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恋した夏の日

 かつて私は、「私は、DJ、じゃない。」というクラブ・キッズを主人公にした小説を書いたことがある。いまとは別の名前で、「江古田文学」に掲載してもらった。その後、私家版で出版した。
 テクノ・ミュージックが好きなキッズの話である。1994年、いわゆるテクノが世間に認知され、急激に浸透していった。そしてブレイクしたのが、1996年。その1996年を舞台にしている。
 テクノDJがもてはやされ、「ソニーテクノ」と呼ばれる、ヨーロッパのテクノレ-ベルの音源とするCDが、日本でもどしどし発売された。そんな時代である。
 自分でいうのも変なのだが、久々に読み返したら、面白かった。どうしても、これを書きたかったのだ、という思いがこもっている。
 私自身、当時は、毎週のように渋谷に行き、シスコテクノ、シスコハウス店、テクニーク、ディスクユニオン、マンハッタンレコード、DMR(この2店はハウスだが)などのレコード店を順番にめぐって、アナログレコード(特に12インチシングル)をわんさかと買っていた。
 自宅でDJ機器をそろえ、レコードをつないで、ミックステープ(その後、ミックスMD)を作って、テクノ好きの友人に配っていた。
 かなりの本数のミックステープを作っていたはずである(100本以上はあると思う)
 レコード店で、レコードをあさっていると、偶然、友人と出会うこともしばしばだった。そんな時代である。

 だが、そんな時代は去ってしまった。

 私自身、現在もレコード店に行くが、テクノのレコード棚を熱心にあさっていないし、いまのテクノは、ダウンロードが主流だという。
 DJもレコードではなく、データをつかって、PCでDJをするという。

 私は、あの1996年の夏のことを忘れていない。いや、忘れられない。
 その思いは、この小説につまっている。

 昨年、noteで、この小説を書き直した。タイトルは、「神様がいたダンスフロアの終わり  a Love story 1996(全)」

 ここです。

 原本のほうはリアル書店としては中野ブロードウェイ3Fのタコシェ、あるいはネット書店、めがね書林で、現在でも、入手ができる。基本的なストーリーは変わっていない。

 この小説のスピンオフとして、「小説屋④ 野中リユ」がある。これは、郵便小説として、めがね書林から発売している。

 noteであれ、紙の本であれ、郵便小説であれ、ぜひ。

 よろしくお願いしますm(__)m



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