いつのまにか3歳。
「ずっと自分のお腹にいた人が、今目の前で生活してるってどんな感じ?」
夫はときどき小学生みたいな疑問を投げかけてくる。
どんな感じ? と言われても……ねぇ?
不思議な感じ、かな。(語彙力)
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10か月くらい私のお腹の中にいて、予定日よりも1週間早くぽっこり出てきた娘。
新生児の、あの頃。
あの、地球外生命体的な佇まいは、私にとってとにかく神秘的で、同じ人間とは思えなかった。
が、今やふっつーーーに「ねぇなんか食べたい。なにある?」だの「パンがいい!」だの「おなら出ちゃった///」だの言う。
完全に地球人。
令和の子どもよろしく、いつのまにかYoutube の「広告をスキップ」ボタンを連打する技も覚えていたし、
しまじろうとかいう子虎の影響で、いつのまにか私の呼び名が「ママ」から「おかあさん」になっていたし、
50cmもない、2940gのちいさなちいさな生き物は、いつのまにか95cm、14kgに成長していた。
けれども笑顔や寝顔や泣き顔や、泣き声の特徴は、あの頃のまま。
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娘の誕生日プレゼントを買いに家族で出かけた。
夫の仕事柄、こういう形で時間を共有することが少ない我が家。
そのせいか、3人で外出する日の娘の顔は、一段と生き生きして見える。
「おとうさんはこっち、おかあさんはこっち!」とバス停までのたった数十メートルの距離でさえ手を繋ごうとする必死さが微笑ましい。
3人で手を繋いで歩くとき、最近娘は決まって「ぴょーんやりたい!」と言う。
いっせーのでっ、ぴょーん! って、ブランコみたいにするやつ。たぶん腕の力が付いてきた証拠。
あれ、地味に疲れるんだけど、実はひそかに憧れていた。
道端でぴょーんしている親子を見かけては、「いつか私もこの子とできるかな」と自分のお腹に手を当てたのを思い出す。
でも何歳になったらできるんだろうと思っていたけれど、3歳くらいなんだなぁ。3年、経ったんだなぁ。
やっぱり不思議な感じ。
いつのまにか成長した娘の姿を見て嬉しくなったり驚いたり、
もう一回ぴょーんやる!とひっきりなしに言う娘に対して「まじすかぁ……」と思いながらもリクエストに応えたりする。
いつの日かを思い出して心があたたまったり、
生まれてきてくれてありがとう、って心の底から感謝して、祝ったりする。
豊かさって、こういうことなのかもしれない。
きっと今年もまた笑って怒って悩みまくって情緒不安定MAXになっているうちに時間が過ぎて、
「いつのまにか4歳」とかそのようなことを言っている気がするけれど、
とにもかくにもこれから先も、豊かな時間を彼女と一緒に過ごせたら嬉しい。
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