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小さな死

 日曜日。朝起きると、曇天がひろがっている。鬱陶しい気分になる。朝食をとる前に、コーヒーを飲む前に、することがある。
 SNSのチェックである。

 SNSをのぞかない日はない。
 なんなら、朝起きてのぞき、昼休みにのぞき、夜、帰宅後、数時間のぞいている。
 依存しているといってもいいくらいだ。
 SNSといっても、たくさんある。
 noteもその一つである。
 愛読している執筆者がいる。
 ほぼ毎日、更新しているかどうか、確認しにいく。わくわくして、そのひとのページに飛ぶ。
 note上で、コメントのやりとりはある。だが、(もちろん)リアルでは会ったことない。顔も知らない。一方的に、勝手に、友情を感じている。そういう人である。

 あ。

(数秒)
(の)
(絶句)

 削除されていた。ページがない。

 もちろん、事前に読者に挨拶をしなければならない義理はない。ルールはない。そういうマナーもない。

 ずっと書いてきて、過去にページの蓄積がたくさんあるひとが、削除するのだ。一読者には、知り得ない、それ相当の理由が(そしておそらく覚悟も)あったのだろう、と推察できる。
 あるいは、書籍化の話があって、すべてを消したのかもしれない。とも思う。

 理由を知り得ない一読者としては、突然の別れに、ただ、言葉を失うばかりだ。

 それは、私のなかで、小さな死に似ている。


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