いとバイ通信 2-20

いとバイ通信 2-20

【私のコロナ禍の社会学分析】

私の独断の分析を書いてみます。

「人口」
世界の人口は77億です。人口の世界一位は中国で13.93億(2018)で世界の18%を占めています。中国のひとりっ子政策で人口増加に急ブレーキがかかり、現在ではインドとほぼ同じ人口となっています。

「GDP(国内総生産)」
世界の国別GDP(2018)の1位は米国(20.54兆USドル)、2位は中国(13.61兆USドル)、3位は日本(4.97兆USドル)です。2028年には米国に変わって中国が1位になるだろうと予想されています。一人当たりのGDP(2018)では米国(7位65.25$)中国(69位10.52$)日本(25位40.25$)です。この経済力を頭においてコロナ禍に対する医療を検証する必要があります。

「医療体制」
コロナ禍で危機的状況にはなっているものの日本の国民皆保険制度は世界でも優れている制度だと言えるようです。米国の保険制度は国民がそれぞれ自分で民間の保険に加入することを基本としています。オバマケアーは皆保険を目指せる制度でしたがトランプによってその制度が危うくなっています。小さな政府を目指す共和党の政策では医療も個人が自分で用意することを原則としています。その政策は高収入の人たちには都合の良い制度で貧しい人々に対しては税金の支出を渋っているのです。

トランプ大統領のように新型コロナ感染症に対する理解能力が決定的に不足している場合、この病に対する誤ったメッセージを拡散させてしまいました。まだワクチンがなかった2020年では国民の三密、ソーシャルディスタンス、マスクなど一人一人が注意を払うことが求められていたのに科学的な根拠もなく警戒する必要がないことを宣伝しパフォーマンスしたのです。そのため米国は高度感染症対策機関があるにも関わらず世界一の感染者を出してしまいました。

私はこの大きな犠牲の何割かはトランプが引き起こした災いだと思います。この大きな犠牲を払った良い点はわずかな差ではありますが大統領が変わったことでしょう。

「米国の民主主義」
これまで世界の民主国家のリーダーは米国でした。自由主義と民主主義を標榜し世界の希望だと考えていた人たちは世界中にたくさんいたと思います。しかし現実はほんの一部の大金持ちがどこまでも富を独占していく社会となっていきました。その格差が限界に達しようとしていた時に天才詐欺師的セールスマンであるトランプが出現しました。

大統領選を「実現しようとする社会」を語ることや「自らの政策」の論争ではなく相手に対する低俗な中傷合戦に一変してしまったのです。低俗な中傷合戦になれていない候補者が落選することになりました。アメリカは大統領を民主的に選ぶのでその大統領がその時の国民の意思でもあると考え、思う存分政策が遂行できるように強大な権限を与えています。

この権力を自分のために駆使したのがトランプでした。民主主義はマスコミが自由にチェックすることでバランスが保たれますが根拠なく「フェイクニュース」だと恫喝しました。ツイッターも使い放題です。毎日トランプがニュースに取り上げられない日はありませんでした。トランプが言った内容が間違っていないかをチェックする機能は停止してしまったのです。トランプが次の大統領にならないことが確定したのちやっとトランプのアカウントが停止されたのでした。今の制度の中でも独裁は可能であることを我々は体験したのでした。

今後の危惧はSNSを企業の判断で中止することが許されるなら巨大な権力をSNSが持つ可能性も出てきました。今後は独立した公的機関で公正に判断するべきでしょう。これはメルケル首相が指摘しました。

「米国の現実」

「アメリカファースト」(白人や金持ちに偏った権利をアメリカファーストと称し世界へその政策を押し付けたためアメリカへの信頼が失墜しました)「国境の壁を建設する」(世界の移民の国なのに昔の欧州からの白人移民を中心としたアメリカを復活させようとした)「世界温暖化は嘘だ」(トランプはこの言葉を叫びパリ協定を脱退したがそれに代わるものは作らなかった、温暖化による気候変動現象による災害は多くあったが大統領発言が検証される動きはなかった)」「コロナは恐れることはない」(国民に対して科学に基づかない誤った勇気づけを行い世界一の感染者と死者を出した)「WHOを脱退し独自の機関をつくる(と言ったが脱退しただけだった)「北朝鮮との首脳会談」(結果として核ミサイル開発の時間的猶予を北朝鮮に与えた)「大統領選挙の不正を批判したが法廷では全て退けられたため大統領自身が扇動して国会へのテロを行った」(法制度や議会という民主制の根幹を尊重しない)このような大統領を支持する人々が国民の半数近く存在するというのがアメリカの大きな現実だと思います。我々は大統領が誤ったメッセージを発して一貫性のない支離滅裂で中途半端な無責任な道に進んだ場合それを修正していく力を発揮できないという現実を見た。それはそんな大統領が出ることを想定して作られた制度ではなかったからだと思う。

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