「家畜人ヤプ―」の作者
古本屋で、倉田卓次さん(元裁判官)の「裁判官の戦後史 老法曹の思い出話」を見つけた。それほど高価ではなかったので、購入した。
倉田卓次さんは、知っている人は知っている。
澁澤龍彦さんたちに、沼正三「家畜人ヤプ―」の作者ではないか、といわれたのである。沼昭三はペンネームで、正体は謎に包まれている。
「続々裁判官の戦後史 老法曹の思い出話」を読んだことがあるが(先に続々を読んでいたのだ)、倉田さんは、この件について語り、自身が「家畜人ヤプー」を書いた沼正三と推測されたことを否定している。
ただし、倉田さんは、ヤプーが連載されていた「奇譚クラブ」を愛読しており、現在「ヤプー」の作者であると主張している天野哲夫さんとは、「奇譚クラブ」を通じた文通相手だった、と書いている。
多くの関係者が亡くなってしまった現在、真実は、おそらく明かされないまま終わるのだろう。
ちなみに、「ヤプー」の作者であると主張している天野哲夫さんは、沼正三として2008年に亡くなっている。
サポートをいただけた場合、書籍出版(と生活)の糧とさせていただきますので、よろしくお願いいたしますm(__)m なお、ゲストのかたもスキを押すことができます!