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美容師さんのようにヘアセットできないのはなぜ?その②【レディース編】

操作イトウです。

美容師さんに切ってもらった直後はカッコいいのに、次の日に自分でセットしてみても、なんだか上手くいかない。

『美容師さんのようにヘアセットできないのはなぜ?』その②は【レディース編】。
ミディアム、ロングのスタイリングについてのお話です。

その①【メンズ編】はコチラ↓

■なぜ、美容師さんはいつ見てもステキなのか?

美容師さんは、言わずもがな髪の毛のスペシャリスト。いつもお洒落でステキなヘアスタイルをしています。

ですが美容師さんにその秘訣を聞いてみると、意外とその場しのぎだったり、「チャチャっと済ませている」という回答が返ってくることが多いはずです。
もちろんプロの手捌きには違いがあり、また美容師さんはそれをほぼ無意識でできてしまうので、美容師本人は言語化するのが難しいことでもあります。

とはいえ多くの美容師さんは、仕事中にヘアスタイルが崩れやすい環境にあります。
作業中は上下左右に首を傾ける機会も多く、時間が経つと「コテで巻いたカールが緩くなる」「トップがぺちゃんとしてしまう」「クセが出てきてしまう」などの不都合は、皆さんと同じように起きているはずです。

▼崩れないヘアという考えは、完璧を求め過ぎかも?

例えば、美容師さんのインスタの写真や動画には、コームや手ぐしを通したりして、わざと髪を動かす場面も多くあります。これは美容師さんが、作り手として「崩れないヘア」より「崩れてもステキなヘア」を意識しているからです。

髪の毛はミディアム〜ロングと長くなる程、身体の動きや風によって安定性を欠くようになります。
「ココじゃなきゃ可愛くない」と絶対領域のような前髪のアイドルも話題になりましたが、それはこだわりが強くなり過ぎて、完璧を求め過ぎているかもしれません。

美容師さんは、カツラのように風が吹いても微動だにしないヘアではなく、風に靡いている姿もステキなヘアを作っています。
そのため美容師さんは、時間が経って少し崩れてもいい形にスタイリングして1日を過ごしている、ということです。

この前髪↑

■美容師が意識している「崩れてもステキ」なポイントとは?

ミディアム〜ロングのヘアスタイルで最重要なのは、「艶」です。
ドレスやアクセサリーなどの「艶感」はキレイで高級な印象を与えることができます。

艶はヘアスタイルにおいても大事なポイントです。パサパサの髪は「おしゃれでやっている」ように見えず、手入れを怠って「なっちゃってる」感じに見えてしまうからです。

▼艶はキレイで高級な印象を与える

例えば、ドレスやアクセサリーなどの艶は、キレイで高級な印象を与えることができます。

レディースのフォーマルなドレスには、艶やかで柔らかい生地をたわませた「ドレープ」が用いられることが非常に多いです。
これはシルクなどに表れる“波打つような艶”が、洗練された雰囲気を生むからです。

高級感のある“波打つような艶”

▼「艶」とは「反射して見える光」のこと

「艶」とは、「反射して見える光」のことです。
「光」は、当たった“面”に反射して光ります。真っ直ぐな“面”であるほど跳ね返って明るく光りますが、“凸凹する”ほど、乱反射して光って見えません。

同じように、髪の毛においても“直毛”であるほど髪の毛は反射して光り、“ウェーブ”があるほど光は失われます。つまり、この光が「艶」です。

■シルクはなぜシワがよっても艶やかなのか?

ですが、先述したドレスの「ドレープ」は、しわが寄っても光って見えています。これは、生地自体の糸が細く密で“キメが細かい”からです。シルクのようにツルツルの糸で織った生地は、“凸凹”に動いても光っているため「ドレープ」します。

髪の毛においても、“キメが細かい”状態であれば、ウェーブのあるヘアスタイルでも「艶」っぽく見え、「ドレープ」を演出することができます。

つまり艶やかな髪になれば、「崩れてもステキなヘア」をキープすることができるのです。

▼シルクのような髪になるには?

髪の毛の“キメが細かい”状態とは、ダメージの少ない髪の毛のことです。髪の毛一本一本には、「キューティクル」と呼ばれる「鱗」が付いています。

この密に並んだ「鱗」は鎧の役割をしていて、ダメージを負うとめくれて剥がれてしまい、それは自然治癒することがありません。つまりダメージのある髪は一本一本が“凸凹”になり、ダメージを負うほど髪の毛の艶は失われていきます。
そのため「ダメージを減らす」「ダメージをカバーする」ことはとても重要です。

髪の毛のキューティクルの図

▼ダメージを負った髪では手遅れ?

