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美容師さんのようにヘアセットできないのはなぜ?その①【メンズ編】

操作イトウです。
今回は、スタイリングの仕方についてのお話。

美容師さんに切ってもらった直後はカッコいいのに、次の日に自分でセットしてみても、なんだか上手くいかない。
お客様からもよく聞く“あるある”なことですが、美容師さんと自分は何が違うの?

今回のお話は内容が濃くなったので、3話に分けています。
その①は、メンズ編。
と言いつつ、レディースのショートスタイルにも当てはまる内容になっています。

【レディース編】はコチラ↓

■なぜ、美容師さんはいつ見てもステキなのか?

美容師さんは、言わずもがな髪の毛のスペシャリスト。いつもお洒落でステキなヘアスタイルをしています。

ですが美容師さんにその秘訣を聞いてみると、意外とその場しのぎだったり、「チャチャっと済ませている」という回答が返ってくることが多いはずです。

もちろんプロの手捌きには違いがあり、また美容師さんはそれをほぼ無意識でできてしまうので、美容師本人は言語化するのが難しいことでもあります。

とはいえ美容師さんの仕事中は、ヘアスタイルが崩れやすい環境にあります。
作業中は上下左右に首を傾ける機会も多く、時間が経つと「コテで巻いたカールが緩くなる」「トップがぺちゃんとしてしまう」「クセが出てきてしまう」などの不都合は、皆さんと同じように起きているはずです。

▼崩れないヘアより、崩れてもカッコいいヘア

まず、基本的に美容師さんのヘアセットは「ベスポジはココ!」と固定するような作り方をしません。

例えば、美容師さんのインスタの写真や動画には、コームや手ぐしを通したりして、わざと髪を動かす場面も多くあります。
これはカット全体のバランスが整っていれば、その髪がどう動いてもカッコよく収まるからです。

つまり美容師さんは、作り手として「崩れないヘア」より「崩れてもカッコいいヘア」を意識しているのです。カツラのように風が吹いても微動だにしないヘアではなく、風に靡いている姿もカッコいいヘアを作っているのです。

つまり美容師さんは、時間が経って少し崩れてもいい形にスタイリングして1日を過ごしている、ということです。

インスタでよく見るワンシーン

■ドライヤーで乾かすのが最重要な3つの理由

スタイリングの説明をする時、美容師さんは口を揃えて「ドライヤーで乾かしてね」といった話をします。これには「濡れてる髪はダメージを負いやすい」「頭皮がかぶれないように」といった理由もありますが、それだけではありません。

ヘアセットにおいて「濡らして乾かす」ことは、とても重要なのです。

①寝グセ頭でカッコよくなるヘアスタイルは存在しない

まず前提として、どれだけ美容師さんの腕が良くても、“寝グセ頭でカッコよく”はなりません。また、寝グセ頭にスタイリング剤を付けても、寝グセを修正することはできません。

寝グセはしっかり濡らさないと元には戻らないので、「濡らして乾かす」ことは必然になります。ショートヘアは自然乾燥ですぐに乾いてしまうので、ドライヤーをかけない方が多いです。
ですが、美容師さんは忙しい朝でもドライヤーで髪を乾かしています。 

②ドライヤーで乾かすことが、ヘアスタイルの「土台作り」になる

髪の毛には「濡れた髪が、乾く時にクセが付く」特性があります。そのためドライヤーで乾かすと、ある程度「こうなって欲しい」ヘアスタイルにクセ付けすることができます。

これによって、「ボリュームが欲しい部分は膨らませる」「ボリュームがいらない部分は抑える」ことができます。つまりドライヤーで乾かすことが、ヘアスタイルの「土台作り」になっているのです。

美容師さんのスタイリングの上手さは、「土台作りが上手」と言って過言ではありません。

③ワックスは“サポート役”に過ぎない

美容師は「オススメのワックスは?」と聞かれる事も多いです。
ですが美容師側からすると、『〇〇のメーカーのコレ』とオススメすることよりも、付け方を覚えてもらう方が大切だったりします。

特にワックスは、髪が固くなって、固定されるイメージが強いです。
そのため勘違いしやすい部分ですが、ヘアスタイルはワックスで形を作っているわけではありません。あくまで「土台」によって形は作られ、変化します。

寝グセが直り、「土台」が作られた髪の毛にスタイリング剤を付けることで、ヘアスタイルはカッコよく、キレイになります。
つまり、スタイリング剤は“サポート役”に過ぎないのです。

スタイリング剤についてはコチラ↓

■美容師が意識している「崩れてもカッコいい」ポイントとは?

