をいただくのが、「講義の配信ペースに追いつけない、復習が追いつかない」というものです。 【1】講義の配信ペースに追いつけなくなる理由そういった悩みを抱える方によくある傾向が「講義を止めて、巻き戻している」、あるいは、「一通り講義を視聴した後に繰り返し聴いている」といったものです。そのため、1時間の講義を視聴するのに2時間かかってしまうというケースも見られます。 確かに、講義を聴いていて分からな

「覚えることを減らす」という発想

【1】 知識の詰め込みでは点数が伸びない 司法書士試験は、記憶すべき知識量の多さが特徴であり、何かと覚えることが多い試験です。しかし、だからといって単に知識を詰め込んで繰り返しても点数は伸びないものです。そこで大事になるのが「覚えることを減らす」という発想です。 すなわち、あらゆる知識を頭に叩き込もうとするのではなく、覚えることを減らすことによって記憶の負担を軽減させることで、知識を吸収できる幅を広げることが大事です。 【2】 制度趣旨の真価 そして、この発想のカギとなる

択一登記法を徹底強化する~2021年合格目標 択一登記法集中演習講座~

みなさん,こんにちは。伊藤塾司法書士試験科講師の髙橋智宏です。 今回は私の担当する中上級講座「2021年合格目標 択一登記法集中演習講座」のリリースに伴い,択一登記法の学習方法についてお話していきたいと思います。 【1】 択一登記法の重要性 今年に限らず,近年のカウンセリングでは,択一式の登記法に課題意識を抱える方からの相談を非常に多くいただきます。 択一式の登記法(不動産登記法・商業登記法)は,午後の部の択一式の68%(24/35問)の得点割合を占めているため,これを

択一式の過去問学習のコツ

みなさん,こんにちは。伊藤塾司法書士試験科講師の髙橋智宏です。 今回は,多くの受験生が取り組んでいる択一式の過去問を活用した学習のコツについてお話します(主に,テキストの読み込みを並行して行う方を想定したアドバイスになっています)。 具体的なアドバイスにするため,時間数などを挙げていますが,こちらはあくまで目安として捉えてください。 【1】なぜ正しいのか,誤りなのかを確認する過去問に取り組む際に最も注意すべきなのが,単に○や×を付ける作業に陥らないようにすることです。根