とはいえ美容師さんだって、髪はダメージを負っています。
美容師さんはハイトーンカラーにしている方も多いし、会う度にヘアスタイルが変わっている印象もあると思います。

もちろん、シャンプーやトリートメントなどを駆使して、優れたヘアケアをしていることは間違いありませんが、一般の方よりもマメにヘアカラーなどをしているので、よりダメージが蓄積されているとも言えます。

ですが美容師さんは、ヘアスタイルをステキに見せるテクニックをたくさん知っています。
美容師さんがテクニックを駆使すれば、ダメージを負った髪を“ダメージを負ったように見せない”こともできるのです。

■ドライヤーで艶髪になるポイントは、たった一つ

では「崩れてもステキなヘア」を踏まえた上で、ドライヤーで艶髪になるポイントをご紹介します。

それはドライヤーの風を上から、または横から当てることです。

横からなら大丈夫です

▼美容師さんは、下からドライヤーを当てない

腕を肩よりも上げて構えたり、左右に風を振り分けたりするのはめんどくさい。自分でドライヤーを当てる場合、ドライヤーが重たくて疲れてしまうので、顔より下から巻き上げるような乾かし方をする方も多いと思いますが、それはオススメしません。

下からの風で髪を乾かすと、髪の毛はボサボサになります。逆に、上から風を振り落とすように乾かすと、髪はツヤツヤになります。
そのため美容師さんは必ず上から、または横からドライヤーを当てているのです。

下から巻き上げると、ボサボサになる

▼下からドライヤーを当てるとこうなる

髪の毛は全ての毛が均等な長さにはなっていません。ヘアスタイルを決定づけている長い毛の中には、“短い毛”がたくさん混じっています

図左のように上から吹き下ろすように乾かすと、風にあおられて“短い毛”は下に降りて毛先が目立たなくなります。
逆に、図右のように下から吹き上げるように乾かすと、風にあおられて“短い毛”がファサファサと表面に出てきます。すると、髪の毛全体がボサボサな印象になってしまいます。

すると表面が「平面」ではなく「凸凹」な状態になってしまうため、艶が出にくく、ボサボサした印象になってしまうのです。

▼ドライヤーを上から当てると、キューティクルにもイイ

キューティクルの鱗の一枚一枚は、毛先に向かって重なっていて、毛先側が開くようになっています。そして、鱗の毛先側は熱によって開いたり閉じたりする習性があります。

ブローをすると髪はツヤツヤ・ツルツルになりますが、これは根元から毛先に向かって熱風を当てているからです。またヘアアイロンやコテも同様で、艶が出るのは「熱」によってキューティクルが閉じているからです。

つまり「熱」によってキューティクルが閉じると、髪の毛は艶髪になるのです。ですが下からドライヤーを当てると、熱風が反対方向に向きます。するとキューティクルの鱗の方向に逆らってしまい、一枚一枚が毛先側から開いてしまうのです。

毛先側が開いたままのキューティクルは、「凸凹してバサバサに見える」「手触りも悪くなる」「毛先側から剥がれてダメージを負いやすい」など、良いとこなし。

ドライヤーを下から当てないだけで、艶髪とヘアケアを一石二鳥で得ることができるのです。

■ヘアオイルの簡単な付け方は後ろで一つ結び

ドライヤーで艶髪にしたら、次はスタイリング剤の出番です。
ここでは一番簡単で失敗しないヘアオイル・バームの付け方をご紹介します。

①ヘアオイルは少なめに手に取る

ヘアオイル・バームは付けるだけで艶感が出て雰囲気が一変するので、ミディアムからロングの方にとって必須アイテムです。付ける量によって濡れたような質感にできるのが特徴です。
ヘアオイルは油膜を張ることで、光を反射しやすい「ミラーボール」をくっ付けているイメージです。

ヘアオイル・バームは手に広げると、油膜でテカテカとするほど油分が濃いです。そのため一箇所に付け過ぎると、もったりした毛束になってしまいやすい。

なので付け方は、いきなり付け過ぎないのがコツ。
製品による油分の差も大きいため、慣れないうちは100円玉ほどを少なく手に乗せて、足りなければ足すつもりで付けましょう。

②結ぶように付けるとベタッとならない

そして基本的に根元には付けず、髪の毛の「中間から毛先」に付くように意識しましょう。
最初に顔周りから付けると、手に乗せているオイルが多すぎてベタッとした束感になってしまいます。

ミスを避けるために、ヘアスタイルの内側から付けるようにすると良いです。“後ろで一つ結び”をするような動作で「襟足」「耳上の内側」「毛先」に馴染ませてから「表面」に付けると、ベトッと付いた印象になりにくいです。

③手に残った油分で前髪や顔周りを触る

前髪や顔周りの髪には最後につけましょう。顔周りがもったりした毛束になると、悪目立ちしてしまうからです。

わずかに手に残った油分でも髪の毛は充分しっとりするので、透けバングの束感なども作りやすくなります。

今回はここまで。

その③では、メンズ、レディース共に活用できるヘアセットのアレンジのお話になりますので、ぜひご参照ください。

ではまた。

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