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一棚書店

 一棚書店のことを初めて知ったのは、いつのことだったのか覚えていないが、池袋の天狼院書店の店内で見たのが最初だった。
 書棚ごとに自分の棚を作って、自分の好きな本を置いて販売しているのだ、と驚いた。ただ、天狼院書店のその棚は、天狼院書店で、ある金額以上の本を買った人に、抽選で権利を与えるものだったように思う。レンタルしたいと申し出てレンタルできるものではなかったのだ。
 その後、神保町のすずらん通りで、レンタル棚を置いている店舗を見た。
 そのうちに、一棚書店のことをネットで読んだり、カフェの一角にある一棚書店を見かけることが多くなった。
 大好きなエッセイを書く翻訳家(翻訳本も大好き)な岸本佐知子さんが下北沢のBOOKSHOP TRAVELLERにて、一棚店主を始めたことを、岸本さんのTwitterで読んだ。
 ぜひ、その棚を見てみたいと私は思った。原書なので、私には読めないだろうけれど。
 そんな経緯で、私は、一棚書店のことが気になっていた。
 今回、江古田の古本屋を検索していて、偶然、ぼっとう&よはくという一棚本屋の存在を知った。ランチを食べるついでに、実際に店舗に寄ってみた。
 大きな道に面しているビルの二階だったが、そのわりには、迷ってしまった。
 靴を脱いで、店内に入る。アットホームな居心地のいい空間が広がっていた。部屋の壁に沿って、書棚が並んでいた。
 コロナ禍もあり、集客はそうでもないようだったが、やってみようと私は思った。
 たまにインスタやTwitterでめがね書林に「実店舗はないのですか?」という問い合わせがある。そのたびに「申し訳ありません。ないのです」と妻くんは、返事をしていたが、これで、たった一棚であっても、店舗ができるのだ。

 さて、めがね書林として棚をレンタルするとなれば、どんな本を並べるか、方針を決めなければならない。妻くんと相談した。私の本は、すべて揃える。そしてサイン入り。郵便小説は、本に収録されていない作品を選ぶ。スペースから考えて、3通程度。
 残りのスペースは、古本を置く。いらなくなった古本を選ばない。面白くなかった本は選ばない。すべての古本に、推薦理由を書いたポップ(付箋)を付ける。絶版文庫を入れる。
 その結果、片岡義男さんの絶版文庫やサリンジャー「九つの物語」(講談社文庫)などになった。文庫本の値段は、200円平均。おっと、それともう一つ。高い値段は付けない。
 江古田駅にくることがあれば、ぜひご来店ください。
 場所は、駅近のミスター・ドーナツの交差点の近くにあるビルの2階ですが、わかりずらいので、ぼっとう&よはくさんのHPの地図を見ることをおすすめします(東京都練馬区旭丘1丁目 65-18 旭丘ダイヤモンドビル 2F)
 営業日は以下の通り。毎日は、営業していませんので、ご注意を。
 
 水土日祝 13:00〜17:00
 金    17:00〜21:00

 どうぞ、よろしくお願いします。

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