美容師さんは髪が伸びてきて扱いづらくなっても、ある程度カッコよくスタイリングすることができます。
これは【前から見た場合】【横から見た場合】の大事なポイントを押さえているからです。

詳しい理由はコチラ↓

【前から見た場合】ハチが張って見えない「トップのふんわり感」

前から見た場合のポイントは、「トップのふんわり感」です。
前から見た時に目立つのは「ハチ」です。「ハチ」とは、頭の上の方の両サイドの骨張っている部分のことです。ハチが張ると頭が四角く見えて、伸びた髪の毛もそのまま四角く、大きくなります。

ですが、トップのポイントがふんわり立ち上がる事でトップのフォルムが三角に変わり、ハチが目立たないようにすることができます。すると下の絵のように、右の方が頭がバランスよく見えるようになります。

【横から見た場合】絶壁に見えない「S字シルエット」

横から見た場合のポイントは、「S字シルエット」になることです。
いわゆる「絶壁」とは後頭部がペタンとしている状態ですが、絶壁だと頭は縦長になり、首が短く見えます。

ですが絶壁にならないように後頭部がふんわりすることで、バランスがよくなります。更に、首に向かってくびれて見えるようになると、首が長く見えるようになります。

■ドライヤーでの「土台作り」のポイントは、たった2つ

では、「崩れてもカッコいい」ポイントを踏まえた上で、ドライヤーでの「土台作り」をご紹介します。

先述した通り、髪の毛は「濡れた髪が乾いた時」にクセが付きます。言い換えると、乾いた髪にドライヤーを当ててもほとんど効果はありません。寝グセを直すことも含めて、必ず髪の毛を濡らしてから乾かしましょう。

気をつけるべきポイントは、たった2つです。

①トップを持ち上げて「ハチ」を抑える

一つ目は、てっぺんを片手で握りながら、根元にドライヤーの風を当てることです。すると、根元が立ち上がるクセが付き、「トップのふんわり感」を作ることができます。

そしてトップのフォルムが三角になるように、ハチを抑えて潰すようにして乾かすことも意識しましょう。
ポイントは、片手で握ることです。ドライヤーの風だけで根元を立ち上がらせると、不自然な立ち上がりになってしまいます。

②顔側は前に向け、後頭部側は後ろに向ける

二つ目は、「髪の毛流れ」の方向です。横から見た場合、耳を境目にして顔側は前に向け、後頭部側は後ろに向けるように意識して乾かしましょう。

これによって後頭部が自然にふんわり膨らみやすくなり、かつ首がくびれて見えやすくなり、S字のシルエットを作りやすくなります。

■ワックスの簡単な付け方は「スーパーサイヤ人」

ドライヤーで「土台作り」をしたら、次はスタイリング剤の出番です。
先程も『付け方を覚えてもらう方が大切』と言いましたが、ここでは一番簡単でカッコよくキマるワックスの付け方をご紹介します。

▼ワックスを指でつまんで付けるのは間違い

ワックスが人気になった当初はよく見る光景でしたが、ワックスを指でつまんで付けるのは間違いです。

つまむと“しっかりした”束感ができますが、ワックスが「付いている部分」と「付いていない部分」の違いがハッキリ見えてしまいます。これだと自然な束感には見えず、ヘアスタイルに違和感が出てしまいます。

①100円玉を目安に手に取る

ワックスの付ける量は、大体100円玉ぐらいを目安にしましょう。手に取ったワックスを手を合わせて軽く擦るようにすると、体温で温められて半透明になります。

温めながら、手のひら全体から指の腹に至るまで、満遍なく付くように広げましょう。

②スーパーサイヤ人のように持ち上げる

次に、ワックスの付いた手のひら全体で、手ぐしを通すように上に持ち上げましょう。すると、スーパーサイヤ人のように髪が立ち上がります。

そしてこの時、ワックスは髪の毛の「中間から毛先」に付けるように意識するのがポイントです。髪の根元に付けてしまうと、ふわっとした印象にならず、油分で重たくなって、形も潰れやすくなります。

スーパーサイヤ人は不自然過ぎるだろ!」と怒られそうですが、この工程によってワックスを満遍なく付け、また自然な束感を作ることができます。

③ボリュームのいらない部分を下ろす

このスーパーサイヤ人になった髪から、「ボリュームのいらない部分」を手ぐしで軽く下ろしてください。

先述した【前から見た場合】【横から見た場合】のポイントを意識しながら、「トップのふんわり感」と「髪の毛流れ」を調節しましょう。
ドライヤーの乾かし方のように、前は「トップを軽く握る」、後ろは「後頭部に向ける」を意識すると、バランスがとりやすくなります。

すると、最小限の手数で「自然な束感」と「見た目のバランス」を両立したヘアスタイルにすることができます。

今回はここまで。

その②は【レディース編】です。
その③では、メンズ、レディース共に活用できるヘアセットのアレンジのお話になりますので、ぜひご参照ください。


ではまた。

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